| その4・恐怖の肉(1) |
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| しつこいようだが、私は肉は嫌いである。トンカツだめ、ステーキだめ、生ハムもできればご遠慮したい。レバーなんぞ死んでも食べたくない。 そんな人間が、ヨーロッパを一人歩きしようっていうんだから、食難が待ちかまえているのは当然のことで…… ロンドン到着初日の夕方。私はピカデリーサーカスへ出かけた。 「ウォン・キー」というその中華料理店は、ソーホーの中華料理店街の一角にあった。 だめだ。読めねー。 漢字の下に英語で説明があるのだが、これがさっぱり解読できない。 やがて、運ばれてきた皿を一目見て、私は絶句した。 大きな皿に盛られたごはんの上に、肉の大きな固まりが、これでもか!といわんばかりにどかどかとのっかり、その上に茶色のどろどろした肉汁がかけられている。他には、ひとかけらの野菜さえ入っていない。 私は肉は食べられないんだぞ。それなのに、なんで、こんな 肉肉 した 肉だけ の料理が出てくるんだ? し、しかたがない。自分が注文した以上は、少しでも食べなければ。 |
| その5・恐怖の肉(2) |
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| 次の日の夕方。やはり地下鉄でピカデリーへ。 レストランは地下にあり、降りて行ってみると、お客は私一人だった。思わず引き返したくなったが、もう店員がこっちにむかってやってくる。 メニューの中にチキンカレーがあったので、これを注文。豚肉はまったくだめだが、鶏肉なら少しは食べられるからだ。フルーツサラダとりんごジュースを添えて、7.5ポンド(約1700円) りんごジュースは、きれいなグラスに入ってきた。フルーツサラダもおいしそうだった。だが、メインのチキンカレーは…… 私は運ばれてきた皿を見て、絶望のあまり、うめき声を出しそうになった。 しかし、全然食べなかったら、いったいこいつ何しに来たんだろう、と思われてしまう。第一、作ってくれた人に対して失礼だ。 そこで、肉をおしるしだけつついてみるわけだが、 ひー、からい!! 辛いのなんの、舌をやけどしそうな辛さだ。おまけにフルーツサラダも辛い! 私はどうにかピリ辛のサラダと燃えるような肉を、リンゴジュースで飲み込んで、よろよろしながら早々に店を出たのであった。 以来、二度とインド料理店に入らなかったのは言うまでもない。 |
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