目に見えない砂時計

目に見えない砂時計

必ず、君は 乗り越えられる


とても、朝8時半受付なんて 無理な状況を 彼は、どうしても起こしてくれと言い出した。

朝の4時。
夏の朝は早いとばかり思っていた。。。

タイマーで起きて窓を見たら、まだ暗く、一瞬だけよぎった嫌な予感を、思い切り首を振って否定した。

息子の部屋に行き、顔を覗いて、声をかけた。

反応がある・・・

まずは、第1段階 突破・・

無理やり口の中に、血圧を上げる薬を入れて、とりあえず戻った。

30分後、水と片頭痛の薬をもって、再び彼のところへ。。
寝ながらではあるが、すんなり飲んだ。

第2段突破


30分後、血流がよくなるようにふくらはぎのマッサージを行った。

ちょこちょこ声をかけなければ再び寝てしまうから、マッサージを行うというより、心を呼び覚ますため、彼の好きなゲームの話を振ってみた。

案の定、興味をもったらしく、どんどん会話が増えてきた。 そこへ 朝食。
このタイミングが悪いと 気持ちが悪くなるのを知っていたので、見計らったように、流れるように さっと彼の前に差し出した。

「今日だけ特別。ナイスタイミングでしょ?^^」
そう言うと彼は

「うん ナイスだね」
と 答えた。

量は少ないが 食べることができた。

段3段階突破

後は、彼のやる気だけにかかってる。。私ができるのはここまで・・・・


本当は、体をさすってあげたい。。
もっと、いろいろ話をしてあげたい。
肩を抱えて、下の部屋まで降りてあげたい。

でも、ぐっとこらえて

「起きられたら、起きておいで^^無理すんな^^」
と一言いい、私は部屋を出た。

5分後 彼は自分の力で起きてきて、数週間ぶりに夏の制服に着替え出した。。

泣きそうになった。。

当たり前の朝の風景が、こんなに嬉しいなんて・・・

彼が、楽しそうに 笑ってる。。
それだけで 私は あなたの親であることの喜びを 実感していた。

バスにしないで自転車で行くと言い出し、私も駅まで行ってあげるよと言うと、
照れながら、うなずく息子。。。

きっと、まだ フラフラしているのだろう。。だから、ほんの少し自信がないから 私が駅まで行くと言ったことを、承諾したのだろう。。

キラキラ光る朝の光の中で、彼の背中を眺めては、こらえ切れなくなって泣いてしまったことは、彼は知らない。。。

きっと・・君は、大丈夫・・・・
何があっても、乗り越えられるよ・・・

そう 心の中で繰り返しては、眩しい光と風を感じながら、自転車を力いっぱい漕いで、彼に追いついたのだった。





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