歌って踊るお母さん

歌って踊るお母さん

夜の駅


何もかも寝静まった夜の底から
遠い汽笛がきこえてくることがある
電車が走っているのは、はるか街のはずれなので
どうやってここまできこえてくるのかと
いぶかしく思うのだ

それは夢なのかもしれない
遠い記憶の中の音なのかもしれない

なのにその時 私は見るのだ
行くあてのない汽車に乗る私
窓のむこうは、月も星もない黒い空
枯れた並木の向こうには
雪の気配さえみえる

それは 夜の駅

あの街はいまもあるけれど
あの人たちはもういない
あの駅はいまもあるけれど
あのころに戻ることはできない

そこは 夜の駅

今日と明日の境目に
時が立ち止まり 私に見せてくれる
あの街へと続く
夜の駅


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