育児で参考にしてること

『乳幼児のこころとからだ』

講師:「やまなみこども園」の園長先生の講演内容です。

『年令・発達に応じた充分な運動』を基本においたユニークな教育を実践されている熊本市内の無認可保育所の園長先生です。

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乳幼児期1~6歳までは、人間の一生をプログラムする時期。
このことを大変良く表現している詩がありましたので紹介します。

『ぼくは六つになった』           
A・A・ミルン(くまのプーさんの著者)

一つのときは 何もかもはじめてだった
二つのときは ぼくはまるっきりしんまいだった
三っつのとき ぼくはやっとぼくになった
四っつのとき ぼくはおおきくなりたかった
五っつのときには なにからなにまで おもしろかった
いまは六っつでぼくはありったけおりこうです
だからいつまでも六つでいたいとぼくはおもいます

☆乳幼児のこころとからだ
0才~1才 未熟で無力、理解できないものの中にいる不安 いのちへの危機感
1才~2才 体も脳も成長し、新しいことに挑戦するエネルギーが満ちてくる
2才~3才 自分を意識するこころが芽生える、
 ジブンデ、ジブンデ、自己主張、ダダコネ 1才~3才まで、自分を主張する力を発揮してパワーアップしていく。 
友達とのケンカなど、禁止をしてしまったら、自分作りへの力が 弱められてしまう。
この時期に、どれだけわがまま・自己主張がなされたかによって、 その子の将来は変わってくる。
うんとわがままを言い、自己主張を認めてもらい、 生きていて良い存在なんだよ、生まれてきてよかったんだよ、 と認められることによって、子どもは自分の力をうんと広げる。
2才児のかみつき、攻撃的になるのは当然の発達。 
注意しつつ、どう主張を維持させていくかが育児のポイント

3才~4才 大きい人へのあこがれ、小さくて力も弱い自分の自覚 人と社会への信頼を太らせる

4才~5才 運動神経、運動機能、感情分野(前頭葉)の発達が飛躍的に伸びる。 手足が思い通りに動き、やれることが楽しくて嬉しくて 「やってやれないことはない、やらずにできるわけがない」 と何にでも挑戦してゆく

☆「ゲーム脳の恐怖」森 昭雄・著
幼い頃からのゲーム・PCのしすぎが良くないことが科学的に実証されている。
前頭葉の中の前頭前野という、記憶、感情、集団でのコミュニケーション、創造性、学習、そして感情の制御や犯罪の抑制をも司る部分の研究が最近なされ、ゲームやテレビ、PCなどのしずぎが、前頭前野の発達を阻み、攻撃的、人間の感情をなくす、犯罪を犯すなどの原因となっている。できれば、すぐにでも止めさせて、運動神経、運動機能を発達させる外遊びに重点をおくべき。

☆遊ぶことが大切
「遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん遊ぶ子供の声きけば 我が身さえこそ動がるれ」(『梁塵秘抄』)
体を一杯つかって遊ぶことが感情の発達を促す。
便利な機械の氾濫が子どもをおかしくしている。
園では、2才は2キロ、3才は3キロ、4才は4キロ歩く
言葉や思考・感情も体の機能の一部。
言葉もこころも体の機能が開かれてから発達する。
身体能力を発達させることにより、一緒に発達していく。

☆早寝早起きの習慣をつける。
これはしつけというよりホルモンの問題

○成長ホルモン(メラトニン)
 午後10時~午前3時、熟睡しているとき、光が少ないときに発達。

○幸せホルモン(セロトニン)
ストレスに強いホルモン。自己抑制を促す。人間形成に大切。夜明けの6時前後に発達。 

☆働く母親と子育て3才児神話とは?
「3才までは母親が育児に専念すべき」大正時代に「男は外で、女は家で・・・」と国の政策でつくられたもの。

1998年に厚生白書で合理的根拠がないと明記されました。母親の就労と子どもの発達との関係はマイナスとは限らない。むしろ、肯定的影響大。質の良い集団保育は、こどもの人生を変える。

優れた絵本・音楽・文化を提供する保育士がいる、質の良い集団保育を、3才のころ1年だけ受けた子どもは、そうでない子どもより高校卒業率、大学進学率など高い数値が出た。

☆人間は4回の誕生を経て大人になる。

1回目 本当の誕生

2回目 ハイハイ~3才ごろの自我の誕生

3回目 思春期・反抗期

4回目 成人して結婚し子どもを生み成長する、または新たな事業を始めるなど親には、それぞれの誕生の度に、産みの苦しみがある。

ないまま大人になる子どもの方がおかしい。子どもはその節目で、パワーアップするのだから、本人の主張を認め、ときには見て見ぬ振りもして「今がんばっているんだな」と見守っていく。

☆子育てに最低限必要なこと
食べさせる・眠らせる・抱っこそして限界の設定を決め、子どもにしていいこと・いけないことの分別を自然に体得させる。
「コーヒーは大人のものだから飲んではダメ」
「こんなに遅くまで起きていてはダメ」
「テレビは1日1時間」など。
家庭生活の中で考えてみる。

☆番外編・・・子育て・保育のアングラ実践
(アングラなので、本当は表に出してはいけないが・・・)例えば、近所の柿木に登って「柿どろぼう」をして見つかって怒られる怖い体験、「登っちゃいか~ん」と言われている木に登って怒られる体験など、いけないことをして怒られる事によって、大人になって本当にいけないことをしないように、こどものうちに体験しておく。



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