絨毯屋へようこそ  トルコの絨毯屋のお仕事記

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2006年06月12日
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カテゴリ: 絨毯屋の仕事
キリム織りや絨毯織りをするとき、糸というものが用意をされている段階から始めるのが普通になってしまったこのごろ。

でも本来は、羊の毛を刈り、原毛をわけ、それを糸に紡いでいくという作業がある。

トルコでも30年ほど前までは糸は手で紡がれてきた。
ところが機械の参入で、現在では99%に機械で紡がれた糸が使われている。

機械糸と手紡ぎ糸のそれぞれの特徴がある。

機械糸は大量生産ができる。
細くて均一な糸ができる。
コストが低い。

手紡ぎ糸は紡ぎ手がほどんといない。

紡ぎ手がいないので、今後、コストが上がる一方。

でも手で紡ぐ糸にはそれだけの価値がある。
どう違うかというと、縒りの強さが違うので、強度の点で優れているし、機械の油が混じらない分、汚れがつきにくい。またよりの強さが違うので同じ大きさの玉を手にしたときにずっしり重さが違うのがわかる。
また使えば使うほど光沢が出る。ウールでも手で紡がれた良い糸はシルクのように光るのである。

ところで、使えば使うほど光沢が出る・・・という言葉は全ての織物に当てはまらない。
手紡ぎ糸でなければ、現れない現象である。
だから我々が言う「アンティーク」という定義も、古いからアンティークなのではないということ。100年を越えるとアンティーク、というのも間違った考え方である。
私がアンティークを説明するときに、100年という目安を言うのも、
今から100年ほど前まで、染色が天然染めが使われ、糸も高度な技で(例えば貝殻ボタンの穴が通るかどうかを基準に糸をよっていた)極細の手紡ぎ糸が使用されていた。
その条件が揃って、古くなったものがアンティークであり、例えば、現在の機械紡ぎの糸で織られたものは草木染めであろうと、極細糸であろうと、100年たったとしても価値としては「アンティーク」、つまり骨董的価値を持つものにはなりえないのである。

手紡ぎ糸が一般的だったのは前述にあるとおり、トルコの場合、今から30年ぐらい前までである。

最近、見つかるのは過去によったものの在庫であったり、娘のために絨毯を織ろうとためておりたけど、織る機会がなかったから譲る・・・なんて具合で、糸そのものを集めるのは本当に大変である。しかも少量ではどうしようもない。ある程度の量、例えば絨毯1枚織るのに10~20kgは必要になる。

nihon20050815kilim 2458.jpg

さてトルコで手紡ぎというと、キリマンと呼ばれる単純なスピンドルを使う。
欧米で見られる円形ではなく、十字型である。
夫の手作りだったりする場合も多い。
小さく持ち運びも便利なので、どこでも手軽に使えるのがいい。


(画像ではわっかなしで、先に細く整えた原毛を染めたものを巻いただけ)
それを片方の手首にかけ、もう片方の手で毛をひきながら、キリマンを回す。
糸ができたら、それを十字の部分に巻いていくのである。

キリム用には回転数を多めに、絨毯には少なめにかける。
セーター用のふかふかしたよりとは全く異なる。とくにキリム糸の場合、ときには細い綿糸かと思うほどのよりをかけることもある。
絨毯は回転数が少ない分、また織るときの作業で2本を1度に使うため、通常2本よりである。
そのために、大き目の「ビュクム」と呼ばれるスピンドルで、回転をかけながら、よった糸を2本により直すのである。(そのうち気が向いたら続きを書きます)

この村で、手で紡いで草木染めをした糸をご覧になりたい方は
ミフリ&アクチェ

の「トルコでお買い物」専用ページでご覧になってください。キリム糸・絨毯糸の最後の方にある緑、赤、紫、黒、ゲチキの手紡ぎ・草木染め糸がそれです。





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Last updated  2006年06月14日 02時19分18秒
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