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ウルダーを越えて山道を進む。ケレスは遊牧系住民の伝統的民俗衣装が見れた場所である。現在は周辺の集落を訪ねても、衣装を持っている人はほとんどいない。過去に手放してしまっているからである。その代わりに、民俗衣装を着せたお人形を見ることができる。ウールの手織り布で作った前掛け、伝統的手法のカード織りで作ったベルト、昔ながらのモチーフを施した手編みの靴下、ビーズの頭飾り、スパンコール刺繍、刺子の帽子など・・・・・・。本物の民俗衣装を縮小したものである。これはケレスの町の中心部で、お役所の人からプレゼントされたお人形。ケレスの集落のひとつで、カード織りをする女性の家にあった作りかけのお人形。これに帽子とスカーフ、頭飾りなどを着ける。最近トルコの各地で同じようなお人形を見る。中国製のお人形に、手作りの地域の伝統的衣装を着させて、お土産物屋などで販売している。おそらく多くは地元の市民講座で女性たちによって製作されたものであろう。本物の民俗衣装を作ることはなくなったけど、そのテクニックを知っている女性たちが現金収入につながる商品作りに精を出すのである。にほんブログ村
2011年03月29日
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テルクルマは金属リボン刺繍。テルサルマは金糸(または銀糸)刺繍。ボフチャ(日本風に言うと風呂敷)、ベール、割礼式の装飾用布などにみられる金属刺繍である。20世紀初頭から中期までのもの。にほんブログ村
2011年03月24日
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その日は用事があって早く出勤したのだが、移動中のクルマのラジオでまず第一報を聞いた。最初はトルコにおける日本の地震情報がいつも大げさなので、正直言ってまたか・・・・と重く考えなかったのだけど、店でインターネットでニュースを見て、ことの大きさを知った。当日と翌日は携帯にトルコ人、日本人の方からたくさんのお見舞い電話をいただいた。たまたま、その日、私はメインで使っている方の携帯を家に置き忘れてきてしまっていた。風邪で学校を休んでいた息子がほとんどを対応したらしく、相手がわかった電話にはあとでお返事をしたが、不明の電話番号もたくさんあったのでお返事はし切れていない。私を介して知り合った日本の友人たちを心配する声もたくさんあった。確認できた人についてはその事実を、確認できない人には知りえる情報範囲内で無事であろうことを代わりに伝えさせてもらった。日本からも私の実家が関東であることを知っている友人、知人から、安否を気遣うメールをたくさんいただいた。幸い、私の実家、親せき、頭に思い浮かぶ知人、友人は何事もなく無事であったのだが、あとからあとから出てくる新情報に、被害の拡大する日本の様子を見てショックを受けずにはいられない。まだ、みなさん大変なときだと思う。何もできない歯がゆさもある。お悔やみとお見舞いを申し上げます。そして一日も早い復興と日常生活を取り戻されることをお祈りいたします。にほんブログ村
2011年03月13日
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一般的には「ペシキル」と言うこともあるが、骨董業界では「ヤールック」と呼ぶ。いわゆる飾り手ぬぐいである。飾り手ぬぐいの用途はいろいろあるが、主には民俗衣装を着たときに、布ベルトに垂れ下がる状態での装飾品として知られる。刺繍部分は両端のみになるので、ズラした形で二つに畳んだときに2段になってモチーフが見える。そのため裏表のある刺繍もあるが、裏表がないテクニックで施されているものも多い。写真は19世紀後半、1880年から1890年ごろと予想されるヤールック。手織りのコットン布に、シルク糸と金属リボンで裏表がないように刺繍されている。トルコ語で「ムシャバック」テクニック。保管状態がよほどよかったのだろう。色も褪めることなく、布の多少の水シミやヤブレ以外はキズがない。年代から見るコンディションは良好である。トルコの西、エーゲ海地方のベルガマのコザック高原から出たもの。にほんブログ村
2011年03月10日
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過去、このブログや私の書いた新聞記事、雑誌などに何度も登場する、村のアイシェ。彼女はアンタルヤだけでなく、トルコ国内でもオリジナルの形で(商業ベースではなく)伝統的な絨毯を現役で織り続ける数少ない織り手である。商業ベースの織り手と、そうでない織り手の違いは何かというと、家の中を見たらすぐにわかると思う。商業ベースの織り手は、あくまで絨毯屋に依頼されて、糸を渡され指定のモデルを内職として織りをしているので、染色を知らなかったり、伝統的なデザインを知らなかったり。もちろん織った絨毯は自分の所有物ではない。そうでない織り手は、もともと自分の家のために織っていたので、自作の絨毯を伝統的な形式で見ることができる。かつて織っていたという人はたくさんいる。でも現役でないと、家の中にある絨毯の数量は減っていくばかりなので、これもすぐわかる。現役織り手の家の中はこんな感じである。絨毯の上でご飯を食べるジヤ。なんて贅沢。にほんブログ村
2011年03月06日
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エフェの拳銃。(エフェについては前回のブログをご覧ください。)エフェが実際に所持していたもの。推定約200年前のものだから、19世紀初頭。骨董品であって使用はできません。ただの拳銃なら結構あるのだけど、これはシルバー細工が施してある。握り手の部分や、見えないけど拳銃の裏側にもエフェを象徴するような人物のようなモチーフがある。エフェって頭に飾るイーネオヤといい、バックを下げたベルトといい、衣装といい、靴下といい、細かい部分にこだわりがあり、なんだかお洒落である。拳銃の下にある白いものはなんだと思った方はかなりの通。エーゲ海地方の女性のブラウスであるが、袖口にシルク糸で細かいイーネオヤが施されている。にほんブログ村
2011年03月04日
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