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紙をくれ


突然どこからか、「カミをくれ…カミをくれ…」といううめくような声が聞こえてきた。
いったいどういうわけか、声はどうも下の方から聞こえてくるように思える。
下から聞こえるということは、便器の中から聞こえているということだ。
少女は恐れながらも確認するために便器の中を覗き込み…思わず言葉を失った。
なんと、便器の奥から一本の白い腕が這い上がってきたのだ。
「カミをくれ…カミをくれ…」
やはり声は便器の奥から聞こえてくるらしい。
手は声に合わせ、まるで催促するかのようにゆらゆらと手招きを始めた。
急いで逃げようとしたが、なぜかドアは誰かが押さえつけているかのようにがっちりと閉められていて、どんなに力を込めても開かない。
逃げ出すのをあきらめた少女は、恐怖に震えながらも声の指示に従い、トイレットペーパーを巻き取るとそれを白い手に差し出した。
「カミをくれ…カミをくれ…」
ところが、それでも不気味な声はなりやまない。
白い手のほうもまだ足りないとでも言うかのように、ますます激しく手招きをし始めた。
少女はさらにトイレットペーパーがなくなるまで巻き取って白い手に差し出したが、それでも声はまだなりやむことなく響き続ける。
「カミをくれ…カミをくれ…」
「そんなこと言っても…もう残ってないよぉ」
少女は涙声で訴えった。
すると突然、便器の奥からこんな叫び声が聞こえてきたのだ。
「そのカミじゃない…この髪だぁ!」
声と同時に白い手は伸び上がり、少女の頭髪を掴むと少女の身体を便器の奥へ引きずり込んでいった。


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