◎食についての考え方
現在、インターネット通販等の「お取り寄せ」ブームが到来していると言われています。
実際に、各メディアが多数取り上げるなどの影響もあり、これまで業態としてフード通販をもたなかった媒体までもが、
通販事業に参入してきている現状があります。
手作りのお惣菜から、有名パティシエやショコラティエの作ったスイーツ。
厳選された食材を、産地直送でお届けする激安海産市場。
どれも、とても魅力的なお取り寄せの文化です。
そこへ行かなければ食べられない限定のものが、自宅にいながらにして手に入れられる、味わえる。
これこそは、お取り寄せの醍醐味だと言えます。
それと平行して、人気を博しているもの。
それは、カンタンに食べられる「食事」。
届いたら、すぐにレンジでチンして食べられる加工食品が増えていく中、
我々フード業界に携わる人間には、次なる課題が与えられているように感じます。
「食に対する考え方の見直し」。
昔を振り返ると、食は不自由なものでした。
子供の頃は母の手作りのものしか食べたことのなかった時代。
お菓子も手作り、小学生の時に登場した「カップラーメン」は食べたこともなかった。
海のものも山のものも全て母が調理したものを食べていました。
今にして思えば、 それがなんと幸せなことだったのだろうと思います。
「個食の時代」と言われている今。
デパートの贈り物で、1人前、1回分ずつの漬物のパックが人気を博す時代。
1食1食単位になって、温めればすぐに食べられるようになったレトルト食品。
便利と言えば便利。
でも、寂しいと言えば寂しい。
「個食」は「孤食」を生み、家族で食卓を囲んで食事を取る機会に恵まれない子供が増えています。
その楽しさ、癒し、愛情の交換、大切な時間を経ずに大人になろうとしている子供が増えているのです。
「みんなで食べればなんでも美味しい!」
そう感じられるのは、家族の食卓の経験があってこそ。
不自由なことも全て受け止めながら、皆で食べ物を分けて味わう、これこそが大切だったように思えます。
孤食では、その温かさや美味しさは、味わうことが出来ません。
ましてそれが出来合いの弁当や、レンジでチンするあれやこれやでは、
子供達は「思い出の味」を記憶にとどめることすら出来なくなってしまいます。
男女均等雇用の時代、両親は働くのが当たり前の世の中なのはやむをえない実情です。
だからこそ、家族の中では、楽しい「食卓を囲む時間」を過ごして欲しいと切望します。
そんなことのお手伝いが少しでも出来れば・・・
食によって、癒されたり笑顔が生まれたり、そんな喜びを与えるお手伝いが出来れば。
私は「食」に関する全てを、ココロから愛しています。
祖母、母と代々続く料理講師の家庭に育ち、そんな感性を与えてもらいました。
だからこそ、まっすぐなお仕事をしたいと考えています。
志を同じくするフード企業さんと、楽しくお仕事をさせて頂けるのが、何よりの幸せなのです。