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小説「ゲノムと体験が織りなす記憶」 第 5 話
「俺は、お寺とか神社とかに格式とか関係ないと思ってる・・
けど歴史は好きなんだ。ロマンがあるよ・・君はどう?」
「・・・今一つピンと来ないけど・・・リョウさんが歴史に感じるロマンってどういう・・・」
「良く聴いてくれたねえ・・・未来は変えられるけど過去は変えられない・・・動かせない時間って好きなんだ。これから作っていく未来は輝いていて素敵だけど・・・そうだな・・・今思い出したんだけど、17歳の夏の海だった。夕方になって人がいなくなったからクラスの連中とみんなでね、すっ裸になって泳いでた・・・あの夏の日」
「えー!何も身につけずに!!泳いでたの!?」
「ああ、あん時は小学校からの仲間たちだけだったからかな、恥ずかしくは無かったなあ・・・
そうそう、ある時ね、海岸のすぐ上の道にバス停があるんだけど、黄色い声がして、見上げたら、なんと!停車したバスの中から女の子たちがこっちを見下ろしてキャアキャア騒いでてね、あわてて海ん中に潜って隠れたんだけど・・・」
「うひゃー!、それで!」
「で、良く考えたら、潜る時って頭からだから、一瞬だけど下半身丸見えになってたのに気付いてさあ・・・あれは参ったなあ」
「・・・なんか想像してしまったわー!」
「おいおい、勘弁してくれよー」
「あれも変えられたなら、そうするけど、無理だろ・・・過ぎ去った出来事は動かせないからこそ、かえって新鮮に感じるんだと思う」
マリが二度ばかり頷いて
「わかるような気がする」
と言ってくれた。
神社の鳥居の傍まで来て、
「ここな、歴史は相当に古いんだ。何しろ皇紀・・・皇紀って知ってる?・・」
「勿論、日本人だから」
「その皇紀より古い」
「え!それほんと!?」
「ああ、何しろあの神武天皇が即位されたのが紀元前660年だけど、この神社の創建は紀元前667年。つまり皇紀より7年古い」
「ワォ・・・」
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