鍋・フライパンあれこれ美味
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
000000
ホーム
|
日記
|
プロフィール
【フォローする】
【ログイン】
9.不審
9th Section. 不審
『─────今日夕方頃、東京都内の××区にある住宅地の路地で、女子高校生が変死体として発見されました。亡くなったのは、同じ都内の進学校・秋桜寺学園高等部に通う1年生の………大橋麻子さん、加藤玲奈さん、榊香苗さん、鳥飼亜弥さん、弓沢花枝さんの5人である事が分かっており、────』
リビングに流れる平淡口調の報道に、ジョーの箸が止まった。
それまで夕食を片付ける事に意識を傾け、つまらないニュース番組の声など受け流していた彼だったが、その報道の中に混じっていた単語が磁石にくっつく鉄のように、耳の奥で残った。
テーブルを挟んだ向かいに座っているジェットが、
「あーあ、下らねえ。この時間帯はニュースばっかやってんだよな。つまんねー…」
とぼやき、手元のリモコンでチャンネルを変えようとする。
「ジェット!変えるなっ!」
「………あぁ?!」
ジョーが咄嗟にそのリモコンをひったくって阻止した。
突然の事に驚いているジェットは、空になった自分の手の中とジョーの顔を呆然と見比べていた。
「……どうしたの、ジョー?」
同じように驚いているフランソワーズが訝しげに訊ねる。他の面々も同様の表情だ。
そんな仲間達の反応を無視して、ジョーは無言でリモコンのボタンを押し、テレビの音量を上げる。
『────見つかった死体は、胸部・腹部・頚部・太股・掌など箇所はバラバラでしたが、何か太い棒状の物が体を貫通した痕があり、それらがそのまま致命傷に繋がり死に至らしめたものと考えられます。警察では、死んだ5人全員が同じ学校・学年であった事から、女子高生を標的とした変質者による殺人事件の可能性を前提として捜査をする方針で、5人の共通点や関連性・凶器の正体の解明を急いでいます。……また変死体の発見された現場では、被害者5人の同級生である川田吉子さんが気絶していたのが見つかっています。外傷は特にありませんが現在は都内の病院で未だ意識不明のままで、警察では意識を取り戻し次第、事件について詳しく事情聴取をする事になっています』
「………………」
アナウンサーの話題が別のニュースに変わってもなお、ジョーの視線はテレビに釘付けられたままだった。
「…ジョー、一体どうしたのかね」
ギルモアが声を掛けると、やっと彼はテレビから意識を剥がし、口を開いた。
「……今のニュースなんだけど」
手にしていたリモコンで無造作にテレビを消し、邪魔な雑音を取っ払った。
ジェットが「おいっ、人が見てんのに勝手に消すんじゃねえ!」と抗議の声を上げたが、ことごとく無視。
「今の、って……女子高生の変死だとか何とか…ってやつか?」
グレートが確認すると、ジョーは頷いてみせる。
「そう。その死んだ女子高生は、どこの生徒だって言ってた?」
いたって真面目な顔で、逆に問い返した。
数人が先刻聞かされたアナウンサーの報道内容を思い返す。
「………シュウ……何とかって言ってたアルね」
「“シュウオウジ・ガクエン”だよ」
答えを述べかけて口籠った張々湖に、ジョーが正確な固有名詞を口にした。
「それがどうかしたのか?」
アルベルトが訊ねる。
はっきり言ってしまうのなら、彼らサイボーグにとってはありふれた女子高生の変死事件の云々など別にどうでもいい事なのだ。
お人好しな9人の中でも輪を掛けてお人好しなジョーだが、荒んだ日本の現状をあからさまに示すような浅ましい事件などに対しては全くと言っていい程無関心だった。
それは恐らく、以前に少し聞かされた彼の孤児としての生い立ちやハーフという肩書きから受け続けた周囲の疎外が由来しているのだろう。
そのジョーが、あえてこうして話を持ち掛けているからには、何か重大な事を見つけたに違いない。
ジョーは話を続けた。
「その、秋桜寺学園………まあ普通は“秋学
(しゅうがく)
”って略して呼ばれるんだけど……東京内じゃかなり有名な学校なんだ」
日本国外に住む仲間達数人が、顔を見合わせる。
「日本では普通、小学校を卒業したら中学で残り3年間義務教育を受ける。あとは自分で選んだ高校を受験してそのまま進学するか、もしくは進学しないで就職する。高校にも色々あって、県が設置した公立高校と、そうではない私立高校がある。私立の方は公立と違って県の資金援助とかがないから、授業料がものすごく高い。だから殆どの中学生は、私立よりも公立高校の方に入ろうとする」
普段はいたって穏やかで少し間の抜けた感じのするジョーだが、時々その態度とは裏腹に凄まじく深刻な顔で物事を提案する事が多々ある。
付き合いは長いのでもう慣れているが、最初はその2つの顔のギャップの大きさに戸惑いを持ったのは確かだった。
「その反面、公立高校で受ける県の統一試験は結構難易度が高いんだ。学力戦争っていうのはこの事だよ。けど私立高校の試験は割と簡単だから、そこそこ勉強してれば誰でも入れる。……それで皆どうするべきか悩むんだ。僕は一応、暮らしていた教会から余計に資金援助なんてしてもらいたくなかったから、公立一本で受験した。自信なかったけど、受かってたよ」
言いながら、軽く肩を竦める。
「……で、さっき言った秋桜寺学園。あそこは珍しい所で、中学と高校が融合した私立の進学校なんだ。つまり、中学…まあそういう学校内では“中等部”って言われるけど、そこで3年勉強して高校…いわゆる“高等部”の方に進級する時に、難しい受験を受ける必要が全くない。中等部・高等部が一緒で、単に学年が上がるっていうのと同じ感覚だから、よほど成績が低くない限りは学校が免除してくれる。それに……私立の中学で行なわれる授業は普通と違ってレベルが高い。進学校だから尚更だ。秋学に入れば、高校受験免除の上に子供の学力大幅向上が可能になる…一石二鳥なんだ。だから東京にいる親は、揃って自分の子供を秋学に入れようとする。
………そんなこんなで、秋学は物凄く有名な学校なんだ」
「へえ……驚いたな。日本にそういうシステムがあったのか…」
一番興味津々に話を聞いていたピュンマが呟いた。
「……で?まさかそんな最高にどうでもいい話をする為に、お前はテレビを勝手に消しやがったのか?」
青筋が浮かびそうなくらいの怒気で染まった表情のジェットが、目元を引き攣らせながら迫ってくる。
元ヤンキーである彼にとっては、外国の教育システムの事情云々などを聞いても退屈なだけなのだ。
ジョーはそちらへ視線を移し、
「勿論、違うよ。長かったけど、今のは前置きみたいなやつだよ」
そう否定した。何かと回りくどいのだけはいつも同じらしい。
「本題はここから。…………昼間に僕達が連れてきた、あの女の子の事だ」
切り出された話にジェロニモが怪訝そうに顔を向ける。
アルベルトも無言で眉間に深いしわを刻んだ。
フランソワーズの目が少し不安げに焦点を揺らす。
「………単刀直入に言うよ」
ジョーは軽く目を伏せてから、告げた。
ある意味驚愕的な事実を。
「……あの子は、秋学の生徒だ」
断言した。
一瞬、食卓の空気が凍り付く。
「……なに………?」
呆然と言葉を漏らしたのはギルモアだった。
「あの子は、今日の変死事件で殺されたっていう被害者と同じ、秋桜寺学園に通う生徒だ」
ジョーは更に詳しく、付け足した。
「……うそ……でも…どうしてそんな事が分かるの?今日会ったのが初めてだったんでしょう?」
狼狽の色が混じった声音で、フランソワーズが質問を投げかける。
答えはあっさりと返ってきた。
「…制服だよ。彼女が着ていたのは、茶色のブレザーと白黒のスカートだった。あれは秋学指定の制服なんだ。間違いないよ。この辺りの学校であんな配色をしている制服は、秋学以外には思い浮かばない。………僕が高校受験をする頃に、中学に置いてあったスクールガイドの本で見たんだ。普通の制服は紺色が殆どだから、その中で茶色って言ったら結構目立つ方だろ?だから頭に残ってた。あまり関係ないと思うけど、制服も一応は学校に受験生を集める為の宣伝手段の1つだからね。
…それと、ネクタイ。同じスクールガイドで読んだんだけど、秋学は中等部と高等部でネクタイの色が区別されているらしいんだ。中等部は緑、高等部は……燕脂って決まっている。確かそうだった」
それを聞いたグレートが顎をさすりながら、記憶の糸を手繰り寄せる。
「あのお嬢さんのネクタイは…燕脂色だったな。じゃあやっぱり、高校生だったのか」
「…それも見た目から判断して、高等部の1年生。今度の変死者と…同じ学年だよ」
静かに続けられたジョーの言葉に、全員が押し黙った。
────例の変死者と同じ学校、同じ学年。
その事実に、誰もが愕然としたのは言うまでもない。
「……要するに…お前は、何が言いたいんだ?」
問い質したのは、今まで黙り込んだままでいたジェロニモだった。
何故かは知らないが、彼はあの少女がどうしても気にかかるらしい。
少女が出て行った後の「お前、あの子に気があんの?」というジェットのからかいにも納得出来る。
だが、今考えるべきなのはそんな事ではない。
「………僕の…あくまで、僕の想像だよ?これは」
言いながら、ジョーはどこまでも渋っている。彼自身もその事実を告げる事に逡巡を覚えているらしかった。
「だから、何アルね?」
張々湖がいかにも落ち着かない風情で突っ込んだ。他は黙っている。
…ジョーが何を言おうとしているのか、張々湖には想像を付ける事が出来ないのだ。
数秒の空白を挟んで、漸くジョーの口が開かれる。
だがその口から語られたのは、説明ではなく、一つの質問だった。
「……ねえみんな、これは偶然だと思う?」
急に問われて、誰もが怪訝そうに眉を顰めた。
「ジェロニモが助けた女子高生を、仲間である僕やジェットやピュンマが翌日に見つけて拾った。そしてその夕方に、彼女の同級生らしい生徒達が変死した。しかも凶器は不明って言われてる。
……偶然だと思う?こんな無関係と思えない出来事が、一度に起こるなんて」
続けられた内容に、誰も答えなかった。
それは肯定を意味した。
「…僕が言いたいのは─────」
赤味を帯びたジョーの双眸が、静かに細められる。
「────僕が言いたいのは、彼女がこの変死事件に、何か関わりがあるんじゃないか……って事なんだ」
沈黙が、人知れぬ戦士達の食卓の上に、重々しくのしかかった。
8th Section
10th Section
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
漫画で日記を描こう
マンガ1560伊勢むくのブログ 霊能力…
(2026-07-30 08:50:22)
最近買った 本・雑誌
19週目から?
(2026-07-29 15:50:33)
ミステリはお好き?
檻神館双極子殺人事件
(2026-07-27 17:24:56)
© Rakuten Group, Inc.
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: