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白い倍音の魔法使い

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白い倍音@ そうだったんですね ごちゃまぜアイスさんへ  ブログ閉鎖さ…

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December 10, 2008
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カテゴリ: 治療記録
 抗がん剤治療から2週間。
前回が嘘のように副作用もなく、母は元気です。

 今日は、毎週水曜日のロビーコンサートにも行き(今日はハンドベル)、人気の少ない2階(消化器検査)の長い廊下で手すりにつかまって歩く練習と車椅子を自分で動かす練習(手に力をつけるため)もした。

 昨日は腹部エコーの検査があったそうだ。
母に「先生何か言ってた?」と聞くと「何も」と言う。
「何も言わなかったの」と言うと「何も言わないのはよかったということじゃないの」と言うので、それはないだろうと心で思う。

 しばらくすると担当看護婦さんから「先生から娘さんにお話があるそうです」と声をかけられた。

 別室で待っていると、しばらくして主治医がノックして入ってきた。


 β-DG菌の値が500ぐらいになっているため、プレドニンの投与を中止したことを聞いたあと、
「あと問題があってですね、」と言葉は続き
「昨日の腹部エコーの結果、肝臓に影が見られるそうです」
と告げられた。

 「肝臓に影ということは、肝臓に転移したことですか」
と聞くと、その可能性が高いと言う。
ただ、他の原因も考えられるので(β-DG菌の可能性)今は断定出来ない。
そのため、明日は肝臓の造影CTを行い、その結果によっては生検を行うとのことだった。

 肝臓転移であった場合、今回の抗がん剤は効いていないことになる。抗がん剤の種類を変える必要性が出てくる。
また、12月に予定していた手術も延期になる可能性もある。

 明日の造影検査の説明文書に署名をして部屋を出た。


転移のことなんて全く思ってもみなかった。
実際の母は日々元気になっていくように見える。

 まだ確定したわけではないのだから、このことはまだ妹にも叔父にも言わないでおこうと思う。

 私、泣かなくなったなと思う。
まだ事実じゃないから実感が沸かないのか。


 7月の入院当初は、小腸の癌かもと言われ、その場合はもう手の施しようがない、会わせたい身内がいれば早く連絡するようにと言われた。
 そう言われたときは、ああそうなのか、まるでドラマのワンシーンのようだと、いやに冷静に医師の話を聞いていたのに、母の病室に入ろうと、部屋の入り口の鏡で自分の顔を見つめたとたん、顔がみるみるゆがんで、涙が溢れ出してきた。
 そのまま、病室に入ることが出来ず、病院の廊下の隅にしゃがみこんで一人泣き続けた。
 7月はよく泣いた。病室では泣けないから、家で号泣した。

 そういえば、10月も泣いたな、
主治医から今夜かもしれない、挿管をどうしますか、と言われたときも泣いた。
 廊下で主治医の袖をつかんで泣いた。
看護婦に「ここでは他の患者さんの迷惑になります」と言われて我に返った。

 肝臓転移、まだ確定したわけではない。






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Last updated  December 11, 2008 06:17:37 PM
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