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Hiro Maryam

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2017年09月30日
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テーマ: 短歌(1717)
例年よりも一日はやくご近所、親戚、遠縁への振る舞いが終わった。

義母は腹痛と嘔吐と吐き気で夕方前に病院へいき、検査をして、その後腹水を抜くために入院となった。 皆には否定されたけれど、ネットで私が調べた通り義母の不調の原因は腹水だった。

皆が地下の駐車場に集まって作業しているときに、私は義母の傍にいた。メヘル月に入ってから、ほんの七日ぐらいの間にびっくりするほど痩せてしまって目の周りが凹んでしまっていた。手を握ると冷え切ってはいないけれど、冷たかった。

身体を支えながら、一緒に地下へいくためエレベーターにのっていたときに、義母が私にこうつぶやいた。

〝死ぬことは楽だけれど、苦痛は耐え難い… 〟

わたしは彼女の瞳、以前よりもおそらくこげ茶の色が薄くなってしまった瞳を見つめながらその言葉を聴いた。

今こうして思い返しても、私は自分がその言葉にどんな返事したのか、返事をしなかったのか、思い出せない。

幸か不幸か、 耐え難い痛みを我慢して隠しているときの表情を私は知っている。 死ぬほうがよほど楽という苦しさも私は知っている。 彼女よりも私は二十五歳若いけれど。…

彼女のように無事に人生を過ごしたとしても二十五年後には、私にもこのような肉体の衰えと苦痛の時が来るのだろう。




時の流れは残酷で、苦痛で夜も眠れないですごした彼女にとって、このたったの一週間は如何に長いものであっただろうか。。。彼女が気持ちを私に語る前に、私は彼女のために、三羽のウズラの下ごしらえをした。

明日という日の重さを感じた。 私達は生きているし、生かされてもいるのだ。


【忍ぶるに難き痛みの和らげと念じつ義母(はは)のすくむ背を撫づ 】

彼女の苦痛が少しでも和らぐようにと、ただひたすらに願いながら、 わたしは細く硬くなってしまった彼女の背中をさすり続けた








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Last updated  2017年09月30日 02時48分12秒
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