行こか戻ろかイギリス生活

行こか戻ろかイギリス生活

Jaleo Flamenco


2004年9月16日

今年もJALEO FLAMENCOがイギリスにやって来た。毎年秋に、地方の小さなホールを廻りながらやってくるセビリヤのカンパニーだが、去年ロンドンのRoyal Festival Hallに隣接するQueen Elizabeth Hallで公演を行い、「おお、ついにイギリスでもメジャー化」と感動していたら、今年はそのメジャー化も本格化し、ケンブリッジやグラスゴー等の比較的大きな町での公演のみの模様で、もう家の近所でそのステージを見ることはできない。

Jaleo FlamencoのCD彼らはCDも出していて、偶然ニューヨークのHMVで見つけて購入、それ以来彼らのライブの模様は私のドライブの友となっている。私のこのCDの中でのお気に入りはアレグリアス。いつも元気を貰っている。

私は過去2回、おととしロンドン北部の小さな劇場で、そして去年はアスコットペーニャでステージを拝見させていただいた。
メンバーは、私が最も尊敬するバイラオーラの一人Ana Maria Blanco(先生と呼ばせていただく)と、男性ダンサーCarlos Cabello、シンガーが超渋いJuan Reinaと実は若いTrinidad Montero、それにギターがイギリス人のEl Ingles(と、もう一人)という構成だ。いくらイギリス人とはいえ、この El Ingles(「イギリス人」)という芸名は工夫が無さ過ぎてちょっと笑える。

去年までは小さなステージでかぶりつきで見せていただいていたので、開演前、劇場の大きながらんとしたステージを遠くから眺めて、なんだか少し寂しい気持ちになった。
やがて、ステージ開始。おお、出て来たぞ、アナ・マリア様。相変わらずお色気むんむんだ。この方はどんなに激しくステップを踏んでいても、決して腰から上の位置が変らない。きっとすごいテクニックの持ち主に違いない。彼女の踊りは、なんと言うのか、とてもおおらかで暖かく、しかも激しい。好みの問題もあるが(現に、たまたま来ていた知り合いの練習生は「テクニックはすごいけれども、自分は彼女の踊りに感情移入するのが難しかった」と言っていた)、私は彼女が踊りだすと目が離せなくなる。見せるポイントをよく心得ているのも理由の一つだろう。

今日の演目は、ざっと、1. Saetos 2. Tientos 3. Buleria 4.Siguitiya y Debla 5. Sevillanas、で休憩をはさんで、6. Taranto 7. Guitar Solo 8. Garrotin 9. Cantinas 8. Solea 9. Fin de Fiesta。
アナ・マリアは、ティエントス〔最後タンゴに変ったような。。このタンゴが存在感バリバリでとても素晴らしかった〕とブレリア、ガロチンを踊った。このガロチンがもう、去年見たときは、感情がこもっていてしかも軽快でさらにテクニックも満載といった具合で、「一体あの帽子を何に見立てて踊っているの?」という疑問が頭の中で渦をまきつつ、とにかく感動したのであったが、今年は、衣装もかわいかったが踊っているというよりも演技に重点が置かれているようで少し物足りなかったかも。(師匠に向かってなんて生意気な私)

もう一人のダンサー、カルロスは確か去年から参加の若手だが、髪を切ったのと少し痩せたのか、去年より何だかすっきりしていた。そして、確実に上達していた。(プロ相手に失礼すぎ)。同行の友人の「あの人何だかうまくなってません?」というコメントに、「あ、やっぱそう思う?!」と激しく同意。やっぱ、うまくなってるよぉ。そのせいかどうか、アナ・マリアと同じ曲数踊っていた。特にソレアはとても良かった。表現とテクニックのバランスがよく、決して重過ぎず、爽快に美しく仕上がっていた。(参考になったぞ)

後、若手シンガーTrinidad Monteroが、その26歳という年齢にあわず渋い声で歌い上げたCantinasはとても良かった。

舞台鑑賞の後は、お決まりのように同行の友人とアナマリア先生の手の動きを真似しながら、「ああなりたいね」と話し合いつつ、陽気に中華街に繰り出した。


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