MAGICALSTONE ~マジカルストーン~

MAGICALSTONE ~マジカルストーン~

第4期 すれ違いすぎた Time rag



中学生になって始めての期末も終え、後は夏休みを迎えるだけとなっていた。

休みに入ったら美鈴とどうするかな・・・・とか考えていたけど

あっちの都合で全然会えないし俺が行っても全く会える機会が無いというので

行く予定は完全に無くなった。



しかも入ったテニス部は厳しくてハードだったので、そんな予定をたてられなかった。

丁度夏の大会の近くだったので余計ハードになっていて、

正直そんなに運動してなかった俺には辛い。

それに加えて今年の新入部員は例年以上に多く、レギュラー争いが壮絶を極めた

この事については顧問も驚いており、正直決め悩んでいるらしい。

レギュラーはダブルスで3組、人数に直すと6人、1年の総部員数が14人

そんなに強い部活ではないのだが、1年で初めての大会となればやる気も自然に出る。

しかも8月の中盤には3泊4日の大きな大会がある

それには全員出れる為、レギュラー争いに残れなかった部員も試合が出来るのだ。

よって、夏休みの3分の1は部活で終わってしまう

加えて宿題、自由研究、読書感想文だの削られ、

小学生から中学生へのステップアップの辛さが二十分に味わう事になった。



あっ、結局俺はレギュラーに入る事は出来なかった。









誠児が中学生の辛さを味わっている同時期

舞台は2人が出合った隣町の大きな病院。

数多の命が救われまた落ちていく。

その病室の個室に座っていた。



先日、家で突然体調が悪くなり救急車で運ばれたが

症状がひどい為に隣の町の病院に運ばれていた。

彼女は医者に伝えられた病名を両親から知らされて

一瞬戸惑ったが、受け入れたのか普段のちょっと生意気で、でもいい人に戻った。

彼女は1つだけ親に質問した



「私、後どれくらい生きられる?」











時はドンドン進んでいき、美鈴と出会ってから3年の月日が経っていた。

その半分以上が月一の文通だけで、

よくこんなに持っているなと自分でもビックリしている。

俺も中2になった。

そういえば今日からの連休で美鈴が遊びに来たよなぁ

「お邪魔しまーす」

そうそう、こんな感じで

「あら、いらっしゃい。来るなら電話ぐらいよこしてくれればいいのに」

あれから一年経ったのか・・・

「いきなり思いついて、後、誠児にも驚かせたくて」

もう美鈴と遊園地には一生行きたくないな

「本当に驚いちゃったわよ。さぁさぁ、上がって上がって」

そう、高所恐怖症だっていうのに高いのばっかり乗せやがって・・・

「よっ、元気だったかっ?」

「おう、思いっきりな!」

そう返事したら腹に重圧がかかった。

「ぉう!?」

思わずベットでくの字になる俺。

腹の上には何やら人型の黒い物体が全体重を俺に預けている

危うく気絶しそうになった意識を気力で取り戻しながら、顔を見てみると

「元気だった?」

今の今まで思い出に友情出演していた美鈴本人が腹の上に立っている。

「会えなくて寂しかったでしょー、君の為に来てやったよ、まったく」

あぁ、遂に俺も行くとこまで来ちゃったか、無念

「遊園地行こ、遊園地、あのジェットコースター乗ってから

あっちの迫力無くなっちゃってさぁ」

この現実を受け止めるのも面倒なので、そのまま寝ることにした。

「おやすみ、ぐぅ」

ドスンッ

直後にまたも腹に衝撃がそしてさっきよりも凄い、くの字が

「ガッ、ハっ!!」

「行こうぜー、遊園地、遊園地」

これは幻想ではないようだ、遊園地リズムに乗ってジャンプしてやがる。

「た、のむ、から、ジャンp、もう、辞めて、くれ」

「行く?行く?」

「なん、でも、乗って、や、るから」

「そうそう、素直に聞けばいいの、素直が一番!」

ようやく腹上ジャンプを中断し、ベットに座った。

「もう少しで、片足ジャンプだったよ~」

「だったよ~、じゃねぇよ!殺す気かぁ!!」

「だって話しかけても無視してるから、目覚めるかなと思って」

「お前は起こし方を知らんのか?」

「うん」

「え、えー」

「そんなことよりも、遊園地行こうぜー」

「やだよ」

「ほーう?片足をくらいたいようで・・・」

「よし、行こう。さあ、行こう。すぐに行こう」

ようやく腹から降りた美鈴は思い出したように

「あ、そういえば」

「何?」

「久しぶりだね」

「今頃かよ!」









久しぶりに来たこの場所はさほど変わってなく

時代に流されない所もあるんだなとつくづく感じた。

お目当てのジェットコースターも健在で早速乗ろうと拒否反応を起こしている

俺の手を引っ張りながら連れて行く

このやり取りが好きで、でもジェットコースターは本気で嫌で、

自分としては複雑な気持ちだった。

「私も大きくなったアンタ引っ張るのめんどいんだから自分で歩いて」

「だから、嫌だ言ってんだろ」

これでは無駄に時間を過ごしてしまう・・・・・

時間が惜しい今は観念するほうが得策か

「仕方ないな、行くか」

急に俺が引っ張る手に従うと急だったためか美鈴が転びそうになる。

おぉ、ジェットコースターに乗るんだからコレくらいは受けてもらわないと

運動神経も悪いほうじゃないし転ばないだろ



そんな様子で見ていると、どうしたのか背中から倒れそうになっている

気付いた俺が手を握るとギリギリセーフで倒れるのを阻止した

安心するのもつかの間美鈴が怒りを露にして詰め寄ってきた。

「何てことしてくれてんの!こうなったら2周連続で乗るわよ!」

身から出た錆とはこの事を言うのだろうか

最悪な気分で美鈴に着いて行く俺の背中は

傍から見ると完全に何かあったなと分かる背中だったに違いない



この後、俺はジェットコースターの一軒も相まって、

数年前に味わった地獄を倍にして味わうことなった。

前半に前回に乗ったコースを軽く制覇

二回目という事もあり、手際よく乗っているというのが味噌だ。



それが終わると小休憩も程々に普通の乗り物に乗る。

コレなら安心と思っていた俺がバカだった

(そうよ、バカなのよ)

普段は何の危険性のない乗り物でもコイツの手にかかれば

たちまち暴走してそれが全部俺に降りかかる。かかる俺の身にもなってくれ

最後には前回の景色が気に入ったのか観覧車で頂上まで上がって景色を見たら

後半の下がる部分では身体を揺らして俺のリアクションを見る始末

高所恐怖症だと言っても

「前回は自分で誘ったから今回もと思ったのに仇で返すとはね!」

とまで言われる有り様

帰る電車の中では放心状態であることは言うまでもない。

つくづく俺は流されやすい奴だと自覚するのだった。

その電車の中でもかまわずに話しかけて来る美鈴は凄いなぁとちょっとばかり感心する。

さすがにハードだったのかグッタリしているのだが、

「私もちょっとはしゃぎ過ぎたね」

「あぁ」

「ま、いいでしょ。久しぶりに会ったんだから」

「そうだな、久しぶりという事でチャラにしてやる」

ここら辺が俺の心の広さを表す場所だ。だがコイツは

「当たり前よね」

一蹴する。

「当分来れそうも無いし」

「両方とも大変になりそうだしな」

「私はね」

「そうだな」

面倒くさいのでそろそろ寝たいのだが、許さないのがウチの女王様だ

電車の揺れと先ほどまで出来事で今にも吐き出しそうな俺を無視して問答無用に話しかけてくる。



それがウチの女王様。





勘弁。


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: