新橋演舞場6月公演は、NINAGAWA十二夜。
シェイクスピアのロマンティック・コメディを蜷川幸雄さんが歌舞伎初演出した作品で、今年3月ロンドン公演の凱旋興行。
NINAGAWA十二夜
斯波主膳之助/獅子丸実は琵琶姫:尾上 菊之助
織笛姫:中村 時蔵 右大弁安藤英竹:中村 翫雀 大篠左大臣:中村 錦之助
麻阿:市川 亀治郎 役人頭嵯覚兵衛:坂東 亀三郎 従者久利男:尾上 松也
海斗鳰兵衛:河原崎 権十郎 従者幡太:坂東 秀調 比叡庵五郎:市川 團蔵
舟長磯右衛門:市川 段四郎 左大弁洞院鐘道:市川 左團次
丸尾坊太夫/捨助:尾上 菊五郎
「十二夜」とは、クリスマスの日から12日目、降誕節の最終日にあたる1月6日の夜のことやそうや。
定式幕が開くと、舞台一面の巨大な鏡に客席が映ってて、圧倒される。
黒御簾にまで鏡が貼ってある。
ライトの加減でハーフミラーの向こうが見えると、ハープシコードの演奏でクリスマスの賛美歌「久しく待ちにし」が歌われた。
この賛美歌、昔カトリックの学校で歌うてた「主よ、主よ、御民を 救わせ給えや」。懐かしかった。
紀州灘沖合で船が難破するシーンも、迫力満点。
廻り舞台にのった大きな船のセット、浪布に、鳴物の雷や雨、パイプオルガンの音、それに強弱をつけた附けが入って、みごとなもんやった。
琵琶姫が打ちあげられたのは、和歌山加太の海岸。ここも子どものとき、連れて行ってもらった記憶がある。
紀州串本・港の場では、漁師たちが張り子の鯨を曳いてた。座頭さんたちも連なって通っていきはった。日本らしさの演出なんかな。
お屋敷のふすまもすべて、ハーフミラーでできてる。欄間はアールヌーボーのデザインやったりする。
そのおかげで、役者さんの後ろ姿まで見えるし、上手、下手のミラーは三面鏡のようになって客席まで映りんでる。
このお芝居は、全体が見渡せる3階席がおもしろいかもしれん。
主役の菊之助さんは、みごとに双子の兄妹、琵琶姫と主膳之助、それに琵琶姫が男装した獅子丸の3役を演じ分けてはった。
亀治郎さんの狂言回しとしてのお役、麻阿もさすが。
翫雀さんの安藤英竹は、阿保振りがおもしろい。それに、髪を一部紫に染めた鬘をつけてはるからか、母上の扇 千景さんの面影があった。
最後の菊之助さんの影武者は、尾上音一郎さんやったそうや。
でも、今回はなんといっても舞台美術におそれいった。
歌舞伎の舞台が、不思議な異次元の世界に変わってしもたんやから。
舞台装置を手がけたのは、金井大道具の社長で舞台芸術家でもある金井勇一郎さん。
金井大道具株式会社は、テレビ、コンサート、イベントなどのセットを手がけてはる。
テレビやと「8時だよ!全員集合」、「渡る世間は鬼ばかり」、「うたばん」などをやってきはったそうや。
歌舞伎も歌舞伎座以外のところを主にやってきてはって、平成中村座も手がけてはる。
今までの経歴などを話してはるインタビューがおもしろかった。
国際交流基金 アーティストインタビュー 舞台芸術家 金井勇一郎
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