リカーの海にちょっと漬かってくる

リカーの海にちょっと漬かってくる

パイナップル酒

予定

当面2回目を漬ける予定はないが、次回漬けるなら、初回よりもパイナップル果実の量を増やし、レモンは手抜き処理をしない代わりに少なめとし、氷砂糖は1.8l辺り200g相当程度を投入。パイナップル果実は4ヶ月以上漬けておくというのを試してみたい。

良く知られたレシピに従い、2ヶ月で果実を引き上げるというのも試してみるべきのようだ。

熟成中

失敗が少なく比較的早く仕上がるらしいので試してみたいのだが、何故かこの夏以降近所のスーパーで丸ごと1個という形式で販売されているのを見ていない。皮付き半分とか皮無し一口サイズなどのカットフルーツとしては途切れず売られているのだが。

……という日々を過ごしていたが、 10月も半ばになってようやく丸ごとパイナップルが近所のスーパーにあるのを発見したので、すかさず購入した。

参考サイトを色々見てレシピを調査したが、使用する果実の量や砂糖の量、漬け込み期間や熟成期間などにブレがあり、 これが基本だ というような確固としたレシピがあるわけではないようなので、私が漬け込むレシピもまた、それらのサイトのレシピを参考にしながらも割と適当に決めた。

最初に決めたのは漬け込む酒の量で、瓶の都合から900mlとした。

そのため、果実酒一般で定番となっている果実量からすると、漬け込むパイナップル果実は500gが適当ということになる。これだけなら何の迷いも問題も無いのだが、各所で記されたレシピでの果実量とはいったいどの段階の量を言っているのだろうか? 皮や葉など全部付いた状態での重量なのか、可食部のみにカットした後の重量なのか、不明すぎる。例えば、「1kg(約5個)」なんてのをみると、パイナップル果実で1個当たり200gしかないどこかを1kg分用意するの? などという疑問が思い浮かぶし、私が今回購入したパイナップルが皮や頭といった付属物全部込みで約900gであったことを考慮しつつ、「1個(2キログラム)」、「800~1000g(半個分位)」などという記述を見れば、本当に同じ果物かよ! と突っ込みの一つも入れたくなる。

最終的には迷うだけ無駄なので、定番由来で可食部500gを目標にした。目標というのは全部込みで900gのパイナップルの可食部がどの程度か不明だったからであり、余裕があったら味見して調整……というつもりだった。

公開されたパイナップル酒のレシピによると香り付けのために果皮を最初の1週間だけ一緒に漬け込むと良いとあるので、可食部の1割に相当する50gの果皮も用意する。

追加する砂糖の量が問題となるが最低限度に留めて50gとした。参考にしたレシピは皆1.8lの酒に漬け込む際のものだったので、それらを半分にしている。

以上に加え、酸味付けのためのレモンを3個加える。

パイナップル胴体皮付きパイナップル頭パイナップル尻パイナップル8つ切り皮付きパイナップル8つ切り皮のみ

各部を切り分けつつ、重量を量ること数度。今回購入したパイナップルの場合、頭と尻を切り落とした胴体部分は皮付きの時点で約560g、皮を切り落とすと芯を含めても415gしかないことがわかった。500gには微妙に足りないので、頭や尻として切り落とした部分に微妙に残っている可食部を切り取り(輪切り時点で厚さ5mm程度はあった)、全て追加してみたら約510gになった。まったくナイスな展開じゃないか。

漬け込んだパイナップル果実

可食部が約500gとなったので、香り付け用に漬け込む果皮も15gを2枚と20gを1枚で約50gと都合が良い。

酒を注ぎ入れる直前のパイナップル酒瓶

準備が整ったので、酒以外の材料を全て瓶に入れたのがこの写真。

パイナップル酒初期状態

最後に焼酎を900ml量って注ぎ入れたのがこの写真。果皮が浮き上がり気味だったので、レモンを入れた出汁パックと瓶の隙間に押し込めてある。

パイナップル酒1週目

写真は漬け込んでから1週間目の様子。果皮から緑色の色素が若干落ち、酒は薄黄色に色付いている。パイナップル酒は琥珀色系だと思い込んでいたため、やや直感に反する。この後、果皮は引き上げた。調べたレシピの中で漬け込み期間の最短は1週間だったので漬かっていた果実の一部を味見してみたが、まだパイナップルの味がしっかりと残っているので、1週間というのは早過ぎだと思う。

ちなみに漬け込み期間や熟成期間は参考にしたレシピ群でこれまたバラつきの多い要素で、漬け込み期間の最短は1週間、最長は3ヶ月以上(果実を引き上げる記述が無い)となっている。熟成期間では最短3週間、最長は4ヶ月(2ヶ月で果実引き上げ後、更に2ヶ月熟成)という記述が見られる。

今回は果皮を1週間後に取り除き、2ヵ月後にレモンを取り除く予定。レモンを取り除く段階のパイナップル果実の状態によっては、同時にパイナップル果実も引き上げるが、そのまま漬けておけそうな状況であれば、パイナップル果実は引き続き漬けておくつもりだ。

漬け込みから2ヶ月経ったのでレモンを取り除こうかと思ったのだが、最近出汁パックに入れたレモンは出が悪い気がしていたし、2ヶ月目の味見結果的にはもう少し酸味が強い方が良さげだったので、一旦取り出した出汁パックから中のレモン果実を瓶に戻した。――このレモン果実から更に酸味が得られるかどうかは不明。

果実の欠け片を味見したところ、パイナップルは2ヶ月で出汁殻状態のような気もするが放置で、3ヶ月目の時点でレモン果実と同時に引き上げることとする。

パイナップル酒3ヶ月目

漬け込みから3ヶ月が経過したのでパイナップル果実を引き上げる。写真では判りにくいが、レモン果実を出汁パックから出しておいたせいか、微妙にオリが出てきている。といっても、このまま漬けておいても良さそうな感じではあるのだが……。

ペーパーフィルターで濾過しながら漬かっていた酒を計量カップで量ると、全部で880ml程度。少しレモンやパイナップル果実に吸われたままになっているようだが、この程度ならば誤差の範囲か。

瓶詰めが終わった時点で漬かっていた果実片を見ると、見た目出汁殻状態になっている果実と、何故か鮮やかな黄色のまま(むしろ逆に色が鮮やかになったか?)という果実の2種類が入り交じっていて面白い。次回漬けることがあったら、今回よりも果実を小さく切ってから漬けるべきかもしれない。

瓶に詰めた翌日に味見した ところ、甘さ控えめ、風味はパイナップルで不味くはないが、酸味が強過ぎ(?)てバランスが悪い感じ。2ヶ月目には酸味が足りない……と思ったのだが出汁パックはやっぱりダメだな。レモンの手抜き処理対策に追加した結果レモンが多過ぎた可能性もあり、次回に向けて色々と検討すべき点もあるようだ。

瓶に詰めてから1月経過したので、味を見てみた。酸味の尖った感じは解消されたのでレモンの入れすぎだったという心配は消えたが、パイナップルの芯由来(?)のような植物性の灰汁っぽい感じが出てきた。あるいは、何かで割ったら気にならないのかもしれないが、これは検討課題の一つと言う気がする。広く知られたレシピが概ね2ヶ月の漬け込みで果実を引き上げている理由がこの辺りにあるかもしれない。漬け込み時に芯を取り除くべきという可能性もあるが……。

瓶に詰めてから2ヶ月が経過したので、再び味見 。先月感じた雑味も消えたようだが、全般的に薄い感じに。これは時間が経つと風味は薄まっていくものなのか?

瓶に詰めてから3ヶ月が経過したので、再び味見 。先月危惧した風味の劣化は心配する程のものではないようで、全体として味が馴染んで熟成が進んだと思わせるように、味わいは段々と良くなっている印象。

瓶詰め後5ヶ月目の味見 では、微妙な雑味感の入り混じったパイナップルの香りを持ち、フレッシュなフルーティさの失われた(?)パイナップル風のリキュールという感じになった。何となく熟しすぎたパイナップルを思い起こさせる印象。

果実500gを900mlの焼酎で漬け込む時に入れた氷砂糖の量が50gというのは知られたレシピの中では最小限の部類だが、割って飲むことを考えるともう少し甘くても良い。その場合、割る前の味わいも変わってくるかもなー。

参考サイト

パイナップル酒のレシピは自家製果実酒(リキュール)のレシピサイトであれば大体見かけるそこそこ定番のものらしいが、これだけあるとそれなりにブレがある。概要を抜き出すと次のようになる。

出典 パイナップル果実 氷砂糖 その他 漬け込み期間 熟成期間
パイナップル酒レシピ(酒1.8l)
オエノングループ
800g〜1kg(半個分位) 200〜300g 好みによりレモン5個 2ヶ月でパイナップル果実、レモン果実引き上げ 4ヶ月
宝酒造
果肉1.3kg 100g 好みにより果皮130g 1週間で果皮引き上げ 3ヶ月以上
中野BC
1kg(約5個) 100〜200g レモン5個 1週間でパイナップル果実、果皮、レモン果実引き上げ 2ヶ月
日本蒸留酒酒造組合
1個(2kg) 200g レモン2個 2ヶ月 -

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