絨毯屋へようこそ  トルコの絨毯屋のお仕事記

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2005年05月19日
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カテゴリ: トルコ人と日本人
昨日、今日とあったトルコの友人たちに関する話を2つばかり。

ブルサの骨董ストリートで店を経営しているトルコ人男性で、夫の15年来の友人である。まだ若いが苦労もし、向上心のあるいい若者である。
友達思いで、家族思い。
私たちは家族ぐるみでお付き合いしている。

先日、会ったとき奥さんが2人目の子供を妊娠したと喜んでいた。
ところが数週間前から奥さんの具合が悪く、入院していた。
家ではカレと息子の二人暮らし。
それでも生まれてくる子のために、頑張っていた。

2日前の夜、「娘が生まれた」という喜びの電話がかかってきた。

「近いうちにプレゼントを持ってお祝いにいかなきゃね」などと話をしていた。

昨日、別の用事で店からアドナンに電話をさせたとき、話をしているアドナンの顔が急に曇った。
どうしたのか、と電話が終わるのを待って聞いた。

カレの娘が今しがた亡くなったという。
電話の向こうでは話の合間にカレの嗚咽・・・。
いたたまれなくなったので、私に電話を代わらなかったと、アドナン。

早産のせいで生きる力がなかったらしい・・・というのが理由だというが、12時間前に誕生を喜んだばかりである。
もっといえば2時間前に電話に出たカレの息子に「お兄ちゃんになったんだってね?」と聞いたばかりであった。

奥さんが生きていること・・・それを喜ぶしかないのであるが、あの大きな身体のカレが今、どんな思いをしているかと思うと、それだけで胸がいたい・・・。


今日、午後あまりにもだるいので、店で横になっていたら、突然入ってきたトルコ人女性。
顔を見て、懐かしさでいっぱいになった。


地方から出てきて、アルバイトをして学費を稼ぎながらアンタルヤの大学に通っていた娘である。
貧しい家庭の出て、父親がいないこともあり、大学に通うだけでもかなり苦労をしているのを知っていた。
当時はほぼ毎日、ミフリに来てはおしゃべりをし、お茶を飲み、そんな風に過ごしていた。

その後、外資系の会社に会計士として入社し、そこで知り合った今の旦那さんと結婚し、子供に恵まれ、今はリゾート地で7人の従業員を使うレストランのオーナーになっているという。
学生時代の彼女の苦労と勤勉さを知っているだけに、心から彼女の成功を喜んだ。


リゾート地で働く大変さ、そのなかで学んだことなどを話ながら、話題は当時の話になる。

ミフリを通して知り合った日本人の友達の不義理で悲しんだこと。
今になれば、あなたの言ったことがよくわかる・・・といい、あなたはあのころと変わらないのね・・・と。

彼女がとある会社にアルバイトで入ったことがある。
その日、学費の支払いの最終日で、それが払えないと大学を続けられなくなる・という状態であった。
社長に学費分の前借りを申し入れると「俺の愛人になるなら出してあげよう」と迫られて、会社を飛び出した。
そのあと知り合いもいないアンタルヤで、私に電話をかけてきた。

私は彼女の性格も状況もわかっていたので、黙って学費の60ミリオンを渡したことがあった。
今日、彼女からその話を聞くまですっかり忘れていたことであったが、そんなこともあったなあ・・・などと思い出した。

私が彼女を好きな理由のひとつ。そのエピソード。
ある日、店からの帰り、クルマに日本人トルコ人何人か乗って食堂にスープを飲みにいった。
店について、ところが彼女はクルマから降りてこない。
「私、お腹がすいていないから・・・」という。
そんなわけがないことはわかっている。
どうしたの? と何度も聞くと、最後に「実はスープ代がない」という。

一緒に来たのだから、そんなことを気にすることないよ、どうせ私がおごるつもりで誘ったんだから、と言っても。恥ずかしいことだから、みんながスープを飲み終わるまでクルマで待っていると動かない。
いいから、いいから・・・と強引におろして、テーブルに座らせた。

そんなやせっぽちの彼女が一児の母になり、レストランを切り盛りする女社長になって、元気な姿を見せてくれたこと・・・・胸がいっぱいになった。





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Last updated  2005年05月20日 03時47分10秒
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