舞と芽衣の秘密のお部屋

舞と芽衣の秘密のお部屋

最終日



本当はこんなこと受験生に言うのはよくないのかもしれないけれど
行く途中舞に言いました。
「1日の学校は合格してる。ここも今日受ける学校も同じくらい
いいとわたしは思っている。だからダメ元で行きなさい。
ダメでもかまわないから」と。

校門に入って・・・塾の先生に呼び止められて
・・・いろいろコトバをかけてもらった様子でした。

舞は一度わたしのほうを振り返り・・・
そして校舎に向かって歩いていきました。

わたしは講堂で試験の説明を受けました。
考えていたよりもたくさんの人がいるように感じます。
この中で本当に合格できるのか不安になりました。

そのとき、舞から預かったメガネをもったままなのに気づきました。
学科試験は問題ないかもしれませんが
面接のときどうしようかと・・・・。(写真はメガネをつけていたので)
動揺しながら試験の説明をしてくださった先生に
伺うと「問題ない」と言うことでした。
本当にどうしようかと思いました。
舞も「やばっ」と思ったらしいですが
プリントの字がにじむほど
視力が落ちているわけではなかったので
大丈夫だったそうです。

終了後、舞は嬉しそうに帰ってきました。
塾のお友達もいて少し話したり出来たそうです。

とにかく入試の日程はこれで終わりです。
これでインフルエンザにかかろうと熱が出ようと
かまわない!とは言いませんが
『体調を整えさせなければ』
というプレッシャーからは開放されました。


翌日・・・
発表少し前に学校に着きました。
すでに待っている人がいます。
掲示板が出されました。
番号が少ししかありません・・・。

「あった・・・!」

舞がわたしに抱きついてきました。

よかった。
昨日からホントによく頑張ったよ。
辛いのよく我慢したよ。
わたしが小学生だったらきっと負けてたよ。
誇りに思うよ。


塾にも連絡を入れ、その日のうちに入学手続きをしました。
(少し、繰り上げくるかな~?
なんて夢も見ていましたが、ありえないと思ったので。)

こうして舞の受験は終わりました。

準備期間が短かったせいか、
本当にあっという間に終わってしまった・・・中学受験でした。

第1志望に受からなかったことは、とても残念なこと・・・だけど・・
たぶん受かったお子さんは舞よりももっと努力していて
もっと実力があったお子さんなんだろうと思っています。
舞もすごく頑張った・・。
でも、もっともっと頑張った子が
きっといたんです。たくさんたくさん。

舞のことを怒ったり、泣かせたりひどいことを言ってしまったり
受験させなければなかっただろうことがたくさんありました。
チャレンジ校を受けさせると決めたときもダンナから
「お前が受けさせたいだけじゃないのか?」と言われ
「そうかもしれない」と落ち込んだこともありました。

だけど・・・・
頑張ることはいいことだって、
きっと彼女は学習したと思います。
努力することはすばらしいって知ったと思います。
自分より一生懸命な子はもっともっといっぱいるんだ・・って
そういうことを知ることで世界が広がったと思います。

学校のお友達と遊ぶ時間をなくしてしまったかもしれません。
でもそのかわり、塾でお友達が出来ました。
ドラマや歌番組を見る時間も塾でなくなってしまったかもしれません。
だけど、そのかわりニュースを見て世界のできごとを知りたいという
好奇心を得ることが出来ました。

これが小学生としてよかったのかは、まだわかりません。
だけど、少なくともわたしは
後悔していません。


やったね!中学生じゃん!
頑張ったよね~舞!!








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