NO,7







看護婦からの説明はその後の私の人生を変える事になる。

看護婦 「ちょっとお話しいいですか?」
私   「はい。」

待ち構えた様に私に訪ねる。
突然の出来事。それなのにどんどんその情報は勝手に私の頭に刻まれる。

看護婦 「**さんの状態は、脳挫傷、全身強打の打撲、それから首の骨も折れてます。
     意識不明の重体でこちらの病院に運ばれました。今の状態に関しては、
     家族じゃないと言う事で何もあなたには教えられないの。」

解らなかった。ほんの30分前まで一緒に居た。その彼が死ぬ?
もしかしたら死んでるって事?

看護婦 「そう言えばあなたの名前は?」
私   「88keys です。」
看護婦 「あなたねぇ。そう言えば思い出した事があって。」
私   「何ですか?」
看護婦 「救急隊員が脈も止まって心音も聞こえなくなってるのに『**さんがずっと
     88keys 88keys、、って言ってた』って言ってたから。
     それを聞いて、みんなびっくりしたのよ。みんなこの仕事長い人たちばかりだったけど
     こんな事初めてだって言ってたわよ。」

もう死んでるって事!。。。なの?

私の名前をうわごとの様に呼び続けて死んでいった。
こんな私の名前を呼び続けて、そして死んでいった。

「魂の叫び」ってこの事?

どうして一人にならなきゃいけないのか分からなかった。

荷物はどうするの?
二人で借りた家はどうするの?
結婚式はどうなるの?
買ったばかりの車はどうなるの?

ひとりぼっちでどうすればいいの?
誰に聞けばいいの?

呼吸をしない練習をしながら帰った。
空っぽだった。消えてなくなりたかった。
右も左も前も後ろも分からなかった。

部屋に着くと生活用具が私の部屋で愛犬と一緒に待っていた。
それを見た時、「これが現実だと言う事を受け入れなければならない事」
と言う事実が私を襲った。




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