愛すべきものすべてに

十七歳の地図

これは断言できるが尾崎のファン、あるいはかつてファンだった人に
「尾崎のアルバムの中で最も印象的なアルバムは？」という問いかけをして
返ってくる答えがこのアルバムのタイトルであろう。
あるいは「初めて尾崎を聴く人にお勧めのアルバムは？」という問いに置き換えても答えは同じかもしれない。

理想と現実の狭間で揺れ動きながら、時には脆く崩れそうになったり、時には激しい憤りを持って
反発したりする少年の姿がストレートに表現されている。
そこには暴論や極論もあるが、また一方で現在にも通じる真実もある。
この頃のボーカルにはまだ幼さが残るが、それがまた歌詞とマッチして楽曲群の魅力のひとつにもなっている。

この１stアルバムの輝きは今でも色褪せる事はない。いつまでもキラキラと純粋な魂の跳躍で煌き続けている。

十七歳の地図［ＳＥＶＥＮＴＥＥＮ’Ｓ　ＭＡＰ］ストラト回転中！

１．街の風景［ＳＣＥＮＥ　ＯＦ　ＴＯＷＮ］
２．はじまりさえ歌えない［CAN'T SING EVEN THE BEGINING］
３．Ｉ　ＬＯＶＥ　ＹＯＵ
４．ハイスクールRock'n'Roll［HIGH SCHOOL ROCK'N' ROLL］
５．１５の夜［ＴＨＥ　ＮＩＧＨＴ］
６．十七歳の地図［ＳＥＶＥＮＴＥＥＮ’Ｓ　ＭＡＰ］
７．愛の消えた街［ＬＯＶＥＬＥＳＳ　ＴＯＷＮ］
８．ＯＨ　ＭＹ　ＬＩＴＴＬＥ　ＧＩＲＬ
９．傷つけた人々へ［ＴＯ　ＡＬＬ　ＴＨＡＴ　Ｉ　ＨＵＲＴ］
10．僕が僕であるために［ＭＹ　ＳＯＮＧ］

☆「街の風景」原曲はアマチュア時代から演奏していたナンバー「町の風景」。元々はミディアムテンポの曲であった。
オリジナルバージョンはライブアルバム「LAST TEENAGE APPEARANCE」や「OSAKA STADIUM VOLUME1」で聴く事ができる。

☆「はじまりさえ歌えない」意外と知られていないが、れっきとしたシングル曲。
まだアナログしかなかった８４年の８月にアルバムからシングルカットされリリースとなった。

☆「I LOVE YOU」今となっては尾崎の曲の中で一番有名な曲かもしれない。９１年シングル発売された。
友人でもあった吉岡秀隆に「お前がドラマ（北の国から）で宣伝してくれたおかげだ。」とお小遣い（１万円？）を
あげたというエピソードが残っている。

☆「ハイスクールRock'n Roll」十代の頃のライブでは重要な位置にあった曲。
このタイトルを聴いてオレが思い出すのは横浜銀蝿のナンバー「ツッパリハイスクールRock'n Roll」。
シャレの意味でもこのタイトルとなったのか、須藤晃氏にお会いする事が会ったら是非聞いてみたい。ま、たぶん一生ないが。

☆「１５の夜」デモ時の仮タイトルは「無免で」だった。
ダウンタウンの松っちゃんが「ガキ使」の中で「オザキにバイクを盗まれたのはオレですわ。あん時はもうビックリしたわぁ。
本屋から出てきた時、ちょうど走り出すところで待てぇ～言うて・・・」というエピソードを披露している。
もちろんウソである。

☆「十七歳の地図」シングルとアルバムではコーラスアレンジが異なっている。
シングルバージョンはベストアルバム「ARTERY&VEIN」で聴く事ができる。

☆「愛の消えた街」この曲がデビューアルバムに入っているという事の意味は大きい。それ位強烈な印象をあたえる曲。

☆「OH MY LITTLE GIRL」この曲がドラマ「この世の果て」の主題歌であった事を知っている人は多いが、
宇多田ヒカルはテレビでそれを見て尾崎のファンになったって事を知っている人は少ない。

☆「傷つけた人々へ」最初にこのタイトルを聞いた時からしばらくの間オレは”僕を傷つけた人々へ”の意味なのかと思っていた。
しかし良く聴いてみて”僕が傷つけた人々へ”の意味だったと後になってわかった。

☆「僕が僕であるために」オレが選ぶ尾崎ベストテンには間違いなく上位ランキングされる曲。
この曲を弾き語りしたいが為に、ギターを買って練習したっけ。
今ではもうすっかりコードも忘れてしまったが。