15日に 歌舞伎座
川喜田半泥子(かわきたはんでいし)さんは、本名も川喜田久太夫政令(きゅうだゆうまさのり)というすごいお名前。
三重県津の富豪、川喜田家の16代目として明治11年(1878年)に生まれ、百五銀行の頭取をはじめ、多くの要職を務めた方。
10代の時に藤島武二から洋画を学び、陶芸、茶道、書画、俳句などにも才能を発揮しはった。
50代後半からは、自宅のある千歳山に登り窯を築いて轆轤(ろくろ)場を「泥仏堂(でいぶつどう)」と名づけ、本格的に「しろうと」陶芸を極めていきはる。
「東の魯山人、西の半泥子」「昭和の光悦」と称されるほどの活躍をしはったそうや。
半泥子という号は「半ば泥(なず)みて半ば泥まず」という意味で、参禅の師から授かったそうや。泥まずというのは、とらわれないということ。
昭和38(1963)84歳で亡くなりはった。
それほど期待せずに観に行ったんやけど、最初に展示されてた粉引茶碗「雪の曙」に目が釘付け。
雪のような白と淡紅色がなんとも色っぽく、すっとした容が繊細でいて豪快。
志野茶碗「赤不動」はヒビや金繕ぎが雷鳴のよう。
半泥子は茶碗にならない土はないと、いろんな土を試し、混ぜ物をしないその土の味を生かした作陶をしてはったそうや。
そんなこともあって、ヒビや傷のある焼き物も多く、それを隠すのではなくうまく直して生かしはる。
呼繕茶碗もいくつかあっておもしろい。
古伊賀写水差「欲袋」は、正面が大きく焼きつぶれてるけど、そこに青海波の蒔絵直し。
直しは「楽山堂」に頼んではったそうや。
金の青海波の繊細さと荒々しい焼き物がなぜかみごとな調和となっていて、見飽きへん。
銘のつけかたも、思わずニヤリとするものが多い。「ほし柿」「ヤシノミ」など、ほんまにそのまんま。
書もユニーク。「波和遊」は“How are You?”、「大夢出門」は“Time is Money”とくるから恐れ入る。
こんなに楽しいわくわくする焼き物の展覧会は初めてや。
半泥子さんはほかに、「無茶法師(むちゃほうし)」「莫加耶廬(ばかやろう)」「鳴穂堂(なるほどう)主人」「紺野浦二(こんのうらじ)」「其飯(きはん)」「反古大尽(ほごだいじん)」「部田六郎(ぶたやろう)」などの号も使うてはる。
人生を縦横無尽、自由奔放に楽しみはった「無茶法師」さんの世界をたっぷりと楽しませてもろた。
お孫さんの川喜田 敦さんが二代目半泥子を襲号してはる。
二代目半泥子
松屋銀座での展覧会は1月18日で終了。
松屋銀座 川喜田半泥子のすべて
10月に岐阜県現代陶芸美術館で始まったこの展覧会、これからも巡回する。
横浜そごうでは、半泥子さんのお茶碗による茶会もあるそうや。
また行こうかなあ。
2010年2月11日(木・祝)~3月22日(月) 横浜 そごう美術館
2010年4月3日(土)~5月30日(日) 山口県立萩美術館・浦上記念館
2010年6月8日(火)~7月25日(日) 三重県立美術館
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