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<WWWAトラコン・シリーズ1-2>
ダーティペアのお出ましか・・・。
嫌ーな予感を抱えつつ、今夜はサウンドスターにお泊まりの二人だった。
・
翌日、あたしはフェルと一緒に出掛けた。
サミュエル通商は首都クルトミのビジネス街にあった。
10階建て以下の低層建築が主流の首都にあって、かなり目立つ近代的な16階建てのビルだ。流石にグラバース重工業生産本部の資材のほとんどを独占的に扱っている会社の本社ビルだけの事はある。
ハマーは本社重機械本部資材一課の課長代理だった。
面会の相手は資材一課長のライアン氏、46歳。アポイントメントは9時半なので、まだ10分早い。あたしは相手を待たせる、いや、相手に待たれるのが嫌いなのでいつも早く来てしまう。そうしないと相手に主導権を握られるようで嫌なのだ。
受付で用件を伝えると15階受付に行くように指示された。
5階受付に行くと応接室に通された。アポ5分前。
あたしの前にはブラックコーヒー、フェルの前にはミルクティー。
9時半ちょうど。
『コンコン』
時間ピッタリだわ。
「どうぞ」
入って来たのは、身長170cm位の小太りのおじさんだった。
「ライアンです。」
と名刺を出しながら言う。
こっちはIDカードを見せつつ自己紹介する。
で即本題だ。質問はあたしがメインでする。あたしの方が喋り方がソフトだからね。
「ハマーさんのこちらでの担当は何だったんですか?」
「ハマーはグラバース重工のアンガロン博士とテッペウス博士の研究所の資材の仕入れを担当していました」
「いつから担当してたんですか?」
「そうですね、アンガロン博士が6年、テッペウス博士が3年位でしょうか?」
「6年と言うのはかなり長いですね」
「いえ、そんな事はありません。この業界では商品そのものよりも人脈なんかが物を言うので、相性が良ければ担当は長くなります」
「でも、それって不正なんかの温床になるんじゃありませんか?」
ライアン氏は笑いながら言う。
「うちは注文を取る部署と発注する部署、納品を受ける部署と顧客に納品する部署、この四ヶ所が全て独立しています。もちろん担当も違います。ですから不正を行うにはかなりの人数が共謀しない限り難しい体制になってるんです」
「なるほど、良くわかりました」
という事は内部の不正絡みの線は薄いという事よね。
「ところで、ハマー氏は亡くなった当日の深夜に出社されてますが、そういう事は会社として普通なんですか?」
「その点は警察の方からも聞かれました。はっきり言って尋常じゃありません。そんなに緊急を要する事態はありませんでしたし、出社せずとも自宅から本社のメインコンピュータにアクセス出来ますから。一体全体何が彼をそうさせたのか見当が付きかねているのですよ」
「会社にいたのは50分位、出入りの時間を考えると、有効に使えた時間は30分位でしょうか。30分で何が出来るのか?その時の彼の社内での行動記録とかはないんですか?」
「とおっしゃいますと?」
「IDカードとかによる電子記録の事ですわ」
「それは・・・」
あらあら。暑くもないのに汗かいちゃって、正直ね。
「あるんですね」
「はい。あります」
「警察には提出してませんね。どうしてですか?」
「特に聞かれませんでしたから」
「本当に?」
「ええ。事情聴取も1回きりで、出入り時間の確認位しかされていません」
そういう状態で捜査を打ち切ったのか。
「では記録の提出をお願いします」
「わかりました。用意させますので暫くお待ち下さい」
ライアンが内線で指示を出している。
ん?なんか外で爆発したような音が。
「ねえ、フェル。今なんか外で聞こえなかった?」
「聞こえた、爆発音みたいの。でも、遠いよ」
ライアンの電話が終わった。
「ところで」
今度はフェルが口を開いた。
「結局ハマー氏は事件当日の深夜に会社のどこにいたんですか?」
「資料室です」
「何の?」
「顧客との接客録音ディスクの保管室でした」
「何か紛失してたとか異常はありましたか?」
「それはありません。何度か確認しました。だから余計に不思議なんです」
「ディスクの内容はコンピュータにダウンロードされてるんですか?」
「いいえ、通常はされません。そんな事するとメモリーが馬鹿になりません。社員は5千人以上いますからね」
「ありがとうございました」
最終的に、あたし達はハマー氏の当日の入退室電子記録と接客録音ディスクの保管記録、入出庫記録を接収して会社を後にした。
・
入手した記録を分析するため、いったんサウンドスターに帰る。そのエアカーのラジオからこんなニュースが飛び込んだ!
『臨時ニュースをお伝えします。先程、クルトミ宇宙港で謎の円盤機五機とWWWAの外洋宇宙船ラブリーエンゼルとが空中戦となり、民間客船ガラパゴスがこれに巻き込まれ墜落、搭乗していた乗客五十五名と乗員十五名の合計七十名全員が死亡しました。なお、この事故により宇宙港は一時的に閉鎖、・・・』
あたし達は顔を見合わせた。
「「さっそくやりやがったよ、ダーティペア!」」
・
宇宙港に着いた時には閉鎖は解除されていた。
あたし達は、あの悪名高きダーティペア、もとい、ラブリーエンゼル号を横目に見ながら愛機サウンドスターに乗り込んだ。
・
ハマー氏の当日の入退室電子記録と接客録音ディスクの保管記録とをサウンドスターのメインコンピュータに分析させている間、あたしとフェルは今回の事件についての現時点でのお互いの所見を交換することにした。
「接客録音ディスクが鍵だね」
とフェルが言う。
あたしもおんなじ考えだ。
「そうだと思うわ。問題は何が記録されていたか、ね」
「誰かにとって都合の悪い事」
「それはそうでしょうけど、問題は誰にとって、よ」
「グラバース重工業生産本部」
「の誰?」
「アンガロン博士とテッペウス博士の研究所の誰か」
「だよねー」
これはグラバース重工業生産本部にも行かないと駄目かもね。
って、これは気が思い。滅茶苦茶思い。
ダーティペアと仕事が重複している。
「グラバース重工業生産本部にも行かないと駄目かなぁ?」
フェルの嫌そ~な声。
「まあ、分析させている間結果を待って、それから方針を立てましょうよ」
「んだね」
・
20分後に分析結果が出た。
問題の入退室電子記録と接客録音ディスクの保管記録との照合の結果、78%の確率である特定のディスクがすり替えられているとの推論が出されたのだ。
「これって、グラバース重工業への往訪時の面談記録だよ」
ってフェル。
「そうみたいね」
「これグラバース重工業には内緒で取ってた記録だよね」
「まあ普通は内緒でしょう」
「そんなんどうすんのよ!」
ってあたしに言うな。
「サミュエル通商の許可取る?」
「多分、許可は出ないね」
「じゃあトラコン権限でバラす?」
「後味超悪い」
「とにかく問題のディスクの中身を手に入れようよ。で中身を確認してさ、次善の策を練る。ね」
「そだね」
・
あたしは再びライアン課長に会っていた。フェルはサウンドスターで留守番だ。
「では保管庫を見せて下さる?」
「ええ。いいですよ。こちらにどうぞ」
エレベーターで8階に下りた。
この階には左右にセキュリティロック付きの扉があり、すべての部屋が保管庫になっているそうだ。
その一室に入る。
「ここです」
ライアン課長が言った。
「問題のディスクはダンベル暦で64日前のものなんですけど」
「では」
と言ってライアン課長が先に進む。
「ここですね」
「すいませんが問題のディスクを拝見できますか?」
「いいですよ。持ち出しをご希望ですか?」
「持ち出していいんですか?」
「ええ。ただし所定の手続きを取って頂きます」
「ならいいです。外見だけ拝見させて下さい」
「はあ、それならいいですけど・・・これですね」
と、1枚のディスクが差し出された。
「ちょっと拝見します」
何の変哲もない普通のディスクだ。
「あ、あと前後5日分のディスクもお願いします」
「わかりました」
そういってライアン課長が書庫を見ている間に、あたしは手にしたディスクに念を込めた。
するとディスクは発光し始め、だんだんと輪郭がぼやけていく。そして終には消えてなくなった。
ディスクはどこに行ったのか。それは、フェルの手の中だ。
今頃はサウンドスターにいるフェルがそのディスクをメインコンピュータにかけてコピーし分析している筈だ。
「これで全部ですね。十七枚ありました」
「拝見します」
とりあえず一枚一枚調べるふりをして時間を稼ぐ。
ああん、早く戻してよー、フェルー!
!来た!
十七枚だったディスクが十八枚になった。
「ありがとうございました」
「もういいんですか?手続きさえ取れば持ち出せますが」
「いいんです。形式チェックですから」
と訳の分かんない事を言って誤魔化す。
そんな悠長なことしてらんないのよ。
・
あのディスクが何故、サミュエル通商の保管室のあたしの手から、サウンドスターにいるフェルの手に渡ったのか?
そう。わたし達は二人とも一種の超能力者、いわゆるエスパーなのだ。二人の間でならどんな物でも瞬間移動させることが出来る。と言っても大きさには限界があって、自分の身体よりも大きな物は駄目みたいだ。
そしてこの能力があるからこそ、あたし達みたいな小娘がWWWAのトラブルコンサルタントにスカウトされたのだった。
そもそもこの能力が発揮されたのはひょんな事だったの。
二人揃って進学した大学のある授業で、あたしはある大切な課題のレポートを自宅に置き忘れてしまった。そこで当日授業がなくて自宅にいたフェルにそのレポートを持ってきて貰おうと思って電話した。フェルがレポートを見付けて手にした時、レポートが発光し始め、そして、消えた。フェルが驚いてあたしに電話してきた時には、レポートは既にあたしの手の中にあった、という訳。
その後、二人で何回か実験を繰り返し、お互いに物の遣り取りが出来るようになった。その事は二人の秘密にしてたんだけど、何故かいつのまにか人の噂になっていたの。あたしは話していないし、フェルも話していないって言うし。不思議よね。もしかしたら誰かに目撃されたのかも知れないわ。
それがまた何故WWWAに知れたのかは今でも謎だわ。でも、それこそがWWWAにスカウトされた理由なのよね。
・
サウンドスターに戻ると、問題のディスクの中身をフェルがメインコンピュータにかけていた。どこかに改竄の跡があるに違いないからだ。
「なんかヤバイ事を録音しちゃったんだろうけど、それが爆発事故に繋がるのかどうか」
フェルの独り言だ。フェルはこうやって頭の整理をするの。
「もし繋がってたら?」
あたしはフェルの思考の呼び水になる。
「アンガロン博士は爆発事故で死んでいる。しかもハマーの3日前だよ」
「そうなると怪しいのはアンガロン博士以外のアンガロン博士とテッペウス博士の研究所の誰かかしら?」
「それじゃあ全然絞れないじゃない」
フェルが行き詰まっちゃったみたい。
「トップだけで考えればテッペウス博士になるわ」
ここらで方向転換してみましょ。
「そう、だね」
「グラバース重工業のテッペウス博士のA―24研究所の7棟全てが爆発、炎上し損失した」
「うん」
「現場からは、A―24研究所とは直接関係のないA―18研究所のアンガロン博士のものと鑑定された肉片が発見された」
「そうだった!」
「結局、中央警察は事故説で決着、グラバース重工業側の調査機関は原因不明で決着。この両者のギャップがWWWAへの提訴に繋がった」
「ふむふむ」
フェル、調子出て来たかな?
「どう、調子は?」
「結構いい線行ってるかも」
「良かったわ」
「これは一種の無理心中と推論出来る。むろん情報不足だから、新事実が出ると他の可能性にコロコロ変わる性質のものね」
「無理心中、って誰と誰の?」
「アンガロン博士とA―24研究所の研究成果との無理心中だわ」
「遺書は?」
「アンガロン博士が何等かの形で残している筈だわ」
「ハマーの溺死事件の方は?」
「口封じね。あるいは、ハマーが脅迫して返り討ちにあったとか」
『解析終了』
あたしは結果に飛び付く。
・・・問題のディスクの改竄部分は、A―18研究所のアンガロン博士との会話だった。本来47分の会話が13分に短縮されている。だからつごう34分もの会話が消去されてしまったのだ。しかもこのディスクはオリジナルではないとの分析結果も出ている。
ハマーは問題のディスクを新しいディスクにコピーし、更に34分の会話を消去してディスクをすり替えたのだ。
「その持ち去ったオリジナルは今どこに?」
思わず声に出た。
それが分かれば事件は半分解決だ。
・
キャラウェイを呼び出した。
例の酒場である今迄の調査結果とあたし達の推論を伝える。
「要するに顧客接客用ディスクを持っている者、あるいは、ハマーから奪った者が犯人の一味よ」
フェルが息巻いた。
「もしくは未だに運河の底に眠っているのかもしれないわね」
あたしが追加する。
「運河の底は徹底的にさらいました。ハマーの身辺からも運河近辺からもディスクのディの字も出てきていません」
「であれば、この件は他殺である線が濃厚ね」
フェルは結論が早い。
「警察はこのディスクには行き当たらなかったの?」
「残念ながら」
「署内での隠蔽工作の可能性は?」
「警察内部のですか?」
「そうよ」
「それは・・・わかりません。それは課長、ヤングール警部に聞くべき質問でしょう。答えるかどうかは分かりませんが」
「じゃあそうするわ」
「私の名前が出ますね」
「困るの?」
「いや、この際仕方ないでしょう。構いません」
「ありがと」
・
警察署に来ている。
面会相手はヤングール警部だ。
「ヤングール警部!」
フェルが叫んだ。
「なんだね、いきなり大きな声を出して?」
「ハマー氏は他殺の線が濃厚よ」
「結論が早いですな。証拠はあるのかね?」
「証拠はこれから見付けるわ」
「なんと。WWWAのトラブルコンサルタントらしくもない」
「元はと言えば、警察がちゃんとハマー氏の足取りを追ってないからこうなっちゃうのよ」
「と言うのはどういう事かね?」
「ハマー氏は深夜の出社で顧客面談記録のディスクをすり替えている。問題はハマー氏がその後どういう経路で運河に至ったかってことね」
「なるほど。そのディスクに何か都合の悪い事が記録されていて、ハマー氏はその証拠隠滅の片棒を担がされた、と言うんだね?」
「その通りです。保管室のディスクの入出庫記録に当たったら、そのディスクは重工業のアンガロン博士とテッペウス博士との面談記録を収めた物だと判りました。ハマー氏はディスクのすり替え後にオリジナルのディスクを誰かに渡したと思うんです」
あたしがソフトにフォローする。フェルはいつも話が直接的で説明が足りないのよね。
「となると、犯人はアンガロン博士かテッペウス博士、あるいは、両者の共謀という事になるのかな?」
「でもハマー氏の溺死事件以前にアンガロン博士は爆死してるし、当然ハマー氏はその事を知っていた」
「では犯人はテッペウス博士か?」
「推論だけならそういうこと」
「でも証拠がない、と」
「そう。そこが問題なのよね」
「この事件でグラバース重工業を捜査していないのは何故ですか?」
いよいよあたしが本題に入る。
「当時の捜査ではそういった線は出て来なかった」
「でもその線の捜査を進言した人物はいたんじゃないですか?」
「そ、それは・・・そうかキャラウェイだな」
「何がよ」
「いや誰がこんな瑣末な事件をWWWAなんかに提訴したのか不思議に思ってたんだ。キャラウェイなら分かる」
「どうしてグラバース重工業を捜査しなかったのよ?」
フェルはもう切れ掛かっていた。
「状況証拠は当時の警察の資料で十分揃っていたわ」
あたしも追い討ちをかける。
「これ以上はノーコメントだ。私の権限外だからな」
「なら誰に聞けばいいの?」
「署長か長官に聞いてくれ。私の口からは言えん」
「じゃあ直ぐにアポ取って!WWWAの権限でね」
「わ、わかった。ちょっと待ってくれ」
ライアン警部はデスクの内線で誰かを呼び出した。
一応アポを取ってくれてるみたいだ。
「署長が長官にアポイントメントを入れている。暫く待ってくれ」
「そんなに待てないわよ」
「大丈夫だ、と思う。とにかくちょっと待ってくれ」
待つこと暫し10分。警部のデスクの電話が鳴った。
「はい。ライアンです。・・・ええ・・・そうです。WWWAの捜査官です。・・・はい・・・今から30分後ですね。・・・はい、わかりました。そう伝えます。」
電話が終わった。
「今から30分後に長官直々にお会いになるそうだ」
「了解。で。その長官はどこに行けば会えるの?」
「本署からエアカーを廻す。10分で着くから、それまでここで待っててくれたまえ」
「ったく、仕方ないわね」
フェルが愚痴った。
フェルのイライラが伝わってくる。
と、突然署内に非常警報らしきサイレンの音が鳴り響き、ライアン警部のデスクの電話が鳴った。
「なんだ、何事だ?・・・何!バルカンが?・・・で出動は?・・・そうか、わかった」
警部が電話を切った。
「悪いが事態が急転した」
「何よ、何が起こったの?」
「テッペウス博士が バルカンを乗っ取った!」
「なんですか、バルカン、って?」
「グラバース重工業の研究用宇宙ステーションだ」
「「なんでまた!」」
思わずハモるあたし達二人。
「あんた等のお仲間が後を追っとるそうだ!」
お仲間、って・・・思わずあたし等は顔を見合わせる。
「「ダーティペアーーーーー!!」」
・
あたしはマジ焦った。
「あたし達も行かなくちゃ!」
「イスラ!マジなの?」
フェルが聞く。
「何言ってんの。あったり前じゃん。テッぺウス博士が犯人なのかも知んないんだよー。捕まえなきゃボーナスと特別休暇が出なくなっちゃう」
「おお!わかった」
フェルと一緒に警察暑を飛び出してエアカーに跳び乗る。
「急ぐぞー!」
あたしは喚きながらエアカーを限界までスッ翔ばす。高度制限なんてクソくらえ、だわ。
フェルは状況確認をしてる。
「テッペウス博士はバルカンに乗ったみたい。で、今ダーティペアか追撃中だって」
ダーティペア、か・・・不安要素だ。とにかく、それだけが思いっ切り不安だ。
「一体何が起ったってぇの?分かった、フェル?」
「テッペウス博士はルーシファの一味でこの惑星ダングルの乗っ取りを画策してたみたいね」
「一体どうやって?」
「惑星全体にある種の神経ガスを撒き散らして国民をロボトミー化し、自分達のいいなりにさせる計画よ」
フェルがメインコンピュータを操作しながら言った。
「出来んの、そんなこと?」
「理論上はね」
「で、乗っ取ってどうすんのかしら?」
「この惑星のグラバース重工業そのものを乗っ取るが最終的な目的みたいね」
「そんなことで大勢の人を巻き込むなんて許せないわ」
「もちろん!」
サウンドスターに着いた。すぐに搭乗して発進起動シークエンスに入る。いくつかのステップはすっ跳ばした。
管制官が何か喚いているがこの際だから無視、無視、っと。
「WWWAサウンドスター発進しま~すっ!」
このサウンドスターのメイン推進機は円盤型本体の下に付いている砲身型エンジンだが、離着陸には本体に付いている6基のエンジンを使って垂直離着陸することが可能なのだ。
他の機体と接触する危険性はあたしが操縦している限り絶対にない!と、思う。
「ラブリーエンゼルは?」
フェルに確認する。
「もうバルカンにドッキングしてる」
「ドッキング?マジ?正面から行った訳ぇ?」
「そうみたいね」
「あたし達はどうしたらいいかな?」
「とりあえずは接近して待機じゃん」
「何で?」
「だってドンパチやだもん」
がくっ・・・ま、そりゃそうだけどね。
「ダーティペア任せかぁ」
「今は仕方ないよ」
うん。
サウンドスターをバルカンに出来る限り接近させた。
「ラブリーエンゼルに通信入れて」
「あいよ」
フェルがコパイシートで通信機を操作してる。
「こちらサウンドスター。ラブリーエンゼル応答願います」
ん?応答なしか?
「ラブリーエンゼル。こちらWWWA所属のサウンドスター。ラブリーエンゼル応答願います」
フェルが再度呼び掛ける。
「・・・みぎゃ!」
なぬ?なんだ今のは?
「ラブリーエンゼル?」
「みぎゃーお」
なんなんだ?
「何よ、あの声は?」
思わずフェルに聞いた。
「多分ダーティペアのペットだよ。確かおっきな猫かなんか飼ってたよ」
「じゃあ二人ともバルカンに乗り込んじゃったってこと?」
「みたいね」
「どうしたらいいかな?」
「テッベウス博士を逮捕すればいいんだよね?」
「多分ね」
「まあダーティペアに任せよう」
「うーーーーーん」
悩む。が、バルカンには乗り込みたくない。
しゃあないな。
「ね、そうしよ」
「そうだねぇ・・・」
でもダーティペアがテッベウス博士を殺しちゃったり、バルカンが爆発して証拠がふっ飛んだりしたら、あたし達の任務は失敗扱いになるかも知れない。
地上の関連施設に証拠があればいいがテッベウス博士本人がバルカンにいる以上バルカンにあると考えるのが順当だろう。
あるいはもう処分されているかも知れない。
げ、なんか地元軍の艦隊まで集結してきたよー。
一大事だ、こりゃ。
「フェル。一応バルカンに通信入れて」
「了解」
フェルがコンソールを操作している。
「こちらサウンドスター。バルカン応答願います。」
・・・。
「こちらサウンドスター。バルカン、バルカン応答願います。」
「こちらバルカン」
お!応答あったじゃないの。
「こちらはWWWA所属の船である。貴艦へのドッキングを認められたし」
「了解、サウンドスター」
そう答えてドッキングの指示を出して来る。
なんか成り行きの勢いでドッキングすることになっちゃった。だからあたしは操船に掛りっ切りだ。
その間にフェルは、メタライト合金製の透明宇宙服に着替えて待機している。
やっぱり乗り込むのか。バルカンの外壁から係留用のコネクターか伸びて来た。あれをあたし達のサウンドスターのハッチに繋げればドッキングは完了だ。
「大丈夫、フェル?」
「大丈夫、大丈夫。ちゃんと乗り込めたよ」
「どんな様子なの?」
「今メイン通路に入ったとこ・・・あっちゃー」
「どうしたの?」
「メイン通路が穴だらけでボッコ凹だわ。映像廻すよ」
サウンドスターのサブスクリーンに映像が映し出された。
通路の隔壁やら側壁に溶けて焼けただれた大穴がいくつも空いている。
「ダーティペアの仕業ね」
きっとそうだ。
「メイン管制室は?」
「まだちょっと先だよ」
テッペウス博士は無事だろうか?
「とにかく博士を捜して。多分メイン管制室だと思うわ」
「わあーてるって。待ってな」
「うん」
映像の画像が移り変わっていく。
しかし随分と派手にやったものだ。修復するのに相当の時間とお金が掛るだろう。
更に画面が移り変わっていく。
「あ!ここだ」
ここの扉は無事みたいだ。
「敵に用心してね」
あたしが心配して言う。
「あいよー。」
「ねえ。真面目に言ってるのよ!」
不真面目な返事にちょっと怒って言った。
「いや。みんなあたしを見ると逃げて行っちゃうんだよね。ダーティペアと間違えてるみたい」
「・・・」
それだけ派手にやったという事ね。
「酷いな」
確かにメイン管制室も中はボロボロだった。
何人かが倒れている。フェルがその一人一人を確認してる。
「こいつだ」
「見つけたの?」
「ああ」
「生きてる?」
それが肝心だった。
「ダメ。往っちゃってる」
あっちゃー。
「ディスクは?」
「今調べてる」
テッペウス博士が死んだ今となってはディスクだけが唯一の証拠かも知れないから、なんとしても発見したい。
「うう・・・気持ち悪りぃ」
フェルが博士の身体を調べている。
「大丈夫?」
「うん。何とか・・・ね」
「頑張ってね」
「うん。・・・あった!」
「良かった!何枚あった?」
「1枚だけだけど・・・ただ、これが問題のディスクかどうかは分かんないよ。あんなもん後生大事に今まで取って置くかね?」
どこかで爆発音が聞こえる。
「急いで!そっちで中身調べられる?」
「やってみる」
フェルがコンソールに向かって何やら操作している。
「これかな?」
スクリーンが映る。
「ダメだこりゃ。スクリーンがやられてる」
画面が一瞬ぶれた?
「どうしたの?」
「わからない」
サウンドスターのメインスクリーンを見る。
あ!
バルカンが動いてるじゃない。
軌道は?マズ~イ!
「フェル!」
「何?」
「マズイよ!バルカンが落下してるよ~。」
「ええっ!?」
「あんたなんかいじった?」
「いいや」
フェルのせいじゃないのかな?
「とにかく脱出しなくっちゃ!」
「了解。協力してっ!」
「当然!」
あたしは念を込める。フェルの身体と身に付けている物、そして、例のディスクをイメージする。
フェルも同じ事をしている筈だ。
「いい?」
あたしが言う。
「いいよ!」
良しっ!
フェルから送られている映像がぼやける。
ホワイトアウトした。
暫くしてスクリーンにはあたしの顔が大映しになった。
そう、今フェルの身体はあたしの手にある。
成功だ!
目の前に宇宙服を着たフェルがいた。
疲れたよぉ。
これだけの大きさのテレポートはほぼ限界だからしんどい。
これがあたし達の秘密の特殊技能、テレポーテーション。色々な制約はあるけど、これがあるからあたし達はWWWAのトラブルコンサルタントになれたのよね。
「良かった。巧くいって」
あたしはフェルに向かって微笑んだ。
・
それでも、あたし達の捜査は結局のところ尻切れトンボに終わった。
警察長官に面会し、ハマー氏溺死事件の捜査打ち切りは政府上層部からの圧力によるものだった事は判明した。で、関係者の処分も終わった。しかし処分は形式的なものだ。本当の黒幕はルーシファという銀河系を股にかけた犯罪組織なのだが、そのルーシファの手先が誰だったのかはテッペウス博士以外には判らず仕舞いだったのだ。
そして、あたし達にとって肝心のハマー氏溺死事件の犯人探しも有耶無耶となってしまった。と言うのも、最重要容疑者であったテッペウス博士とその一味はダーティペアに一網打尽にされた上、バルカンもろともエルカ大陸のタスコポリスという都市に墜落して証拠物件が消滅してしまったからだ。問題のディスクは確保したものの、それ自体で殺人事件を立証出来るほどの証拠ではないからだ。ちなみに、この墜落で同都市の百二十六万四千三百二十八人が犠牲となってしまったらしい。
一応、被疑者死亡のまま書類送検ということにはなったが、確たる証拠は取れなかった。
ま、WWWA本部は事件解決との判断を下してくれたからいいけどね。
それにしても、恐るべし、ダーティペア。噂には聞いていたものの、実際にその被害の凄まじさを目の当たりにするとは思わなかったわ。
良かった・・・あたし達のせいにならなくって!
<終わり>
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