michi草。

michi草。

DAY1



昨夜結局遅かった。眠ろうと思ってベットでMD聴いてたら一層眠れなくて何度も寝返
りを打ったのだ。でも低血圧の私がちゃんと朝から動ける。嬉しさで血圧もあがって
るに違いない。
フロント脇のレストランでセルフサービスのパンとゆで卵を食してるとゆかりちゃん
がやってきた。
晴れてた。
それにしても日立の町はびっくりするほど人が少ない。
夜も朝も、人の数よりうろついてる猫の数の方が多い。
集会してる猫が、うかれすぎてスキップ気味の私を一瞥してあくびした。

勝田駅まで電車で約20分。
すでに駅はものすごい人。溢れる人の波間に、チケットを求めるカードを掲げた人達
そうか、ソールドアウトで当日券がでないってのはこういうことなんだな
このフェスをすごく愛する者として、小さな確率にもすがる気持ちが痛いほど判って
ちょっと切なかった。
ごめんなさい
でもその分、絶対楽しむから。


勝田駅からシャトルバスで会場へ向かう
いつもツアーバスで寝てたからろくに見てなかった風景
まだ入り口まで数百メートルある駐車場から連なる人の波
そして翼のゲートが見えた

ただいま
今年もこれたよ
とかなんか、そんなことを思っていた と思う。



腕にはめられたブルーのリストバンドと首にかけたタイムテーブル
はじめてのゆかりちゃんに見えるものすべてを説明しながら、もうすでに人の溢れる
公園を進むといきなりび。と会う。ミラクル!!!なんだこのタイミング!!
すでにビール片手の彼は、約束どおり頭を撫でて私の頭にビールをこぼした。

彼等の基地に案内していただき、ジョシコーセーという響きが眩しいきょこと出会
う。
とりあえず挨拶の硬い握手(←これ私割とやるんだけど、ちょっとオッサンくさいで
すか)をかわして、私達はグラスへ基地を求めに旅立った。

たしかこの時はまだ9時代だったと思うけど
さすがのソールドアウト。すでにもう充分過ぎるほどの人がいて
去年より広げてあるエリアがそれと判らないほどの状況だった。
この時間からもうこの人の数
”誰か”だけを見に来た訳ではない
みんな、”フェス”を楽しみに来てるのだ

自分達の陣地を整えた後にグラスの倫達の基地へお邪魔する。
ネズミ-以来の再会。だけどいつも、いつ会ってもまるで先週も一緒にいたような気
分になる。
アベまでいて、図らずもネズミ-のメンツが勢ぞろい。楽しかったよねあの雪の日。
倫から誕生日プレゼントに手紙と向日葵柄の手ぬぐいとMD。
び。からも約束のMD。どっちも示し合わせたようにタワレコの袋にいれやがって。
またここにいることと、そこに大好きな皆もいること
色んなことが嬉しくて、胸がいっぱいになるのだ。


うかうかしてるまにステージが始まる時間だった。


慌ててグラスに向かう間、校長渋谷陽一先生のお話が続いていた。
いつものように芝の話とか、あとインターの料金所が増えたこととか話していたと思
う。
これは皆さんの力です、といつものように私達を称えた。
君はやればできるんだ、と不良相手に本気で言う 実は現場を知らない校長のように
この人はいつも、私達を褒めてくれるのだ
そんでも しょうがねぇなー、と思いつつ、私みたいのはこの期待にはこたえなきゃ
という気になるのだ
このおっさんの為にも、いいオーディエンスでいようと思ってしまうのだ。

んなことを思いながら長い話が終わり、ACIDMANがはじまった。

正直いうとあまりこのステージを覚えていない
はじまった祭りに、多分私はちょっと酔っていた。
いつもの硬質な音に身を委ねながら、やがて空に浮かんだポカリスエットの飛行機雲
に見とれていた。ちょっと感極まって、軽く涙がでた。
「赤燈」のイントロに思わず声を上げてしまったのだけは覚えてる。

それからハングリーフィールドに行ったりしてたと思う
三日間いれる今年は、ゆっくりしようと決めていたから
日陰で風に吹かれてた時間も、友達と話してた時間も
話さえせずにいた時間も多かった。

次にスタンディングで見たのはYUKIだった。
小さな体に、何層にも重なったレースを纏ってまるで人形のようだった
なのにこの人は、確かにロックでポップなのだ
紡ぎ出される声は力に満ちて、何万という客に全く見劣りしないのだ
ジュディマリで初めて知った時、この人は女のコウケする可愛さとセンスがあると
思った。あぁこの人はきっと色んな意味で女のコの心掴むなぁ、って。
認めてたつもりだったけど、私は見くびってたかもしれない、と思った
何万の客を相手に歌う姿が堂に入る女の子が、どれくらいいるだろう
初めてみる、モンスターポップドールの彼女の姿に、私は鳥肌をたてていた。
でもって感動して、涙が出てきた。
なぜかゆかりちゃんも、泣いてたな。



グラスのシートゾーンに、木の東側を選んでシートを敷くと
3時を回った頃から影が伸びて最高の空間になる。
ちょっとバテ気味のゆかりちゃんを尻目に私は散歩に出かけ
大方の予想どおり、茶屋ヴィレッジで思わず歓声を上げ
マンゴーフラッペにものすごく心惹かれながらも長蛇の列に並ぶ気になれず
チーズケーキファクトリーのスティックケーキや小豆アイスなどを食べたりした。
フェスで食べるもの、って今まで結構おざなりになりがちだったけど
このフェスで、おいしいものをちゃんと選んで食べることを知ったのだ。
(そこはまぁ、食にうるさい倫やび。の功績によるものが大きい)

ステージやってる間も、ご飯や酒やデザートや
芝生や空や風や、誰かとの会話や、DJブースや
そういうものをちゃんと楽しんでいる人達がそこらじゅうにいる
勿論それぞれのステージ前には、その音楽をうけとめている人がいる
同じ場所にいるけど、同じ方向だけをみていない
とてもまっとうで、素敵なことだと思った、な。

次長課長を見たくてDJブースに行ったけど、入れる状況じゃなかった。
ブースから溢れだしてる人の波
アンタラ何見にきてんだよフェスに。大好きだぞみんな。
お笑い組をみるのはこの時点で諦めた。


BUMPは気がつくと結構久しぶりなのだった。
優しくて綺麗なイントロの「プラネタリウム」から始まる。
久しぶりに見る4人の姿はちょっとばかり大人になっている気がした。
久しぶりだったので、聴きたかった曲はあとから考えるといくらもある気がしたが
今ここで聴かなきゃいけない曲ではないようにも思えた。
最後は「天体観測」。この曲を、絶対しなかった時期があったっけな
でも今はこれを最後に持ってきて、でもって一緒に歌ってくれ って言えるんだな
私にはいつももっと感傷的に少し痛く響くこの曲を
こんな風に楽しく、皆で跳ねながら手を掲げて歌えるんだ
『抜けたなぁ』なんて、ちょっと偉そうに 思っていた。
大人になってくってことは、やっぱどこか力が抜けてくことなんだ。きっと。


16時前からのひたちなかが一番好き。


最後を飾るのは、やっぱりこういうやつらじゃなきゃダメだと思うんだ。
RIP。はじまる前から沸きあがる期待感は、今日のアクトの中でダントツ。
楽しくないわけない。『楽しい』のが判りきってるって嬉しい。

のっけから「黄昏サラウンド」でやられた。
アーティストにはなるたけ小さい空間で見たい人(その方が良さがでる人)と
大きければ大きいほど、たくさんでみればたくさんで見るほど楽しい人がいるっての
は当然で
RIPなんてのはもう後者の代表格な訳で
私はとくにRIJFで見るRIPはもう一番好きなわけで

浴衣姿の4MCはいつものようにサービス精神旺盛で
モニターもちゃんと意識して、そこはモンスターグループの余裕綽々で
いつだって自分らがちゃんと楽しそうにしながら
気がつくとみんなを踊らせている。大笑いしながら飛び跳ねてる。
フミヤがいないのは勿論ちょっとさみしいけど
音楽続けるため、の治療だと言われたら、そりゃ私らは待つ訳です。

生バンドの「楽園ベイベー」で揺れる。腕を振る。
隣にいた、およそロックともヒップホップともRIPとも縁遠そうなぽっちゃりメガネ
君が
でもとても楽しそうに一緒に手を挙げていた。
微妙にみんなとリズムがズレて、だからたまに私と腕がからまるのだけど
汗まみれになって、でも楽しそうに歌っているので
なんかこういうのが、フェスだなぁって 思ったのだ。
Tシャツがジーンズにインだけど、まぁいいよ
だってちゃんと歌詞あってるし
きっと私と同じくらい、RIPもロックも好きなんだよね きっと

大好きな「One」が聴けたのだ

   ♪ それぞれひとつのlife
     それぞれが選んだ style

     君の世界はひとつだけ
     君は世界にひとつだけ

夜闇に挙がった、無数の人差し指が、ここは楽園だと告げていた。



観覧車の方向に上がる花火。



3日間いるってのはなんて気持ちに余裕をくれるんだろう
1日終わったくらいじゃ当然ちっとも悲しくならない
最高に歌って踊って汗ばんだまま、芝生に寝転がって
松の枝越しの星空を見ていた。
倫に電話しようと携帯触ってるとび。から電話。
「何してんの?」と聞かれたので 星をみてる と言ったら
「…少年だなぁ、お前は」と名言を吐かれた。
でもなんか目からウロコな気分だったわ
そうだな、私ってほんと少年なんだよな
もんははじめて会った時、私をピーターパンと呼んだっけね。

あとはDJブースで踊り狂うだけだがそれには少々血糖値が下がってたので
ハングリーフィールドへもう1度繰り出す。
オバチャンから枝豆と唐揚セットを200円にしてもらったり
1日働いてほとほと疲れた風貌のバイト少年に冷やし中華が食べたいなぁと甘えると
100円でいいですとか言われ
ポテトはないですかというともう冷えてますから美味しくないですよと御丁寧に説明
されたうえで、ただでもらっちゃったり
ほとんど残飯整理的に次々食糧を得た。
(でも旨かったです。みなさんありがとう。)


DJブースには1度ちゃんと会ってみたかった某P氏がいたらしいが
お互いくるりで跳ねまくっているがゆえにろくに顔も識別できなかった。
(動態視力に自信なし。)
(ここみてるとは思えないけど、今度ぜひおはなししましょうね)


結局DJブースクローズまで私達は踊った。

1日中遊んだなぁ
帰りの電車ですでにやや足はツリぎみ
だけどこれが明日も明後日も、続くのだと思うと
ひやけと埃まみれの顔は、自然とにたつくのだった。

明日もきっと晴れ。

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