シェア

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  シェアという言葉をよく聞く。「お友達とシェアしましょう。」などと言う。なんのことかと思ったら「一緒に仲良く使う」とか「分かち合う」とかそんな意味だ。公園でおもちゃを独り占めしている子がいれば「シェアしなきゃだめでしょ」とママはいう。
さてさて、くり坊の学校の場合このシェアはみんなの前で自分について発表したり、調べてきたことを発表したりするときに使われている。

アメリカへ来てまだ数ヶ月のころの出来事。

ちゃんりーが生まれて10日後には、ちゃんりーを連れてくり坊を教室の前まで送っていっていた。
ある日、担任の先生が「シェアに来てくれたの?」と言うではないか。
シェアって、、え?シェア?ちゃんりーをクラスの子とシェアすんの??
まあ、みんなにちゃんりーを紹介するのも悪くないか。と思って「イエス」 と答えた。

「じゃあどうぞ。教室に入ってそこのロッキングチェアーに座って」
言われるままに生後2週間にも満たないちゃんりーを抱いてイスに座った。すると子供たちが私の座っているロッキングチェアーを囲むように床に座り始めた。おいおい。

「それではシェアを始めましょう。」
気がつけば始業のベルが鳴り教室のドアが閉まり、、うそでしょ。。わたしは授業が始まる前にちらっとお披露目して帰ってくるつもりだったのに。。
もう逃げられない。子供たちに囲まれて、これじゃあこれから物語を読むおばあさんみたいじゃんかー。みんながじーっと見ている。先生も後ろの方でにこにこして待っている。。
そんなぁ。。。

こうなったらやるしかない。
「え~私はくり坊のママです。この子は妹のちゃんりー。4月6日に生まれました。助産婦さんに手伝ってもらってお家で生まれたんですよ。今日はみんなにちゃんりーを見てもらいたくて来ました。(うそつきー。ただ送ってきただけなのに)」

・・・・もう続かない。こうなったら逆に聞いてやれ!「何か質問ある人?」
さすがアメリカ、手が上がる上がる。
「どうしてちゃんりーって名前にしたんですか?」
「何ポンドで生まれたんですか?」
「何時に生まれましたか?」
「おっぱいのみますか?」
「ハイハイしますか?」
「歯はありますか?」
うわー赤ちゃんが生まれたって言うとどこの国も聞きたいことっておんなじだあ。って妙に感心しながらのらりくらり返事をした。(きちんと返事ができないから)

最後に「助産婦さんってなんですか?」と言う質問に答えられず詰まっていたら、ボランティアに来ていたお母さんが助け船を出してくれた。
「助産婦さんってのはね普通の看護婦さんと違って~~なのよ」と説明してもらえてほっとした。

ちょうどちゃんりーがふえ~っと泣き出したので、おっぱいの時間なのでこれでおしまいです。と帰ることにした。

イヤー冷や汗もんの20分だった。産後の体に触るよー。次は何かのシェアを頼まれたら十分に準備してせりふも作って行こうと心に誓った。


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