　　みどりの日記～gardener's hum～

庭づくりは楽しい！　2　～個人邸の庭～

design ++dalu++

-＊-＊ インスピレーションパズル ＊-＊-

最近は、家を建てられるときにお庭の存在を意識している方が増えています。
ほとんどのお宅にリ、ビングから外に出られるように…とウッドデッキや
テラスが設置してあります。
「せっかく家を建てたのだから、お庭を眺めながら家族との時間を過ごし
たい…」と考えるのでしょうね。とても素敵なことだと思います♪

さあ、プランニングのお手伝いをしているＨ邸のお庭の中央にも
大きなテラスがあります
私が初めてＨさんのお庭にお邪魔した時、
そのテラスの大きさに驚きました。
家から接してテラスがせり出している面は、
ほぼ建物の長さの２/３くらい。

もちろんリビングの吹き出しの窓から降りることができますし、
その開け放てば大きなリビングにもなるような造りです。
その当時は、テラスの周囲には囲いも何もなく、ただただ家から
コンクリートの面がせり出しているような感じで開放感
たっぷり（すぎるくらい？）でした。

そして、キッチンの床を張った時に残ったという30ｃｍの
タイルと20ｃｍのタイルが端から半分ぐらいの面積に順番に
並べてありました。
Ｈさんが「とりあえず並べただけなんですよ」と言うので、
上に乗ってみたらカタカタしていました。ほんとだ…

この広さは「とりあえずデッキを付けてみました」という
ものではなく、「ここで家族で過ごしたい」という
しっかりとした意志を感じました。

そして、このタイル敷きのデザインをやってもらえないか？
というお話でした。　　　 デザインかぁ…。
図面を引いてタイルの大きさを合わせてデザインを付けていっても
いいのですが、絶対に現場の寸法と合わなくなるわな…。

そこで、「追加で購入した色違いのタイルも合わせて、私の感性で
パズルをやってもいいですか？」という申し出をさせていただきました。

さあ、作業当日。大～きなパズルの開始です。
ポイントは規則的な配置にならないように、でも全体的に均等に
色やサイズが入るように…。
そして、感覚を研ぎ澄ましてアーティスティックに…。
（これが一番大変か？？）

あっちのタイルを入れて、こっちのタイルはその次で…ん？いやいや、
そう来たら規則的すぎる。
目地のサイズも決めて、その幅を残すように当てはめていきます。

それは、梅雨も明けて強烈な日差しの中での作業でした。
建物が作るわずかな日陰の中を移動して、こまめに水分補給を
しながらたっぷり半日タイルと格闘しました。

Ｈさんの計算どおり、ほぼぴったりの枚数が入りました。素晴らしい！
所々、どうにもきっちり当てはまらずに、職人さんにカットして
もらってからはめてもらうタイルもでましたが（そうでなければ
おかしい）、大体の姿が見えてきました。

それよりも何よりも、素晴らしかったのが職人さん。
端からきっちり…規則正しい並びのタイルを張るのが本来のお仕事です。
普通だったら、「え～っ！！」と文句を言いそうな面倒な
お仕事もきれいに仕上げてくれました。

出来上がったテラスを見たときは、本当に感動しました。
歩くたびにカタカタと音がして、ストレスを感じるテラスは
もうそこにはありません。
色と大きさの違うタイルが微妙なバランスで並び、それでいて
全体に調和のとれた“世界で一つだけのテラス”が出来上がっていました。

幾何学模様のような、モザイク画のような…。
何だか“生活の中にアート”みたいな、とても豊かなものを感じました。

奥さんが手料理を運んで、子どもたちが庭を走り回り、旦那様が
椅子のセッティングをしながら、ここで休日のティータイムを楽しむんだろうな…

そんな姿が容易に想像できました。
お庭は、オーナーの意志に合わせて、日々成長していくもの。
次のチャレンジは“アレ”ですね（笑）

…つづく。

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