MAD GIRL

MAD GIRL

―花鳥風月―第2章




               パート2。


     ―二話『友情崩壊』―

美術の時間。
アキラと美術室まで来るのが習慣。
受験生だっていうのに、サボってばっかのわたし達。
別に中学は義務教育だから、学校にいればイイダケ。

「でさ?アキラ。その彼氏~とはどうなの?」
「アハッvvあのねぇ、ハル・・・。東京の大学にすることにしたんだって!」

へぇ~・・・。
トーキョーねぇ・・・。
結構有名な大学が揃ってるわね。

「そーゆうユキこそ!彼氏出来たんでしょう?」
「あぁ・・・。幼馴染の兄貴的存在なんだけどさ(汗)。」

本当は、アキラには言いたくなかったんだよねぇ・・・。
彼氏ができた~ってコト!
だってさぁ、アキラ毎回そうなんだもん!
え?
そうってゆーのは・・・。

「じゃぁ、今度会わせてよぅっ!」
「ぇ・・・。アハ・・・。」

コレ!!!!!

「何でぇ?嫌なの~??」
「ぇ・・・。別に・・・。」

アキラは人の彼氏を見たがる。

「ぁ、今度写メ撮って・・・。」
「い~や!生が見たい~!!」

・・・・・・・・。
困ったなぁ・・・。

アキラは男の子にモテル。
っても、学校外の人に。
だから、わたしの彼がもし、アキラを気に入ってしまったら・・・。

そう考えるととても会わせたくない。
わたしって悪いヤツ?
ねぇ・・・。
そうなの?

「ぁー・・・、彼氏に聞いてみるよ・・・。」

ぶっちゃけ、会わせたくないのが事実。
だけど、嫌だなんてとても言えない。
言えたモンじゃぁない。

学校が終わって、彼氏の家に直行。
わたしの家から彼の家まで徒歩2分とゆう距離。

ベルを鳴らして、彼に会う。

「秋ちゃん!」
「あぁ、ユキ・・・。どうしたの?」

大好きな彼は幼馴染。
秋ちゃんから急に告白されて、わたしも彼に気が合った。
だから付き合ったってカンジ。

別に不自然ではないと思う。

「ぁー・・・。」
「まあいいや、入りなよ。」
「うん、ありがと。」

秋ちゃんは、わたしの表情見てすぐ分かるっぽい。
何かあった~とか、何か色々聞かれる。

「んで?どしたん?」
「あぁ・・・。あの・・・。」

モジモジ・・・。
そりゃ言いにくいわよ!
『わたしの友達に会って~』だなんて・・・。

「・・・何?」
「ぁ・・・、えっと・・・。」

っかー!!!
自分でも苛々してくるー!!

「わたしの・・・ダチと会ってほしいワケ・・・。」
「・・・・・・・・はぁ?!」

と、デッカイ声をあげた彼。
そりゃデッカイ声あげるわな(笑)。

「ぁ、変な意味じゃないのっ・・・。ただ・・・っ。」
「顔あわせってヤツ?」
「そ、そんなモン・・・。」

やぁ~・・・。
本当は会ってほしくなんかないのよ~・・・。

だけど・・・。
嫌とか言えないし・・・。

「嫌なら嫌でいいのよ?ただ・・・っ。」
「んー・・・?」

カチカチとライターをいじる秋ちゃん。
そのまま煙草に火をつけ、ふぅっと息を吹く。

「・・・その子・・・、彼氏居るから・・・。」
「・・・・・・・っぷ。」

秋ちゃんは笑い出す。

「なっ!?何で笑うんだよー!!!」

わたしは顔を真っ赤にしながら秋ちゃんを叱る。
だって・・・。
急に笑うとか失礼じゃない!(爆)。

「だってさ、ユキ・・・、いかにも俺がその子好きになるように考えてんだもん!」
「ぁ゛・・・っ。」

確かに・・・。
あからさまに可笑しい言い方してたかも・・・。

「だって、その子モテルんだよ?ちったぁ心配するじゃん!」
「お前はバカ?今付き合ってんのはユキなのに、何で他の子好きにならなきゃいけねーんだよ?」

ぐはっ・・・。
痛いぜ、旦那・・・。

「けどっ!!人の気持ちなんて分からない!!」

これは断言出来ますよ?(笑)。

「分からないって・・・。」
「だって・・・。」

そうでしょう?
人なんてすぐ切り捨てられて、またすぐ新しい人見つけられて・・・。
そんな世界。
そんな関係なのよ。

「とにかく!俺はその子好きにならないし、そもそも会って欲しいって言って来たのユキだろ?」
「ぅ・・・。」

そりゃ・・・ごもっともだ・・・。

「じゃぁ・・・。アキラに言ってみる・・・。」
「うん。」

秋ちゃんは優しいから好き。
言いたいことも、全てをキツイ言葉で言わない。
秋ちゃんの優しさで、その刃のような言葉もコーティングされてるから・・・。

――・・・・・・・・翌日。

「はよ。」

いつものように、アキラを迎えに行く。

「おはよ!彼氏サン、何だって??」

ニコニコと聞いてくるアキラ。

「あぁ・・・、OKだって。」
「ほんとぉ?あ、昨日、ハルとTELしちゃったぁvv」
「あは・・・、良かったじゃん!」

なんか、笑えない。
だって、理解出来ないよ。
どうして彼氏が居るのに、人の男を見たがるの?
何か・・・、変だよ・・・。

「じゃ、学校いこっか?」
「うん!」

最近、アキラは明るくなった。
なんってゆーの?
ホラ・・・。

彼氏が出来たからかな?
保健室にだけど、ちゃんと学校へ通うようになった。

「じゃ、わたし教室行くね。」
「うん!」

昇降口で別れて、自分のクラスに行く。
別にわたしはダチが居ないって訳でもないし、普通の子。
だけど、人とちょっと違う考えを持つのはわたし。

「・・・・・・・。」

早く・・・。
早く選択の時間にならないかな・・・。

その時間だけが、わたしの救い。

ガチャーンッ!!!!!

「!?」

廊下に響く何かの音。
何?

教室がザワメク。
そして、響く声には聞きなれた声。
この声・・・・・!?

バっとわたしは教室から出る。
何!?
何が起こったの!?

そして、保健室から聞こえてくる怒鳴り声をたどって走った。

「詩音!?」

そう、彼が暴れてる。
誰と・・・?

「お前、頭おかしーんじゃねーのか!?」
「だって・・・っ、ユキはいいって言ったもん!」

アキラ・・・と・・・、詩音・・・?
その喧嘩(?)の会話には、私の名前。
何があったってゆーの?

「斉藤くん、やめなさい!」
「うるせーな!外野は黙ってろ!」

グシャグシャの保健室。
長いすは違う方向に横たわって、この学年を仕切ってる不良達まで恐縮してる。

「詩音!?アキラ!?」

わたしも、意味が分からない・・・。

「お前、ちったぁ自分の頭整理して考えてみろよ!?」
「どうして!?アナタにそんな事言われる権利ないわ!」

・・・な・・・に・・・?
何でこの二人が喧嘩してるの!?

「ねぇっ!斉藤っ!!何・・・っ!!!」
「・・・お前・・・。」

やっとわたしに気づいた詩音。
何があったってゆーの・・・?

「どうしてコイツに彼氏会わせるって・・・。」
「ぁ・・・、彼もいいって・・・。」

ソノコトをどうして詩音が・・・?

「おかしくねーか?コイツ彼氏が居るっつってんだぞ?なのに、何で人の男見たがるんだよ!?お前、ただの男好きなだけじゃねーか!」

そう言って、詩音はアキラをガン見する。

「あたし、ちゃんと彼氏居るし!!ただ、親友が・・・、ユキが付き合ってる子、どんな子か見たいだけだし!」

あぁ・・・。
もう・・・。

「だから、それが――・・・・・・・・・。」

いい加減に・・・。

「違うってば!あたしは――・・・・・・・・・。」

してよ・・・。
ゴタゴタうるさい・・・。

「~~~~~!!!」
「―――・・・・・・・・・!」


        「うるさ―――――っい!!!!!!!」

さすがのわたしもキレタ・・・。
だって・・・。
どっちもどっち。

詩音の気持ち。
正直嬉しい。

・・・・だけど、アキラとは仲良くしたい。

・・・・どーすればいいのかな?

こーゆー場合・・・、どーすれば・・・。

「ユキ、はっきりしろよ。お前は・・・。」
「・・・わたしは・・・、別にいいよ・・・。彼氏がいいって言ったわけだし・・・。ありがと、詩音。」
「・・・・。」

詩音は、なんだか切なそうな顔して保健室を出て行った。
そして、アキラは・・・。

「もう、なんなの?アイツ!」

って・・・。
一人で怒ってた。

「ねぇ、アキラ?秋・・・、わたしの彼氏にいつ会う?アキラに合わせるって、予定。」
「ほんとぉ~?じゃぁ、今日がいいなぁ~☆」

・・・・。
いつでもいいからって、そんな今日とか言わなくても・・・。
それに、秋ちゃんの事とかも考えてよ・・・。

「ぁ、じゃー・・・、メール送ってみるね!」
「うん!」

アキラの嫌いなトコ。
少し自己中。
多分、一人っ子だからかな?
甘やかされて育つってよく聞くし・・・。

わたしは秋ちゃんに即メールを送る。
返事は『いいよ。』ってきたけど・・・。
何だか悪い気がする。
アキラは何も考えてナイのかなぁ・・・?

「ぁ、いいって・・・。」
「ほんとぉ~?やったぁvv家帰ったらお洒落しなきゃ!」

・・・・はぁ!?
意味わかんない。
何で人の彼氏に会うのに洒落こかなきゃイケナイ訳!?

「ぁ・・・、制服でいいと思うよ?」
「ぇ~、だってぇ・・・。この制服ダサイしぃ・・・。」
「わたしも制服で行くから・・・。」

アキラを理解出来ない。
わたしがそう思うだけなの?
だけど・・・。
何だかちょっとオカシイよ・・・。

学校が終わって、放課後。
わたしは保健室までアキラを迎えに行った。

保健室を覗くと、アキラが居ない。

「・・・あれ・・・?」

保健室には先生と保健室登校の生徒だけ。
どうして?
アキラは・・・?

「先生、アキラ知らない?」
「え?アキラちゃんなら5こうじ目で帰ったけど・・・。」
「はい!?」

ど、どうして・・・?

「・・・ぇと・・・、さよなら。」

どうしてアキラ、先に帰るの?

わたしは急いで昇降口に行った。

「ユキ!」
「!?」

廊下で声をかけてきたのは詩音。
何?
し・・・おん・・・?ですよね?(何)。

「・・・ぁ・・・・。」
「あいつ・・・。」
「?アキラ?」

詩音、何か知ってるのかな?

「あいつ、5時間目で帰ったぜ?親友の彼氏に会うからお洒落しなきゃって・・・。お前、大事な男盗られるぞ?」
「・・・っな・・・!」

確かに・・・。
詩音の言ってることは一論ある。
だって、アキラはわたしの付き合ってる男と全員会いたがる。
それはなぜ・・・?

「・・・わたし、正直会わせたくなかった・・・の。」
「・・・・・・・。」
「だけど、友情壊したくないし、アキラには彼氏が居るから安心してた。」

自分の不安な思い。
誰かにぶつけたくて仕方が無かった。

「わたし・・・、可愛くないし、スタイルもよくない・・・。だから、どっちもわたしより持っているのはアキラでしょう?彼氏が・・・、アキラの方行っちゃったらって・・・。そう考えると・・・、怖くて・・・。」

誰にも言えなかったから・・・。
言う相手がいなくて。
親にも、友達にも、アキラにも・・・。
何もいえなくて・・。

今いえる状態の人が、詩音しか居なかった。

「・・・お前の彼氏さんはさぁ・・・、お前が好きで付き合ってンだろ?」
「・・・みたいだけど・・・。」
「そんなショゲルことねーって!」

最初は嫌なやつ。
今はイイヤツ。

アナタは――――・・・・・・・・・・・・・・・・・。


わたしは急いでアキラの家へ向かう。
走って、走って・・・。

ピンポーン!!!!!!!

「アキラ!」
「あ、ユキ~。」

ミニスカート。
ブーツ。
谷間の見える上着。


「・・・・・・・・ぁ。」
「ど~お~?似合う?ってか、可愛いでしょ?」

男ガ居ルカラ・・・。

「・・・ぅん・・・。」

男ニ会ウカラ・・・?

「アハvvね、早く行こうよぉ~!」
「ぁぁ・・・、うん・・・。」

私ノ彼氏ニ会ウカラ・・・?

「ユキ?どうしたの?」

私ノ・・・、カレ・・・シ・・・ナノニ・・・・?

「ううん、何でも・・・。いこっか?」
「うん!」


           不安で不安で仕方が無かったの。


           誰もこの海の底から助けてくれなくて

           誰も・・・、私に気づいてくれなかったから・・・。

ピンポン・・・。
秋ちゃんの家に向かう。
そして、ベルを鳴らす。
痛い
痛い・・・。

心が痛い。
ズキズキする。

「ぁ。」
「ユキ、友達・・・。」
「こ~んにちわぁvv初めましてぇvvアキラですぅ~vvv」
「ぁ・・・、ども・・・。」

急に変わるアキラの声。
そして性格。
何?

「ユキ、あが・・・」
「おじゃましますぅ~vv」

ねぇアキラ?
アナタとは友達で居たいって思う。
多分、世間ではそんなわたしをバカだと思う人が多いと思うけれど、わたしね?
アナタと居ると疲れるの・・・。


「なぁユキ。明後日休みジャン?んでさ、どっか行こうよ。」
「ぇ!?うん!いくいくっ!!」

秋ちゃん・・・。

「ぇ~?二人どっか行くのぉ?いいなぁ・・・。あたしなんか彼遠いから何処も行けない・・・。」
「あぁ、そうだよね~・・・。」

わたし、自然と話を流す。

「いいなぁ、いいなぁ・・・。あたしもどっか行きたいなぁ・・・。」
「ん・・・。いつか行けるとイイネ。」
「んー・・・。ね、あたしも一緒に混ぜてよぉ~vvv」

・・・・・・・・・はぁ!?

「ぇ・・・、けど・・・。」
「だめなのぉ?」

ダメってゆーか・・・。

「ユキィ、秋人さんぅ~!」


                        イヤ


                       イヤイヤイヤ・・・・・。


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


結局、アキラも混ぜて会う事になったんだけど・・・。

最低。


どうして人の合間に踏み込むのかな?

最低だよ。


そして、その約束交わした後、アキラはずっと秋ちゃんと話してた。
秋ちゃんはわたしに話をふってくれるのだけれども、アキラが会話を閉ざす。

ねぇ、どーしてそーゆことするの?
酷いよ・・・。

家に帰って、わたしはカッターを握る。
其れを握れば全てが開放されるって思ったから。
嫌よ。

本当は辞めたいのに・・・。

「・・・・・っ。」

切り込んだ傷に意味はない。
ただ
闇雲に憎しみを込めるだけ。
痛みなんか感じない。

しばらくして、アキラからのメール。

『ハルと別れた。』
「・・・・・・・・?」

どうして?
あんなにハルはる うるさかったのに・・・。
わたしは『どうして?』って、そのまま返事を返した。

返事はすぐさま。

             「・・・・・・・・・!?」

目を・・・、疑った・・・。


                『ユキには悪いけど、秋人さんを好きになっちゃったんだ。』


                       最低。


                      酷い。

                     裏切りだ。

ムカツク。
ムカツク・・・。

あなたのせいで、わたしはカッターを握る。
其れがないと生きていけない。
だからわたしはカッターを握る。

――――・・・・・・・・・・・・・。

次の日。
わたしはアキラを迎えず学校に行った。

暗い顔で登校。
何か・・・、ムカツク。
それだけの意味。

だって、そうでしょう?
いきなり彼氏と別れて、わたしの彼氏を好きになった!?

・・・だから会わせたくなかった。
何か・・・、嫌・・・。

そりゃ、アキラはわたしに打ち明けてくれた。
だけど・・・。
わたしは、アキラにどう対応していいか分からない・・・。
分からないのよ・・・。

「よ。」
「・・・あ。」

詩音。

「どうしたんだよ?」
「・・・うん・・・。」
「・・・・・・・?」

教室。
朝の教室はポカーンとしてる。
生徒の人数が少ないから。

「は・・・?じゃあ・・・。」
「そう、秋ちゃんが好きになったんだって・・・。」
「・・・・。」

今は、誰にも言えない秘密の話。
だけど、詩音にだけなら言える。

「それって・・・。」
「うん・・・、言ってくれたのは凄くイイことだけどさ、わたし・・・。何か・・・。」

もう全て分からなくなってきて、自然と涙が出る。
それは、意味が深くて、とても辛い涙。

「・・・ちょっと・・・。」

詩音がわたしを引っ張って歩く。
周りからは『女泣かせ~』だなんてからかわれて・・・。
ごめんね、詩音。

「ふーぅ!」
「・・・。」

昇降口を出て、靴に履き替えて・・・。
サボっちゃった学校。

「・・・どう?スッキリした?」
「ぁ・・・。」

テクテクと歩く道。
そこはなんだか別世界。

「サボっちゃったね。」
「うん。」
「・・・・、ねぇ。」
「んー・・・?」

涙は枯れて、過ぎた景色に、自然とついてくわたし。

「ありがと。」
「え?」

トボケル君には笑顔でお返事。

「泣いちゃったから・・・、連れ出してくれたんだよね?」
「え・・・。」

その優しさが何かを擽る。
ねぇ?
お願いよ。
お願いだから・・・。

「ま、泣きたい時は泣けばいいじゃん?」
「・・・・ん。」


友情って、儚くて脆いから。
スグ消えて遠のいてゆく。

「ねぇ・・・。」
「何?」

景色が全てを真っ赤に変えちゃうぐらい
それだけ激しい激闘。
だからこそ怖いんだ。

その関係が壊れるのが。

「詩音は・・・、付き合った子とか居ないの?」
「・・・・いるよ。」


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