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妊娠中の浮腫(むくみ)

妊娠中の浮腫(むくみ)

 妊婦さんに聞かれる事で多いのが「浮腫(むくみ)がでてきたのですが・・・」という質問です。むくみは妊婦さんの六十%から七十%にみられます。半数以上にみられる症状は、異常ではなく生理的現象であるというのが現在の考え方です。

 妊娠時には母体のホルモン環境が変化し、そのホルモンが血管や腎臓に働いて正常妊娠でも1000ccから1500ccの水分を体内に貯留します。このように水分が増えることは血液中の水分も増え、胎児により多くの血液を送る流れをよくし、胎児を成長、発育させます。妊娠後期には血液がたくさん必要になるので血液中の水分、血漿(けっしょう)量が更にふえてきます。その水分が血管壁よりしみ出てきて皮下組織にたまった状態が浮腫です。ヒトは立っていることが多いので膝から下にでてきます。

 以前はむくみが出てくると「大変だ、中毒症がひどくなる」といって、利尿剤(余分な水分をおしっこにして出す薬)をのんでもらいましたが、いまは血液中の水分もおっしこにすることで、血液が濃縮し、流れが悪くなり血圧があがりやすくなるので使いません。

 浮腫は母子にどのような影響を及ぼすのでしょう。

 調査結果では、浮腫のある妊婦の方が無い妊婦より体重の重い児(こ)を出産する。浮腫のある妊婦は低体重児を出産する率が低い。浮腫のある妊婦の方が無い妊婦より出産前後の死亡が少ない。妊娠中の体重増加が多いほど浮腫がでやすい。子癇(しかん)をおこした妊婦の約半数に浮腫が無い。浮腫のある妊婦に体重制限をしても、しなくても妊娠高血圧症候群の発症頻度に差が無い-などの傾向がみられます。

 これらの事から、浮腫のみでは児に悪影響を及ぼすことは無く、妊娠時の浮腫は病気ではないと考えられ、妊娠中毒症(平成17年4月より妊娠高血圧症候群と変わりました)から浮腫は除外されました。

 妊娠中の体重増加は、胎児への栄養補給、分娩、授乳のための栄養の蓄積です。正常妊娠の体重増加の内訳は、胎児3kg。胎盤、羊水など1.5kg。脂肪の蓄積3kg。タンパク質の蓄積1.5kg。水1.5kgで合計10.5kgとなりますので日本人の場合、体重増加は10kgから11kgが適当です。

 標準体重を「やせ・普通・肥満」にわけると、妊娠前の体重が、やせた方は9~12kgの増加。普通の方は、7~12kgの増加が一般的です。肥満の方は、個別に対応する例が多くなっております。


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