みかん’s Room

みかん’s Room

反抗期について


ろな不安を持っています。その不安は、逆に言えばそのような不安を持つこと
ができるようになったという成長の証でもあります。物事に気づく力がなけれ
ば、不安も感じないわけですから。そしてさらには、第二反抗期という時期も
重なって、大変不安定です。

 第二反抗期と言うことには今までも何度か触れてきたように思いますが、も
う一度触れたいと思います。第一反抗期は三歳程度、「あれなあに?」「これ
なあに?」といろいろなものに関心を持ったり、親に抱かれて生活していたこ
とから脱却して、肉体的に親から独立しようとする時期です。

それに対し第二反抗期は、心理的に親から独立しようとする時期です。今まで
親から教育・指導されてきたことを支配されているように感じるのもこの時期
で、親に対して反抗していく中で、社会と自分の境目をはっきりさせ、客観的
に自分を見つめられるようになっていきます。

そして、自我を確立していくわけです。同時に、客観的に自分を見つめられる
ようになってきた時点で本格的な成長のスタートラインに立った、というとこ
ろなのですが、自分の未熟さが見えてしまう故にさらには不安になり、精神的
に不安定になったりもします。

 そんな子ども達に対して、保護者の皆様方はいろいろ考えてお子様達に接し
ていらっしゃるだろうと思います。親の立場と教員の立場は共通する点もあれ
ば違う点もあるでしょうが、私が気をつけている点をお話しすることで、何か
の参考になれば幸いと存じます。

1、子どもの頃を思い出す。
 「最近の子どもの考えていることは分からない。」という台詞は遥か昔から
ある台詞ですが、そうでしょうか?今は大人になっている私達にだって反抗期
はあったはずです。自分があの時、大人にどんな不満を抱いていたか、どんな
気持ちでいたか、何に腹を立て、何に納得していたのか、それを思い起こせば、
何か通じるものが見えてきます。

2、一人の人間として扱う。
「屁理屈」とは、大人にとって都合の悪い理屈。子どもにとっては正しい理屈。
これは、私が子どもの時に考えたことです。
 子どもだからと言って力で押さえつけず、きちんと話して納得させることが
大切だと思っています。説得より納得をとも言います。

3、憎まれ口の向こうにあるもの
 反抗期だからどうしても憎まれ口、けんか腰で来ますが、憎まれ口の向こう
にある意見をしっかりと聞きます。まだ子どもだから、大人と対等ではないこ
とが分かっているのです。強がってないと対等でないと思うのです。また、対
等に扱われないからこそ強がるのです。ですから表面の態度よりも、中身を見
ようとします。表面の態度で「言い方が悪い」などと決めつけず、言っている
内容について答えます。

4、誠意を持って接する
 反抗期の子どもは大人に対して無愛想。ムスッとしています。だから、何か
こちらの手違いがあってもいつもの「ムスッ」がつけあがりそうだから、どう
しても大人の強さを前面に出して子どもをねじ伏せてしまう。これがたまらな
く子どもには許せないことなんですよね。何かあったら子どもに「謝れ」と教
えているのだから、自分も素直に、誠心誠意を込めて謝る。子どもに「言い訳
をするな。」と教えているのだから、自分も言い訳をせずに謝る。むしろ子ど
もの方が大人よりも、こちらの誠意を分かってくれます。

5、背中で教える
 普段偉そうに子ども達に言っていることを、自分自身もやる。これは結構難
しいです。でも、これをやらないと、本当に口先だけだと見透かされ、口で言
うことが逆効果になってしまいます。横断歩道が赤なのに、渡れるからいいや
と思って渡ってしまったり、たばこの吸い殻やゴミのポイ捨てなど、子ども達
は必ず見ています。そして、反抗する時にこういいます。「大人だってやって
るじゃん。」それに対して大人が言う言葉っていつも、「大人だからいいの!


6、毅然とした態度で接する
 子どもの態度にビクビクしている大人って、子どもからするとかなりムカつ
く相手。大人ならしっかりしろよ!大人の癖にだらしがない、私は子どもの頃、
そんな風に感じてました。正しいことをバシッと言えて、しかも一貫性がある、
そういう大人には反抗のしようがありませんでした。自分が間違っていて大人
が正しいことが痛いほどつきつけられたから。

7、共感的理解
 とかく教員は教えたがる人種。だって、教えるのが好きでなっている職業だ
から。でも、何かにつけて教えたがる。子どもが話せば「それはね…」と始ま
る。なんかそれが自分を否定されているみたい。そうじゃない、ただ「うん、
うん。」と聞いてくれれば、それだけで満足できるのに…。

8、考えさせる
 説教で正しいことをばんばん言われても、「はいはい、私が悪うございまし
た。お説ごもっともでございます。」私はカウンセリングを専門的には習って
はおりませんが、見よう見まねでカウンセリングっぽい説教を心がけています。
「~~についてどう思う?」みたいに。結構私の説教は、黙っている時間が長
いです。子どもが何か言ってくれないと次に進まないからです。でも、こちら
が発した言葉より、子どもが自分で気づいて発した言葉の方が、子ども自身に
しみこむんですよね。

9、信じる
 子どもを信じるには、当然裏切られる覚悟も決めなければなりません。なぜ
なら、わざと裏切る場合もあるし、未熟さ故に裏切る結果となる場合もあるか
らです。でも、子どもは信じられていることを実感している限りは、立ち直れ
ます。また、失敗して「それみろ」と言うのはとても子どものプライドを傷つ
けます。教えようとするとうるさがられる場合もありますが、それでもできた
ら充実感が味わえますから、よかったねと言える自分でありたいです。

10、最後に
 一人前としてみられたい、認められたい、自分を分かってほしい。認められ
たいから認めろと反抗するのであって、自分の個性が確立されていて、ある程
度周囲から認められるようになってくれば、もう反抗などする必要がなくなり
ます。個性を確立するためにもがくのが反抗期。認められたいのだから、しっ
かり認めてあげます。その代わり、その分の責任もしっかりと取らせます。反
抗期は誰でも通る道。反抗期を経て立派な青年へと成長するできるよう支援し
たいですね。

(ある先生の言葉から)

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: