メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Jan 21, 2006
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(昨日の記事の続き…)

 ところが、近年のワインブームはいきなり赤ワインから入って来るようになりました。先ず「健康に良い」がキーワードとなり、赤ワインの成分のポリフェノールが身体によいとされたためです。

 1998年2月号の雑誌「ブルータス」3号連続で刊行された「ワイン特集」は世界的なワインブームを日本における牽引の立役者として盛りたてました。
 また、ブームもあってか、初めてに口にするワインが「赤ワイン」であった、という方も多いと思います。さらには95年くらいからの醸造法・栽培法の発達はイタリアのトスカーナの例を見ても顕著なように、「濃厚なワイン」を大量に市場に送りだしたのです。

 ブルゴーニュの赤ワインの一部は「軽いワイン」の部類に入るようになりました。これはモードが変化したためで本来の味とは変わらないドメーヌも多いのです。ちなみに私がソムリエ資格を受験した当時、料理に添ってワインを合わせるという設問があり、ボルドーワインの後にブルゴーニュワインを提供するというのが正解でした。

 さて、とある大阪北新地の高級クラブでの出来事、、、

 新地の高級クラブ(銀座も代表的なのでしょうが、私はよく知りませんので)という空間は一種独特の雰囲気を持っています。惜しげも無く高級ブランデーが夜な夜な抜かれ、原価に見あっているかどうかは知らず、高い金額を払った方が女の子にモテるというシステムで成り立っています。

こういった空間では、ネームバリューが高く値段も高いブランド商品を注文することがステータスです。
ワインブームの前は「ヘネシー」や「ドンペリ」がその座を占めていたのですが、ワインブームと共に一躍「シャトー・マルゴー」や「シャトー・ムートン・ロートシルト」が有名になってしまったのです。



 しかし、問題はその「飲み方」にありました。ソムリエという名称はポピュラーになりましたが、別にクラブにソムリエはさほど必要ありませんし、また、でっかいワインセラーを用意することもありません。

 と、なると年代ものであれ、ノンヴィンテージのものであれ、

「今夜、××社長が来るから、マルゴーでも持ってきておいて」
「○○ちゃんが、ワイン好きな△△さんと同伴するから、ムートンを配達して頂戴。ヴィンテージ?そうねぇ、前のムートンより高かったらいいわ。」

と、いうような注文が各々のお酒屋さんに注文が入ります。

 ワインの勉強をされている方ならご存知ですが、そこそこのワインは入荷された当日や翌日に販売される事は避けられます。輸送のショックといわれる味の不安定感や、もちろんヴィンテージものには「澱が舞う」といった事も見られるからです。

 そういったワインを飲む御大のお父様方は「マルゴー」だから、「ムートン」だから美味しいはず、と思って自分を騙しながら飲むわけです。
「こんなん、美味しくないやん」
 などとは口に出せません。なにせお勘定には7万円、8万円、10万円、運命の分かれ道!(←知っている人は知っています。)のお値段が付けられるわけですから、脳裏には「1000円のワインと100000円のワインの違いの分からない2流芸能人の姿」が浮かぶわけです、、、

 値段の高さが「美味い、不味い」の判断の基準になっていることは昔からあったことです。
今から20年ほど前は現在とは酒税の税率が違って、ウィスキーやブランデーは非常に高級品でした。「ジョニーウォーカーの黒ラベル」は「ジョニ黒」と呼ばれ、「カティサーク」と共に重宝に応接間の戸棚に飾られました。ハワイで免税で買った「オールド・パー」をものすごくありがたがってアルバイト先の店長に飲まされたも高校性の頃の思い出となりました。



 そうしているうちに、「これが美味しいっていうんだ」と自分で納得する訳です。人間とは必ずしも自分の感情が優先する訳ではありません。頭で記憶したものが美味しさの基準になるといった理由がこういうところです。

 こうなると角の取れた熟成の進んだワインは物足りなく感じます。果実味の滑らかなワインには渋味が物足りなく感じてしまう。そうして「とにかく重いワインが好き」派が誕生してきました。

 新地のクラブの例は極端な一例かも知れません。しかし、ポリフェノール=タンニン分=渋味、が体に良いと喧伝された以上、渋味が無いのは「体に悪い、あるいは良くは無い」という感覚が生まれてしまったのではないでしょうか。








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Last updated  Jan 21, 2006 12:54:16 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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