ぱんの耳クダサイ・・・(仮)

ぱんの耳クダサイ・・・(仮)

よこの耳の小説



俺の本名は小川ですが
ここに出てくる小川さんとは

ものすごい勢いで関係ありません。

第一この小説の中では女ということになってるし。。。

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男は一面の花畑に倒れていました。
男は目をさましました

隣には女が倒れていました。血だらけでした。
男のひとは110番、いや、119番か、電話をしないと、と思いました。
すると女のひとは目を開きました。男のひとは言いました。
「大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です」
「血だらけですけど。」
「ええ、全て切傷ですので。」
「どこかに水道か、こかわでもあるといいのですが」
「それを言うなら、小川でしょう」
「そうですね」
「私、小川と言う名前です」
「いい名前ですね」
「そうでしょうか」
「公衆電話が無いですかね。それか、コンビニでもあれば」
「しかしお金がありません」
「あ、僕もです」
男のひとは自分が何も持っていない事に気付きました。
「私、つるこけももなら持ってますけど。」
「…つるこけもも?」
女のひとはつるこけももをさしだしました。
つるこけももは甘くておいしかったですが2人の周りはどこまでも、一面の花畑
です。
男のひとは途方に暮れました。

男のひとは途方に暮れ夕日が沈みかけていました。
「私」
と言って振り向くと小川さんは、中空をみていた。
「どうしましたか。」
小川さんが言いました。
男は自分の名を告げてないのに気付きました。
「綺麗な夕日ですね」
小川さんは目を閉じました。男のひとは、早く、帰らなければ、と思いました。
「小川さん、小川さん」
「はい」
良かった、生きてた。
「帰らなければ。」
「そうでしょうか」
「ここには水も無いですし、浅い傷でも手当てをしなければ。」
「じゃあ、二人で行きましょう。」
「どっちに?」
どっちに。
男は考えた。「じゃあ、私は東、あなたが北に行くのはどうですか。」
「それでは、どちらかの死を見届けるものがいません
二人で行くのが最も得策です。」
男のひとはなるほどと思った。
二人は花畑のなかを歩き始めた。

二人はどこまでも続く花畑を歩いていました。
「どのくらい歩いたのでしょうね」
「10キロも歩いていないのではないですか」
空は淡い紫と蒼とピンクに染まっていました。花畑と同じ色、と男のひとは思い
ました。
「疲れませんか?」
「私は大丈夫」
二人は歩きました。日が沈み、あたりは紺碧になりました。小川さんが急にしゃ
がみこみました。男のひとは驚きました。小川さんの足下には真っ赤が広がって
いました。
「どうしましたか」
「どうぞ」
それは真っ赤な花でした。小川さんの数えきれないかさぶたと同じ色。
「甘いですよ」
花をひとつ取ってなめてみると甘みが口中にひろがりました。
二人とも何も食べていなかったのです。
「ありがとうございます」
と男のひとは言いました。

あたりはすっかり夜で、男のひとは心細くなりました。
空に、1羽の鳥がとんでいます。
「あの鳥は巣に帰ってゆくのてしょうね」
小川さんが小さな声で言いました。男のひとは
「鳥の巣は、林のなかにあるでしょう、あの鳥を追いかければ、森があって、小
川や食べ物があるかもしれない」
と言い、小川さんは
「かもしれませんね」
とやはりちいさな声で言いました。すると、その鳥はこちらにむかって降りてき
て2、3m先に着きました。男のひとが走りよってみるとそれは羽を持ったちいさ
なモグラでした。
モグラは瞬く間に穴を掘って、もぐっていきました。

二人は呆然としました。

二人は花畑のなかで浅い睡眠をとりました。
朝日が昇りました。
小川さんは目をさましました。自分のてのひらを見ると固まりかけた血が、
「あさ」
男のひとも目をさましました。
「おはようございます。」
小川さんは言いました。
男のひとは驚いた顔をしました。
「だ、大丈夫です、か?」
「え?」
小川さんの体じゅうに新たな切り傷ができていました。
「大丈夫です。浅い傷ですから。」
「浅くてもそんなに沢山なら、大変ですよ」
男のひとは思いました。早く帰らないと、小川さんが危ない。
よくわからないけど危ない。
「おなかすきましたね」
とりあえず男のひとはそう言いました。
「そうですね…。」
しかしあたりには花はあっても、食べられそうな実はなっていません。そもそも
、男のひとには植物の知識などほとんどありません。
しかし、
「飢え死にはしたくないですね」
二人は食べ物を探して歩きました。
「これは食べられそうです。」
小川さんが小さな紫の花を摘みました。
「小川さんは植物に詳しいんですか?」
「いえ、なんとなくです。」
小川さんはそう言うと、その花を食べました。
「味はあまりしません。」
男のひとは思いました。この花に毒があって死ぬのも、このまま何も食べずに動
けなくなって死ぬのも、たいして変わらない、と。
「本当だ、味はないですね」

二人は食べ物を探しながら歩きました。花畑以外の場所に着くように祈りながら


太陽は高く昇っていました。二人はほとんど休まず歩きました。人間はその気に
なればなにも食べずにでもこんなに歩けるのだな、と思いました。
何km歩いたのかわからない、しかし目の前は全て花畑です。男のひとは言いまし
た。
「このへんで、休みません、か?」
「そうですね。」二人は座り込みました。日が沈むのを朦朧とした意識のなかで
見ながら。

【続く】

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