Oh To Be Wicked Once Again

Oh To Be Wicked Once Again

ONJO Japan Tour 2006 @同志社大学寒梅館

京都は同志社大学の寒梅館ハーディーホールにて。
相変わらずリッチな雰囲気漂う大学です。


同志社大学寒梅館


ONJO京都公演のopening actはPOPOという・・・なんていっていいのか
分かりませんが、電子オルガンとトランペットとたて笛(!)での
演奏を行う、まったり系バンドといえばいいのでしょうか(^^;
なぜかホールではなく入り口付近で演奏をするということで、100人くらい
の客がその前で体育座りをして聴くという異様な光景になっていましたが、
なんだか家でのんびりくつろいでいる気分にしてくれるような、本当に
まったりとした演奏でした。演奏を聴いているんだけど全然聴かずに、
ぼんやりと全く関係のない考え事をしていました。うーん、実はアンビエント
系の音楽だったようですね。聴きながらα波出まくりだったと思います。
春にアルバムが出るらしいので、チェックしようかと思います。


その後はいよいよONJOのライブです。
まず最初に目がついたのはカヒミ・カリィ。
生で見ると、本当に細くてキレイな女性だなーと感心。
相変わらずの(といっても「ちびまるこちゃん」の主題歌くらい
しかまともに曲を知らない)吐息をつくような独特の歌唱法で、
なんとも言えない幻想的な雰囲気を醸し出していました。


その次にどうしても、どうあがいても、
目を向けざるを得なかったのが宇波拓。
演奏するのが「Comp&オブジェクツ」ということになっていますが、
まあなんというか、キワモノ・・・げふんげふん、いや、
かなり独創的な楽器・・・いや・・・楽器じゃないです(笑)。
どういうものだったかというと、コンピューターとつないだ
むきだしのスピーカーを4つ、茶碗のように上向きにして机の上に
置いてあるわけです。そして、音波を発してそのスピーカーを
震わせつつ、その中にパスタ的なものを入れてシャラシャラ鳴らしたり
(振動であふれてこぼれ落ちる)、アルミ箔を置いてカサカサ
鳴らしたり、まあそういうモノです。パスタ的なものの分量とか、
アルミ箔の折り具合とかだけが変にアナログな感じで、
職人芸ぽさが感じられるところです。


そんな個性的なメンバー中で、個人的に最も感動したのが
石川高の「笙(しょう)」の音色です( こんな方です )。
ギターを除いて個人的に好きな音を挙げろといわれたら、
電子オルガンの柔らかく優しく包み込むような音と、
この鳳笙(ほうしょう)の音なんですよね。この(鳳)笙
の音色を形容するならば、清涼感・高揚感・浮遊感・幻想的
というような言葉になるのでしょうか。世の中にこれ以上
神秘的な音色はないんじゃないかと思えるような雅楽器です。
そこらのふわふわ電子音じゃ、ちょっとこの音色にはかないません。
ちなみに調べてみると、笙は雅楽において「天から差し込む光」
を表しているらしいですね。とっても納得。しかしこの音色、雅楽だけ
じゃもったいないよなーと以前から思ってたら、これをフル活用
する大友良英のセンスの良さと懐の深さ、いいですねえ(何様)。


あ、もちろん大友氏のギターも、SachikoMのサイン波も、
アルフレート・ハルトのサックスも素晴らしかったわけですが。
特にハルトのサックスは、なんというか、説得力があります・・・
というか彼の存在感はメンバーの中でも頭2つ3つ抜けてましたからねえ。
一人だけ外国人だからとか、そういう理由じゃなくてですよ。


実は何をやるのか全く知らずに、「大友良英」「3000円」「京都」という
理由だけで聴きにきてみたんですが、最初の曲の演奏を聴いたとき、
即興的だけどなんだか演奏が硬いなーと感じました。しかも、もっと
戦慄的な旋律が聴けるのかなと思いきや、意外と普通(もちろん、
大友良英について聴いたことのある数少ない音源からのイメージと
比べて、ですが)。って思ってたら、実はカバーをやってたんですね。
エリック・・・サティーじゃなくて、えー、エリックなんとかって
いう人・・・そう、エリック・ドルフィー!思い出した。で、調べて
みるとドルフィーの60年代ブルーノートの歴史的名盤「OUT TO LUNCH」
っていうのを全曲完全カバーしたアルバムを出してたんですねえ
(こんなんで聴きに行ってていいのか、ジャズは完全に素人です)。
doubt music

out to lunch(onjo)
ONJO 「OUT TO LUNCH」


out to lunch(original)
ERIC DOLPHY 「OUT TO LUNCH」


うむむ。インプロヴィゼーションは生で聴いてなんぼと思って
いるんですが(CDで聴いても正直何をやってるかよくわからない
ですからね笑)、これはCDを聴いてみようと思いました。


いつも普通に聴いていてはよく分からないことをする大友良英。
僕は、こういうタイプの演奏家はいつも注意深く聴くんですが、なぜか今回は、
「何をしようとしているんだろう、なんとかその一端を理解してやろう。
あるいは少なくとも理解した気分になってやろう。」
というような考え(っていつもそこまでどぎつく考えて
いるわけではないですが)が浮かんできませんでした。
いつもは能動的に演奏を聴くのですが、
今回は受動的に演奏を聞いてしまっていたわけです。
別にそれ自体「自分としたことが・・・!」とか、
そういう悔しい気持ちがあったのでは全くありません(笑)。
POPOの演奏はまったりだったから何も考えてなかったんですが、
ONJOの場合はまったりしてたわけではないですから
(たしかに息を呑むような美しい曲は数多くありましたが)、
これは一体どういうわけだろうと純粋に不思議な気分になりました。


これについては 別のページ で考察することにします。



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『ONJO』(「Otomo Yoshihide's New Jazz Orchestra」の略だったんですねえ^^;)

大友良英(G、指揮) カヒミ・カリィ(Vo) アルフレート・ハルト(Ts,B-cl) 津上研太(As,Ss) 大蔵雅彦(As,B-cl, Tubes) 青木タイセイ(Tb) 石川高(笙) Sachiko M(Sine waves) 宇波 拓(Comp&オブジェクツ) 高良久美子(Vib) 水谷浩章(B) 芳垣安洋(Ds,Tp) 近藤祥昭(sound,名古屋、京都のみ)  江崎将史(tp 京都のみ)


2.12(Sat)@京都 同志社大学寒梅館ハーディーホール
SET LIST(アンコールはジム・オルークの「ユリイカ」でした)

・Out To Lunch
・Hat And Beard
・Lost In The Rain
・Climbers Hight Opning
・Something Sweet, Something Tender
・Gazzelloni
・柔らかい月
・Stright Up And Down
 + 真夜中の静かな黒い川の上に浮かび上がる白い百合の花

  Encore
・EUREKA ~ Climbers High Ending  


06/02/26


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