★PG Disco/Biography



15歳になったポールはイングヴェイ・マルムスティーンを世に送り出したマイク・ヴァーニーのもとへデモ・テープを送る。それを気に入ったマイクはポールに色々とアドヴァイスをし、ポールとはしばらくいい関係が続いていく事になる。ハイ・スクールを卒業したポールはギター・インスティテュート・オブ・テクノロジー (通称G.I.T.) に通うため、単身LAへと渡る。1年そこでレッスンを受けただけで卒業。理由はギターが巧すぎてそこの講師になる為(笑)。

ギター講師をやりつつ自らのバンド結成も目論んでいたポールは、いい関係が続いていたマイク・ヴァーニーにバンド結成に相談すると、ジェフ・マーティン(Vo.)、ジョン・アルデレッティ(b)、ハリー・ショエッサー(dr)を紹介される。これが光よりも速いギタリストを擁するバンド、レーサーXの始まりである。
1986年3月レーサーX、ファースト・アルバム、ストリート・リーサ - Street Lethalをリリース。世界中のヘヴィ・メタル・マニアの間で世界一速いギタリストとポール・ギルバートの名は知れ渡った。同年11月にはG.I.T.の教え子(と言ってもポールより年上。)ブルース・ブレ(Gr)と後のジューダス・プリーストなどの活躍で知られるスコット・トラヴィス(dr)を加入させたセカンド・アルバム、セカンド・ヒート - Second Heatを完成させる。(何故か実際のリリースはこの1年後。)

よりグローバルな活動を求めたポールと地元でのLAでの活動を望んだ他メンバー間でズレが生じ、これが発端となりメンバーが相次いで脱退。結局バンドは解散の道を歩む事になる。契約の都合上2枚のオリジナル・アルバムの他にライヴ・アルバム、ライヴ・エクストリーム - Live Extremeがリリースされている。(後年Vol.2もリリースされた。)

そして88年新たなバンド結成の話が持ち上がるタラスやデイヴ・リーロス・バンドでの活動で知られる凄腕ベーシスト、ビリー・シーンが発起人となり、数々のセッション等で腕は確かなドラマー、パット・トーピー、一般的には無名だがソウルフルで実力派のヴォーカリスト、エリック・マーティン、そしてレーサーXでの活動で名を馳せたポール・ギルバートの4人が集まりミスター・ビッグが結成されるのである。

それぞれの凄腕を活かしたプレイもさることながら、ソング・オリエンテッドな歌モノ・ナンバーを重視したミスター・ビッグは日本の市場を切っ掛けに世界中でブレイクを果たす。このメンバーでは5枚のオリジナル・アルバム残すが、ベスト・アルバム、ビッグ・ビガー・ビッゲスト - Big Bigger Biggest - The Best Ofを最後にバンドは活動を一時停止する。

この間ポールはソロとしてキング・オブ・クラブス - King Of Clubsをリリース。ミスター・ビッグでのセカンド・アルバム、ラーン・イントゥ・イット収録の“60’sマインド”(Green-Tinted Sixties Mind)に代表されるポールの作曲能力の高さとパワーポップ趣味(余談だがポールはコレを書いているHMV本社ビル近辺でチープ・トリックのTシャツを着用しているところを目撃されている。)が如何なく発揮された本作はハードロック/ヘヴィ・メタル・ファンのみならずパワーポップ愛好家にこそ聴いて貰いたい一枚である。

バンド結成10周年を向かえた99年、活動再開の話があがるが、ポールはバンドに戻らず自らの道を進む事を選択した。そして同年2月セカンド・ソロ・アルバムとなるフライング・ドッグ - Flying Dogをリリース。またライヴ・アルバム、ライヴ1999-Behive Liveもリリースしている。

そして2000年、誰もが驚いたのがレーサーXの再結成!まさかのサード・アルバム、テクニカル・ディフィカリティーズ - Technical Difficultiesがリリースされる。しばらく早弾きから遠のいていたポールのバカテク炸裂の内容にファンは狂喜乱舞したという。

また同年サード・ソロ・アルバム、アリゲーター・ファーム - Alligator Farmをリリース。こちらはこれまでのソロ同様、ポップ路線。さらにポールは休む事無くレーサーXでの活動も並行し、レーサーXとしての復活第2弾、スーパーヒーローズ - Super Heroes - Adventure Of Racer X Menをリリース。2年弱の間に4枚ものアルバムを作りあげる。

2001年レーサーXとして13年振り(!)となるライヴをアメリカ、ハリウッドにあるライブハウス「The Whisky」にて敢行。この時の模様はライヴ・アルバム、ライヴ・アット・ザ・ウィスキー - Snow Ball Of Doom - Live At The Whiskyで聴く事が出来る。また同タイトルのDVDもリリースされている。

2001年暮れには実の叔父であり、ブルース・ギタリストのジミ・キッドとのコラボレイト作、ロウ・ブルース・パワー - Raw Blues Powerをリリース。タイトル通りのブルース・アルバムで才能の豊かさと創作意欲の強さを再確認させられる。

もともと日本びいきで知られるポールだが、キンキ・キッズが出演するバラエティ番組「ラブラブ愛してる」に出演するなどして日本のファンを喜ばせた(困らせた?)。同番組終了後した現在も同じくキンキ・キッズ出演の「堂本兄弟」でギターを持たずに(!)いち外国人タレントとして出演している。意外とギタリストとしてのポールをご存知ない方も多いのではないだろうか?
ポールには誰にも真似の出来ない素晴らしいギター・テクニックだけでなく、優れた作曲能力も携えておりそれがポールの個性を支えているのではないだろうか。実際彼のファースト・ソロ・アルバムであるキング・オブ・クラブス - King Of Clubsはとあるパワーポップ本で紹介されているほどなのだ。

ある時は早弾きギタリスト、ある時はビートルズとチープ・トリックを愛するパワーポッパー、またある時は泥臭いブルースマン…一見ナンパにも写るかも知れないが、そのどれもがポール・ギルバートであり、その多面性こそが多くの人々に愛される所以なのであろう。

King Of ClubsFlying DogBeehive LiveAlligator FarmBurning GilbertPaul The Young Dude - BestRaw Blues PowerAcoustic SamuraiSpace Ship OneGet Out Of My Yard咆哮!United StatesFUZZ UNIVERSEVIBRATOStone Pushing Uphill

~PG Profile~

1966
11月6日イリノイ州カーボンデイルに生まれる。

1969
ペンシルベニア州ピッツバーグに移り住む。

1971
ギターを弾き始める。

1981
シュラプネル・レコーズのマイクヴァーニーにデモテープを送る。

1984
ロサンジェルスに移り、GITに入学。

1984
レーサーXを結成。

1987
「Second Heat」をリリース。

1988
「Live! Extreme Volume」をリリース。

1989
レーサーX脱退後、Billy Sheehan,Eric Martin,Pat Torpeyと共にMR.BIGを結成。
アルバム「MR.BIG 」をリリースして、10月に初来日公演を行う。

1990
「Live! Raw Like Sushi」をリリース。

1991
「Lean into it」、「A Tribute to Jimi Hendrix 」をリリース 。

1992
「Live! Raw Like Sushi2」、「San Francisco Live」、「Live Extreme Volume2」をリリース。
アメリカ、ビルボード誌で「To Be With You」が3週連続1位になる。

1993
「Bump Ahead」をリリース。

1994
「Live! Raw Like Sushi3」をリリース。

1996
「HEY MAN」、「The best of MR.BIG」をリリース 。

1997
「Hard Rock Cafe」、「 Live At 武道館」、「King of Club」をリリース。
Mr.Bigの活動停止。

1998
ソロ初来日公演を行う。ソロセカンドアルバム「Flying Dog」をリリース 。

1999
「Beehive Live」リリース。ソロ2度目の来日。

2000
「Deep Cuts: Best Of Ballads」リリース。
Mr.Big活動再開にも参加することなくそのまま脱退する(後任はリッチー・コッツェン)。

2001
「Alligator Farm」リリース。「Raw Blues Power」Jimm Kiddコラボ。

2002
「Buming Organ」リリース。

2003
「Paul The Young Dude」リリース。「Paul The Young Dude Japan Tour 2003」来日。
六本木HRCライブアルバム「アコースティック侍」リリース。
MIの姉妹校、MI JAPANの校長に就任する。

2004
ポール・ギルバート、ヌーノ・ベッテンコート、スティーヴ・ハケット、ジョン・ポール・ジョーンズの4人が熱い火花を散らすジャム・セッション・バトル「Guitar Wars Special Edition 」(CD + DVD)発売。

2005
4月アルバム「Space Ship One」発売&4度目の来日公演。

2006
7月初のインストアルバム「Get Out Of My Yard」発売。

2007
1月教則DVD「Terrifying Guitar Trip 」発売、2006年8月にHard Rock Cafeにて行われたシークレット・ライヴの模様も完全収録した「Get Out Of My Yard: Instruction」発売。来日公演で事前リクエストによるステージを演目。3月ジョー・サトリアーニのG3アメリカツアーのメインアクトに選ばれる。

2008
1月23日、約2ヶ月という短期間で一気に完成させた特急アルバム「咆哮!Silence Followed By A Deafening Roar 」発売。6月には大咆哮!!「咆哮!!」奏法解説DVDなる教則DVD発売10月23日、ポール・ギルバートの出身地、ペンシルヴァニアの同じ町で育ったヴォーカリスト、フレディー・ネルソンとの運命的な出会いが生んだ、まったく新らしいポール・ギルバート・サウンド完成!共作「United States」発売。

2009
フレディー・ネルソンとのユニットの来日4公演すべてを個別にオフィシャル・ブートレッグとして発売。オーヴァー・ダブ、トラック差し替え等のポスト・プロダクション一切無しの真剣勝負。そっくりそのまま作品化。THE WHOの「LIVE AT LEEDS」風ホルダー・タイプのペーパー・スリーヴ仕様。ポールがドラムを演奏したものと、マイク・ズーターVOのCHEAP TRICKカバーはカット?
Official Bootleg 1 Tokyo (2009年) …2/1初日東京公演の模様を全曲収録したライヴアルバム発売。
Official Bootleg 2 Tokyo (2009年) …2/2第2夜目の東京公演の模様を全曲収録したライヴアルバム発売。
Official Bootleg 3 Nagoya (2009年) …2/3名古屋公演の模様を全曲収録したライヴアルバム発売。
Official Bootleg 4 Osaka (2009年) …2/4最終日大阪公演の模様を収録したライヴアルバム発売。
Mr.Big再結成に参加。再結成ベスト「Back To Budokan」CD&DVD発売。
「NEXT TIME AROUND: BEST OF MR.BIG」をリリース。

2010
6月30日「Get Out Of My Yard」、「咆哮!Silence Followed By A Deafening Roar 」に続くギター・インスト・アルバム第3弾!「Fuzz Universe」リリース!7月23日「Fuzz Universe教則DVD」発売。
12月オリジナル・メンバーで、スタジオ録音のオリジナル・アルバムとしては「Hey Man」以来の実に14年ぶりとなる新作、完全新曲レコーディング「What If... 」をリリース。

2011
「What If... 」ジャパンツアー全国11都市を回る。

2012
2月2011年1月28日に東京の東宝スタジオ第7ステージにて行われたアコースティック・スペシャル・ライブの模様を収録したライブ作品、「Live From The Living Room」を発売。
3月DVDにはツアーのドキュメンタリーや2011年1月に東宝撮影所で行われた「Live From The Living Room」公演を収録、震災直後の来日となった波乱の2011年ジャパン・ツアーの舞台裏を記録したドキュメンタリーDVDも追加収録されたボックスセット、「Raw Like Sushi 100」を5000セット完全生産限定発売。9月6月録音のスタジオ・レコーディング8曲に、2010年「ファズ・ユニバース」ヨーロッパ・ツアー時にレコーディングされたライヴ3曲を合体させた作品「VIBRATO」をリリース。

2014
6月「Stone Pushing Uphill: 幸福なるシジフォス・ストーン プッシング アップヒルマン」発売。10曲中9曲がギター・インスト曲、そして内8曲はロック・ファンなら一度は聴いたことのあるメロディばかり!ビートルズ、エアロスミス、ポリスからK.D.ラングまで、ギター表現者としての可能性を押し広げるチャレンジングなアルバム。

2015
「I Can Destroy」発売。ロック・プロデューサー界の王様、ケヴィン・シャーリーをプロデュースに迎え、ギター・パートナーに親友、トニー・スピナーを指名し、ヴォーカリストには再びフレディー・ネルソンを招集!ギター・アルバムとしてもヴォーカル・アルバムとしてもポール・ギルバート名義の全作品の頂点に立つ最高傑作!との前評判だったけど、ちょっとポップ過ぎるかな?

2016
「PG-30~Best Of Paul Gilbert」発売。ポール・ギルバートの30周年記念ベスト・アルバム。

2017
「PG-30 Zepp Tokyo 2016.9.26」発売。 2016年9月、Zepp Tokyoで行われた記念ライヴの完全音源パッケージ。ポール・ギルバートの全キャリアを総括した35分にも及ぶギター・シンフォニー「マッシヴ・メドレー」の初演を含む記念ライヴ。楽曲は直近のスタジオ作『ブッこわせるぜ!』からの楽曲を中心に最近のポール作品からのベスト・セレクション。

2019
「Behold Electric Guitar」発売。全曲オーヴァーダブ無しの一発録りという緊張感が生々しいのは、ポール自身がヴォーカル用に書き上げたメロディ・ラインを、ギターで表現しているんだそうだ。

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