まぁくん。(その1)


 高校を卒業し、春からの短大生活に備える私。自分もそうだけど、友達も
第一志望の大学に入れた子はほとんどおらず、半数くらいは浪人決定の子で、
心の寒い春休みを送っていた。母親は大学受験が上手くいかなかった私に対し
腹を立てており、何故かバイトをしろ!と言ってきた。有無をいわさぬ状態で
しぶしぶ私は母親が見つけてきた、近所の本屋のアルバイトを始めたのであった。

 バイトなんて、正月に年賀状を仕分けする仕事くらいしかしたことのなかった
私は、初めてのバイトに大緊張。お金を稼ぐなんて受験も失敗した私には無理!
と訳のわからない理屈をこねて嫌がっていた。そしてやってきたバイト初日。
私は2階の文庫のレジ担当になった。この本屋は昔からいつも利用していたが、
店員がどんな人だったかなんて意識にない。どういう人と一緒に仕事するんだろうか
とドキドキしていると、ものすごい駆け足で階段を上って来る人が・・・。
「今日からバイトに入るまじゅ子さんだよ」と店長が紹介してくれて、その人が
「○○です、よろしく」と挨拶してくれた。やさしそうな人だった。

 これが、私と彼との初めての出会いでした・・・。

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 私のレジには、他にもう一人アルバイトの男の人が入っていた。まさに両手に花
状態の私。同世代の男の人となんてまともに話したことがなかったので、
初めてのバイト、初めての男の人、初めての大学生・・・何から何まで初めて
で緊張の連続!接客業なんてやったことなくて「ありがとうございます」も
恥ずかしくてロクに言えなかった。(可愛いなあ~)でもさすがに文庫のコーナーは
それほど忙しくなく、また出来ない仕事は全部彼らがフォローしてくれたので、
私はあんまり何もやらなくてよかった(笑)で、二人とも話しやすい人だったので、
調子に乗って無駄話ばっかりしていた気がする。大学生ってだけでその時の私に
とっては憧れの対象だったのだ。Iさんは国公立N大文学部、Sさんは私立N大
法学部だった。受験の話や女子校話や私の面白ネタ話で毎日場を盛り上げてた。
顔が受けないのなら、ネタで受けるしかないからね(汗)でも、ちょっと短めの
スカートはいたり、ほのかに化粧したりとかささやかに頑張っていた気もする。

 かと言って、どっちかが好きだったのかどうかはよくわからない。もともと
男好きだったから、この状態にただ浮かれていただけなのかも(^^;大学生活に
不安と期待でいっぱいだったから、春休みの間にいろいろ聞けて参考になったし、
心強い見方のお兄さんって感じかなぁ~。私みたいな女を大学生が相手にするわけないって
思ってて、嫌われないようにしようと頑張ってただけ。一生懸命背伸びをしていました。
今にして思えば、そんなことするほど相手も大人じゃなかったとは思うんだけど・・・。

 ここで、彼らの説明を少し・・・。

「Iさん」→当時21歳。(若っ!)次の春から大学3年生。一年浪人しているため、
まじゅ子より3歳年上でした。身長166cm。(最初教えてくれなかった)
富山県出身で、まじゅ子の実家にものすごい近い所で下宿していた。本屋のバイトは
1年の頃からやっていて、店員さんからの信頼も厚い。でもいつも遅刻ぎりぎりで、
自転車飛ばしてやってきてた。

「Sさん」→当時19歳。次の春から大学2年生。まじゅ子の1個上ですな。
身長(多分)170cmくらい。高校が大学の付属で、ちょっといいとこのおぼっちゃん風
だった。バイトは私と1ケ月違い。態度がでかかったので気付かなかった。
見たいTVがあるとのことで、帰りはダッシュで自転車飛ばして帰ってた。

 今にして思えば、二人ともモテない感じだったなぁ~(笑)さあ、これから
まじゅ子はどっちを好きになるんでしょうか?

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 しばらくして、Iさんは富山に1週間帰省した。そのため、Sさんと二人で
バイトに入ることに。Sさんはオタクと普通の人間の中間みたいな人で、まじゅ子も
そんな感じだったから、マニアックな話で盛り上がった。下ネタとかね。でも男の人と
エロネタを話せる程すれていなかった私。時折顔を赤らめておりました。(純だったよなぁ~)
Iさんが帰って来る頃には、マンガの貸し借りをする仲に。Iさんが仕切りに
「何?何の話?」と二人の話に割り込んでくるので、いやっだ~妬いてるの?と
初めてのモテモテ感を味わっていました(笑)自意識過剰振りはこの頃から
だったようで・・・(今も健在です)(^^;;;

 と、おぼっちゃまSさんは、ちょっと遅刻気味で店長に怒られたからといって、
スパっとバイトを辞めてしまいます。せっかく仲良くなったのに、すごく残念だったので、
「お選別レター」を書いて渡しました。

 そして、短大生活がスタート!女ばっかりの生活に飽き飽きしていた私は、
毎日Iさんに愚痴っておりました。機関銃のように喋る女を、Iさんは初めて

見たみたいで、ちょっと圧倒されてたみたい(苦笑)講義のことや、サークルの話など、
いろいろ話を聞いてもらって楽しかった。仲のいい友達は大学が違うので毎日は
連絡取れないし、(まだ携帯高い時代ですよ~)この時の私にとって本屋のバイトが
一番心安らぐ場所だったんです。

 いきなりバイトをしてる子があんまりいなかったんで、面白がって、ゆりあるさんや
ボブさんがバイト先に遊びに来てくれました。で、その後電話で話すことといったら、
異性の話しかないですよね~。そういうお年頃。「Iさんはどうなの?」とか
聞かれて、「それは絶対ないよ~!」と話していた私。N大の放送サークルに
所属したての頃で、そっちでも気になる先輩がいろいろいたりして、
ウハウハ大フィーバーな時期だったんで・・・。



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