ムスコ誕生までの軌跡


考える余裕ができた。
しかし月齢は一歳半になっているものの
いまだに歩けずしゃべれずおまけに食事すら
経管チューブでとるしかないムスメのことを
思うと現実的には難しいとも思っていた。

私には三歳違いの妹がいる。
小さいころは喧嘩もしたものだったが
今ではとても仲がよく親友のような存在だ。
もし子供を産むのであれば自分のように
三歳違いの兄弟がベストだと思っていた。
加えて20代で初産だったのにもかかわらず
ハイリスク妊娠&出産だった
私の体では年を重ねることに
ますます出産条件は悪くなってしまう。
自分の中では20代のうちに
出産するのが最後のチャンスだと思っていた。

夫に「そろそろ二人目を考えたい」と
提案してみると即座に却下された
夫にしてみればムスメのことを
思えば出産などとんでもなかったと思う
話しあった結果
「今年中(99年)に妊娠しなければ
第二子はあきらめよう」という結論に至った。

二月に初めて家族旅行に行った。
ムスメはまだ退院して半年だったにもかかわらず
なんと!サイパンに行くことにした。
ムスメの体調が気がかりだったが
元気いっぱいで無事帰国できた。

しかし旅行中私は体調が優れなかった。
頭が痛く食事も何を食べてもおいしくない。
精神的な疲れによるものと思っていたが
それにしても長く続く。
ある予感がして妊娠検査薬を試してみた。

結果は陽性だった。ムスメの世話にあけくれていたこともあったが
ムスメの時のように切迫流産を告げられるのが怖かった。
しかし行かないわけにも行かずようやく重い腰を上げたとき
既に11週になっていた。

今回もI病院に行った。
ムスメの時の担当医の曜日にはいけず
別の先生にかかることになった。
木曜担当はF先生。しかしこの先生入院していた時
他の患者さんから大層評判が悪かった。
無愛想で無口。しかも内診が痛いのだ。
ところが診察するととても丁寧できちんと説明してくれる。
内診は上手じゃなかったけど・・・

ムスメを出産した時に
私は「子宮頚管無力症」と診断された。
通常出産するまで子宮口は開かないのだが
私の場合この子宮口を閉じている頚管が弱く
胎児が成長するにつれて開いてしまい
ムスメの早産の原因となった。
これには予防策があり安定期に入ったら
子宮口を糸で縛ってしまう手術をするのだ。

安定期に入った私は四月にこの手術を受けた。
以前入院した時この手術をしていた妊婦さんが
いたのだが出産するまで数ヶ月入院していた。
そのことが頭にあったのでてっきり
長期入院を余儀なくされると思ってたら
手術自体は30分程度 入院は一週間程度です。
といわれ拍子抜けしてしまった。

手術は部分麻酔だったので
意識もあり30分程度で終わった。
辛かったのは食事が丸一日食べられなかったことだ。
つわりも治まり食欲が増していた私は
これが一番辛かった。

しかしムスメはもっと辛い入院生活を送ってきたのだ。
それを思うとがんばらなきゃ!と勇気がわいてきた。

先生からは一週間入院といわれたが
術後も経過良好だったし母に預けたムスメが
心配だったので5日間で退院してしまった。

退院後は特に問題もなく
私の体重はどんどん増えていった。この頃2歳半を過ぎたムスメは
ようやくよちよちながら歩けるようになってきていた。
食事も離乳食からようやく完了食に近いものが食べられるようになってきていたのでムスメと一緒におやつを食べごろごろしていたら
あっという間に13KGも増えてしまった。
第二子とはいえムスメは24週で産まれたから
こんな大きなおなかになったことはなかった。

早産防止のため手術をしたのだが
臨月になるといつ産まれてもいいように
縛った糸をとってしまう。
ところが抜糸をしても赤ちゃんは産まれる気配がない。
それどころがこのままだと出産が遅れるかも
いわれた。
おなかの赤ちゃんに
「まだ産まれたらだめ~ずっとおなかにいてね」と
毎日呪文のように話しかけたせいかもしれない。

九月を過ぎ予定日になっても一向に産まれることもなく
木曜に病院に行くと「次回診察時は入院の準備をしてきてください」といわれた。

月曜に入院するつもりで
土曜の夜は片づけをしていた。
洗濯物を干していると急にお腹が一瞬痛み出した。
20分ほどするとまた同じような痛み。
それが初めて経験する陣痛の痛みだったのだが
初産は陣痛促進剤を使った私にはその時は気づかなかった。

その後数回20分おきくらいに痛みはやってきた。
これは!と思い病院に電話すると「それじゃあ一応来て下さい」と
つれない返事。違ってたら恥ずかしいなぁ~と思いながらも
夫に電話して早急に帰宅してもらうようにした。

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