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Oh To Be Wicked Once Again
草間彌生展
まず目に飛び込んできたのが、デッカイかぼちゃ。
黄色と黒の水玉で描かれています。非常にかわいらしいです(笑)。
そして次の部屋に行くと・・・なんじゃこりゃ! 周囲が鏡で囲われていて、
一瞬空間が把握できなくなります。とりあえず部屋の中をぐるぐるまわったみて、
真ん中にあるオブジェの中を覗くと、ネオンサインのように、赤・黄・緑の
電球がチカチカ点滅しています。オブジェの中も鏡張りなので、そのネオン
サインが四方八方に広がっていきます(「信濃の灯」という作品)。
こりゃ子どもだったら何時間も飽きずにこの部屋で遊べそうですね(笑)。
次は普通の絵が並んでいます・・・といっても十分変わっているん
ですが(^^; その中でも目に止まったのが、「花と自画像」
という作品。白い横顔の絵に、蝶や風景の写真のコピー(かな?)を
切り貼りして作られています。この絵を一見して頭に思い浮かんだのが
Miles Davisの「Bitches Brew」のジャケットです。最近作品を見る
ときに制作年をよく見るようになったんですが、この作品が作られたのが
1973年。Bitches Brewがリリースされたのが1969年。いや、草間さん
がマイルスを聴いていたかどうかってことじゃないんですが、時代的に
何かそういう「似たようなもの」があったのかなあ、とか考えてみたり。
Miles Davis「Bitches Brew」
※なんか違うなあと思ったら、頭に思い浮かんでたのは裏側ジャケットでした。
右上に血しぶきを浴びたような女性の白い横顔があり、右下には、表側の左下に
見える花の一部があり、真ん中にはもんのすごいアフロヘアーの謎の民族が
ピンクの面をかぶって睨みつけていて、左下には紫頭巾をかぶった黒人女性が目を
閉じている、ってジャケットです(すいません、画像ないんです^^;)
制作年といえば、1939年、草間さんが小学校5年生(10歳でしょうか)のときの
作品がありました。いやー、これから太平洋戦争に突入するって時代に、
小学生の女の子が描いた絵じゃないですよ(笑)。まず顔の絵を描かせた時に、
何本も線を重ねて輪郭を描き、顔の中に影をつけて顔を黒くする小学生って、
どれくらいいるでしょうね? たいがいの場合、細い線で輪郭を描き、白い
きれいな顔が出来上がるっていうのが普通だと思いますが。草間さんはさらに、
すでに10歳にして、顔の中に水玉模様を描き始めています。驚きです(^^;
その後も、人物の肖像や、生物(特に蝶)の写真を切り貼りして作成した作品が
続きます。まるで「画像のヒップホップ/コラージュ」といった様相です。
特別展後半になって主に使われるようになってきたのが、「風の谷のナウシカ」
のオームの触手のような形をした、布製のクッション。最初に目に入った
のが、ばら撒いた乾燥マカロニの上に、自然界の中だったらいかにも
「毒を持っているから触ったり食べたりしちゃダメよ!」な柄の触手が並ぶ
作品です(作品名忘れました^^;)。黒地に黄色の水玉や、黒地に赤色の
水玉、赤・青・白のストライプなど、様々な模様の触手が並びます。
触手作品を横目に、今日のメインの「水上の蛍」の部屋へ。壁・天井は全て
鏡張り、床に水を張り、上から赤・黄・青の電球を垂らし、鑑賞するための板
を置いた部屋です。四方八方どこまでも広がっていく電球の光は、空間の
あらゆる部分に浮かびあがる原色のドットとなり、本当に幻想的な・神秘的な
光景を作り出します。人数規制があって、1回15秒程度しか見ることは
できませんでしたが、そのほんのわずかな間でも、まるで異次元の世界の中に
いるような感覚を覚えます。映画「マトリックス」の世界の中にいるみたいな、
ちょうどそんな感じですかね。何時間かここで瞑想してみたいです(笑)。
隣のブラックライトの部屋の中は、赤・黄・緑と色とりどりの丸いシールが
貼られ、部屋の中のテレビには草間さんの映像作品が流されていました。
画面がぶれていて、よくわからなかったですが、ポップな服装をした草間さん
が走り回ったり、ボディペインティングを行っているようでした。部屋の中
には机、ソファー、パソコンなどが置かれていましたが、机の上の新聞をふと
見ると、一面が爆破テロの記事(^^; わざとなのか、たまたまなのか。
そして、アンディ・ウォーホールがべた褒めしたという、
「死者の箱舟(?)」・・・そんな感じのタイトルだった
と思います(^^; これまた、「三途の川ってこんな舟で
渡るのかなあ」と思わせるような幻想的作品。例の触手が、
舟の外側も内側もオールにまで、びっしりと張り付いていて、
所々がブドウやメロン、パイナップルといった果物で彩られ、
色は銀一色。「この舟は、一体何年前から三途の川の渡り舟に
使われているのですか?」。思わずあの世でそんな質問を
してしまいそうな、時の流れを遮断する美しい銀色でした。
なべ・やかん・電話・かぼちゃといったポップな日常品が入った
ボックスが、いくつも積み重ねられ、それを白地に赤色の水玉模様で
色付けした作品、「自己消滅」。遠目に視界に入ったときには、本当に
ポップでかわいらしい作品です。しかし近づいて観てみると、なんだか
赤い水玉が血しぶきのようにも見えます。一見かわいらしい作品なん
ですが、あらゆるモノが同じ色彩の下で画一化されており、実は
かなりニヒルな作品なんじゃないのかな、そんな風に思いました。
草間さんは小さい時から幻覚や幻聴があったそうです。何か大多数の人とは
違った感覚を持つということは、自分の感覚を表現する芸術の世界においては、
ある種有利なのかもしれませんね。こういう草間さんのエピソードを聞いて
思い出したのが、知的障害者の芸術です。ずっと昔に彼らの作品を見たことが
あるのですが、様々な感覚を持った私たちにはなかなか表現できそうにもない
ような、すごい作品が多いんですよね。障害があることで、逆に感覚が研ぎ
澄まされているというか、障害があるからこそ、私たちにはできないことが
できてしまうというか。草間さんの作品を観ながら、そんなことを考えました。
050205
050207補足
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