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~~~オープニング曲~~~~~~マックスハートー♪ブヒブヒ!ウマウマ♪ ブヒブヒ!ウマウマ♪ ブヒブヒ、ウマウマ♪ 二人はブヒウマ♪一難さってまた一難、ぶっちゃけありえない♪ショルパ着てても、二人は~メチャクチャタフだしぃ♪お互い二日酔いを~乗り越えるたび 強く(酒が)近く(トイレが)なるね~♪your ぺっ! my ぺっ!死んでるんだから♪ ラグパラなんてメじゃない!パラ打つ門にファミ来(きた)るでしょ!ネガティブだって ブッ飛ぶぅ~♪「お急ぎの方へ」の花買って 指つらせ思いっきり~ もっとパラレル!マックスハートー♪ブヒウマ!ブヒウマ♪ ブヒウマ!ブヒウマ♪ ブヒブヒ、ウマウマ♪ 二人はブヒウマ♪~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ジュオ~~~~~~、ブルンブルン。「あ~お酒飲み過ぎると、トイレが近くなって仕方ないね。うん」「って誰に言ってんだ。案外寂しがりやな酒チンなのよね。お、ある意味君もチンが付いてるね相棒」深夜一人、酒屋の壁に放尿をするsakezukiがふと空を見上げる。其処には無数の流れ星が流れていた。「お~、スゲェー数の流れ星だ。そだいい事あるようにお祈りしよう」「おお~こっちに一つ近づいてくる。うんあれにしよう・・・でもちょっと近いなぁ・・・」「ってむっちゃ近いよママン~~~~~~」ヒューーーーー!ドッカーーーーーーン!直径50センチもある流れ星がsakezukiを直撃する。「いたたたった~~~!うん、これ普通に痛いよって、ナンジャーこいつ!!」sakezukiが見たそこには一匹のファミリアがいた。「僕はファミリアの正宗だマサー!」「うわぁこいつしゃべってるよ」「君は光の戦士に選ばれた、正宗の世話もするマサー」「むむ、あっちの方に反応が、あっちにいくマサー」「むむ、酒の飲み過ぎだなこりゃ・・・幻覚、幻聴・・・ぶっちゃけありえない」正宗は東の方へと走っていく、仕方なしの千鳥足で追いかけるsakezuki。所々でもどしながら追いかけた。そこへ、反対方向からタケウマが向かってくる。すると、タケウマの前方を走っていたファミリアが正宗に飛びつく。「村正~だぁマサ」「正宗~~~~だぁムラ」「タケチン!どうしてここへ?」「酒チン!村正につれてこられてってどうして酒チンが?」ガン!「はっはっはー、そいつらを渡してもらおうか」「誰だお前は!」とsakezuki。「あいつはヘビメタだマサー!」「そうだムラー!僕達の光のアジトを襲った奴だムラー!」「さぁ、光の戦士ブヒウマとなって戦うのだムラー!」「え?何?そのブヒウマって?」ガン!ヘビメタの攻撃が二人を襲う。「さぁわがしもべ、いでよ~サバオチー!」すると、地面から今まで見たことのない魔獣が現れた。「ぐずぐずしてる暇はないマサー!早くこの異次元ボックスに課金バッチを装着するだマサー」「そうだムラー!速くしないと、この世界から消されてしまうムラー」sakezukiとタケウマは戸惑いながらもお互いを見つめ、コクリと頷く。そして、正宗と村正が変身した異次元ボックスに課金バッチを取り付けた。すると、眩いばかりの光が二人を包む。「いくよさけちん!」「いくよウマイちん」「「デュエは剣士の基本・ウェイブマネー!」」 sakezuki「光の使者(ひかりのししゃ)・甘党ブラック」 タケウマ「光の使者・ウマホワイト」 ブラック&ホワイト 「ふたりはブヒウマ!」 ホワイト 「ダメオンの力の僕(やみのちからのしもべ)たちよ!」 ブラック 「とっととおウチにかえりなさい!」 「って何言っちゃってんの?」 ホワイト「ぶっちゃけありえない」ヘビメタ「ぬぬ!行けー、サバオチ!社員の怖さを教えてやるのだぁ!」 ブラック 「行数が無い!一気にいくよ!」 ホワイト 「いいよ、酒チン!」 ブラック 「ブラックパンティー!」 ホワイト 「ホワイトパンティー!」 ホワイト 「課金の呪縛にとらわれし者よ」 ブラック 「今、その鎖をたちきらん!」 ブラック&ホワイト 「ブヒウマ・アン・インストール!!」 サバオチー「グワァーーーーーーーーーー」二人の放つ光にサバオチは砕け散った。へびめた「くぅー、パスは覚えておけ!IDは消えないからなぁーー!」 「ガ・ガラテア様に栄光あれ~!」へびめたは捨て台詞を言って消えていった。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~タケウマ「いやぁー面白かったでしょ、酒さん。アウグで大人気なんですよ」sakezuki「・・・・う・・・うん」おしまい。
2006年12月31日
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-何故だろう。人は常にあの優しげな月の光に懐かしさを覚える。-まるで、遠い昔に離れてしまったもう一人の私...-昼に輝く太陽とは違う優しき光。-全身を包む柔らかな光の感触。-耳には届かない、全身で感じる優しき歌。-草や海、全ての命が奏でる不思議な響き。-何故だろう、満ちる時には自然と微笑みが。-何故だろう、下弦の時には切なく-何故だろう、朔の時には不安が襲う。-ふと、頬を涙が伝う。-誰?-欠けてしまったもう一人の私。-いびつな私の心の形が私を不安にさせる。-あなたなの?-何処かで別れてしまった、私の欠片。-何時まで待てば、あなたに出会えるのだろう。-いびつな心が私に突き刺さる。-私は誰?-私は私、この掌に感じる感覚。-私を包む入れ物。-私が私を作り上げる。-ああ、私の中の闇が膨らむ。-それは虚しい闇。-それは孤独な闇。-周りの全てが悲しい闇に溢れてる。-身体の中心が痛い。-激しい痛みが胸を襲う。-これが現実?-現実に起こる全ての出来事が心を鷲づかみにする。-優しき光は虚無?-笑顔、微笑み、全ての優しさを自ら作り出す。-偽りの微笑みで真実の痛みを癒す。-ああ、私の中の光が溶け出していく-私の形を作る心の光が溶けて出していく-真実と虚像。-痛みと微笑み。-闇と光。-全てが混ざり合って-私が無くなっていく-それは優しき光。-それは私じゃ無い物。-外から吹く風。-ああ、それは確かな真実。-私が作り出せないもの。-あたたかい。-月から吹く風が私の奥底の暗闇に優しさを運んでくれる。-月の光が私の暗闇に暖かさを運んでくれる。-私はまた少し優しくなれる気がする。・・・アルテ・・・アルテミス・・・・・・聞こえますか?・・・彼方は今自分の心の中を彷徨っています・・・心の底、その更に奥深くにその扉があります・・・さぁ勇気をもって進みなさい・・・無くしていた記憶を呼び覚ますのです。石の神殿、その天井より降り注ぐ光に両手を広げアルテミスは光と同化した。身体が溶けるように朱色に輝き、意識は光と共にアルテミスの身体から抜け出していた。真っ赤な世界が視界に広がる。その先は少し黒味を帯び、更に奥に僅かな白き光が見える。赤い血液の海に漂うように、アルテミスはただその流れに身を任せる。何かが心の奥で響き渡る。優しい歌のよう。そして悲痛な叫びのようでもある。あの黒い世界の先に光が見える。きっとそこに・・・きっとそこにあるはず。_何が?_何があるのだろう?自分で理解しているはずなのに、わからない。霧の中を彷徨うように思考が巡る。でもそこにある。私の中の答えがきっとある。_私はあの黒い世界を越えなければいけない。_その先に私の中の真実が必ずある。アルテミスは強い心で僅かな光を目指していた。【漆黒の世界と赤石物語】(Blackworld and Redstonestory) ~古都の南風 傭兵の詩~『第35章 心の声』ザードフィルの塔、その一階の広間そこにガラテアとセシルス、風天がいた。「あの、妖しい青い人形から反応が出てます」風天が中央の椅子に向かい指を刺す。「うぅ、なんで判ったんだぁ。おいらがラクセスって名前だってことを~」青い人形が椅子から飛び降り、手足をばたつかせる。それはまるで操り人形のように片方の手と足を同時に上下に動かして、慌てたように動かしている。「どうしよ、どうしよう」ラクセスは両方の手をばたつかせ、まるで飛べない鳥がもがくかのように同じ場所をくるくると走りまわる。「むー、こうなったら仕方無い」「どうぞ先へお進み下さい」ラクセスは途端に走るのを止め、三人に向かって頭を下げた。「ガラ、どうする?」とセシルス。尋ねられたガラテアも困惑の表情を隠さない。「お前、簡単に通してザードフィルに許されるのか?」とガラテア。「ああ~~~~、そうだった。ザードフィル怖い。あの冷たい眼、とても怖い」「でも、今日はきっと定休日だ。うん私は休みで寝ていた。誰が通ったか覚えていない」それだけ言うとラクセスはまた椅子に登り、背中を向けた。「どうやら、ただの臆病者らしいな。行くぞガラ」セシルスがガラテアの肩にポンと手をかけ、先へと足を進める。丁度、ラクセスの椅子の横を通り過ぎた時、セシルスの足取りがピタリと止まった。「どうしたセシルス?」とガラテア。「来るなガラ!」セシルスは振り返りもせずに言葉を発する。「ヒヒヒ、おいらは大した攻撃は出来ないけど。これなら簡単にこの女を倒せる」「ほら、こんなことだって出来ちゃう」セシルスは背中を向けたまま、可笑しな口調となりガラテア達を挑発する。そして手は自らの首へと動き、首を絞め始めた。「どうなってんだ、セシ冗談はやめろ」とガラテア。「ガ・ラ・・・こいつ憑依が出来る。罠だ・・・」「フフ、今ごろ気が付いてももう遅い。それ以上動いたらセシルスの命は無いと思うぞ」セシルスがラクセスの口調で答える。「迂闊だった」悔しさをにじませ、ガラテアがこぼす。「う~ん、きっと大丈夫ですよ。だって反応は2つありました。もう一人はきっと味方です」と風天が涼しい顔で答える。その時であった。ドーン!バタン!セシルスの身体が後方に飛ばされ、仰向けに倒れる。その前には覆面に全身を黒い鎧で身を包んだ戦士の姿が。その身体は小柄ではあったが、細い金属のような筋肉と柔軟な筋肉を併せ持った肉体が確認できた。男は何も言わず、そのまま懐から銀色に光る使い古しのライターを取り出すとタバコを一本口にした。「苦戦しているようだな」黒い戦士がガラテアに向かって言った。「お、お前が何故?」とガラテア。「今回の任務、依頼主、共に不信な所があってな、マスターから暗部に要請があった」「しかし、死の商人ザードフィルが絡んでいるとはな。厄介だぞ」「マスターが・・・すまない」「お、お前はまさか!」セシルスが我に返り、覆面に言う。しかし、覆面はタバコを持った手の人差し指を伸ばし口に当て片目を閉じる。「俺達は名を捨てた暗部の人間だ。それ以上は口に出すな」「しかし、昔約束したろ。ピンチの時には現れるんだよ俺は。このライターに誓ってな」「礼はお前達の任務が無事済んだら。美味いカレーでも作ってくれ」三人は静かな笑いの表情を浮かべた。「さぁお前達は先を急げ、此処は俺が引き受けた」「子供達は地下だ。まずはそちらへ」「すまない。行くぞセシ!風!」ガラテアと風天、そして立ち上がったセシルスは地下へと続く階段を走り去る。ふと、セシルスだけが階段の前で振り返る。「必ず美味しいカレーを作るから、必ず生きて帰ってね」「ああ、俺は必ず生きてお前を待っているさ」「で、ところで、実はまた調子に乗って飛び蹴したら身体が痺れたんじゃ?」セシルスが肩眉を上げて問う。「ギク!いやぁ、タ・タバコを吸いたいだけで・・・さっさと行ってくれ。せっかくカッコ良かったのに」「ケリーに蹴りは似合わんよ。フフ」「ああーーー、お前ばらすなよ!だから臭いとか言われるんじゃー」含み笑いをしながら、セシルスは階段を走り広間を後にした。・・・僕ちんどうしよう・・・・・・こっそり逃げちゃいたいけど・・・・・・なんか怖そうな人がいるし・・・・・・このままおいら出番ないのかな・・・・・・それもちょっとカナシス・・・<あとがき>メリークリスマス!少ない量ですが更新します。まぁなんとか35章を書きました。今回はちょっとスランプな時期がありまして、キーボードが進みませんでした。結果、いきなり訳わからん意味不明な始まりになりました。う~ん、どうなんだろう?好き嫌いがはっきりする書き出しと思う。意味不明な詩?これに理解又は共感を覚えた人はヤバイです。きっと遠い昔に別れてしまった欠片です。今すぐ全てを捨てて私の所へ来て下さいww(いねぇか><)まぁトリーシャ編はゆっくりと進んでいきます。今回はプロジェクトHには関係ないけど、まぁガラさんの小説との含みを持たせてマスターとかって出しました。暗部は勝手に作りました。ケリーさんも了解なしです(許してね><)色んなキャラが登場しますし、2部の最後の戦いですからじっくり行きましょうb
2006年12月25日
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赤い光線と青い光線が混ざり合い、幻想的な光景がアルテミスの視界に広がる部屋の中央では、魔獣ガラテアが赤い光を帯びた魔獣と青い光を帯びた魔獣に囲まれている。「さぁ、赤き旅人よ、我らの求めに応じて下さい。そして、我らの過ちを正し、人々を救って下さい」天井からの声がアルテミスに話し掛ける。「私、意味が解らないのです。赤き旅人とか言われても。どうしたらいいのか」「目の前の屈強な魔獣、それは魂を奪われた悲しき戦士のなれの果て、ただひたすら氷の女性を守るのみ」「最後の想いにのみ突き動かされています。そして、悲しき氷の女性。彼女を救い出す以外に戦士の魂は戻りません」「私に何が出来るの?」「赤き旅人よ、彼方はまず真実を知る必要があります。悲しき運命の日を」「そして、彼方の力で運命の歯車を変えてください」「我ら赤き旅人が守人の過ちを・・・」「彼方は誰?真実って何?解らないことばかり・・・私に何を求めるの?」「赤き旅人、アルテミスよ。掌を上へ、私の力で時の壁を超えてもらいます」「そして、見て、感じるのです。真実を。きっと正しき道が見えるはず」「彼方のなすべきことが」「で、でもあの子達がまだ戦っている。あの子達を置いては行けない」「優しき戦士アルテミスよ、安心するがいい。それは長き旅かもしれない、しかしほんの一瞬の出来事でもあるのです」「彼らは強き正しき心を持った魔獣。この部屋の力が開放された今、あの子達は簡単には負けはしない」「安心して自らがなすべき事を確認してくるのです。さぁ掌を上にかざしなさい」キュウ。キュウキュウ。必死に戦う正宗と村正がアルテミスの方を見て泣き声をあげる。まるでここは任せろと、アルテを押し出すように。「ありがとう、本当に君達には助けられてばっかだね」「私、勇気を出していってくるよ。きっとまた会えるよね」「だって君達は私を守る一対の宝剣だもんね」アルテミスがゆっくりと両方の腕を天井に向かい伸ばす。掌を開いた時、天井が眩いばかりに輝き始めた。「さぁ始めましょう、真実への旅を」【漆黒の世界と赤石物語】(Blackworld and Redstonestory) ~古都の南風 傭兵の詩~『第34章 真意』暗い廊下、ザードフィルの塔の中に二人の女性の口論が響く。「そんたらこといっでも、らじね」そんなこと言っても、らちがあかない「でも、聞いてルジェ、私達だけではどうにもならない」声の主、つまり雪音とルジェの会話が少しずつ大きくなる。「わ、えふりこぎじゃねが!だすけぇ、このままほんじなしじゃ、いんずい」とルジェ。私、見栄っ張りじゃない!けど、このまま意気地なしじゃ、心地悪い「簡単に言わないでよ!奴等だって簡単に信じる訳ないでしょ」と雪音。「だすけぇ、つらつけね思われでも、やづらにかだる」とルジェ。だけど、ずうずしいと思われても、かれらに加わる「私だって、トリーシャを助けたい思いは同じよ、けど簡単には行かないし、トリーシャ自身が・・・」「呪われた血の呪縛は、ザードフィル様しか解けないし・・・」「彼らが上手くザードフィルを倒したところで、トリーシャが元に戻るかどうかなんて・・・」雪音がなんとかルジェを説得しようとするが、上手く言葉が見つからない。「そったら、ぐやめぐのはやめれ!」そんなぐちるのはやめてルジェが雪音を一喝する。「どうしたの?ルジェがなんか怒ってるみたいだけど、私と何か関係があるの?」二人の背後にトリーシャが立っていた。二人はバツが悪そうになんでもないと同時に首を振る。「ルジェさん?あなた興奮すると故郷の言葉がでるのよ、私に隠し事なんて冷たいね」「お姉さま、誤解です。ただ少し、デ、デザートのことで揉めてただけですの」とルジェ。「そ、そうよ。な、何でもないの」と雪音。二人の苦しい言い訳が続いたが、トリーシャは気にも止めず振り向き戻っていく。「ザードフィル様がお呼びです。二人が招いた客については不問だそうよ」暗い廊下をコツコツと音を鳴らし、奥へと消えていく。残された二人も顔を見合わせトリーシャを追いかけて暗闇に溶けていった。塔に幽閉された花火達、マシン・インターによって開かれた扉の向こうから足音が近づいてくる。花火、フクチ、楸の三人は反対方向へと足早に進む。廊下の角を何回か曲った後。近くの扉の中へと逃げ込んだ。「ようこそ諸君。そして久しぶりだな花火」部屋の奥、暗闇の中から聞きなれた声。ザードフィルの声は届く。身構える楸とフクチを右手で制止して花火が一歩前に出る。「あまり品が良い住まいじゃないな。ザードフィル」と花火。「そうか、案外気に入ってもらえると思ったのだがな」「今日は客が多くてな、大したもてなしも出来ないがゆっくりしていくといい。楽しい宴が始まる」ザードフィルが静かな口調で答える。「お前が手に入れようとしている力は我々人間の手に余る物だ」「力では人を幸福に出来ないと何故理解出来ない!」花火が問う。「お前が持つ力、臆病なお前には過ぎたる物。俺なら力を有効に使える」「俺は既に変わりの適正者を見つけた。そして、レッドストーンもな」「お前の中で眠る、レッドストーンよりも大きな赤い石をな」ザードフィルが得意げに答える。「どうやって、力を手に入れるんだ?お前は適正者ではないのだろ?」楸が口を挟む。「ほほ~楸と言ったな。中々いい眼をしている。お前の中の漆黒の炎が渦巻いて見える」「お前のその強すぎる正義感は、己の弱さの裏返しだろう?どうした?動揺が瞳に現れているぞ」思いもよらない言葉に、楸は怒りをあらわにし、ザードフィルに向かっていこうとしたがフクチがしっかりと両方の肩に手をかけて抑える。「ここは奴の城、安易に行動を起こすのはまずい」とフクチがたしなめる。「フフ、いい瞳だ憎悪が満ち溢れている」「花火、感じるか?これが人なんだ。強い正義感が激しい憎悪を呼ぶ」「今、この大地は悪意に満ちたオーラで溢れている。こんなに悪意に満ちているにもかかわらず」「人々は正義の戦いと言い。お互いを傷つけあう」「それが、この母なる大地にどんな影響を及ぼすかも知らないで」「大地は浄化の炎を求めている。天上界より失われた赤き炎、地下界より湧き出る黒き炎」「全てのバランスが狂い出し、やがてはこの母なる大地が黒き炎に包まれる」悲しき表情でザードフィルが語る。一同は始めてみるザードフィルの人間らしさに驚きを隠せなかった。ただ一人、花火を除いては。「しかし、お前のやり方に賛同できない。人は可能性をもった生き物だ。醜い反面、お互いを慈しみあう」「人が愛を忘れない限り、俺は人という種を信じる」と花火が反論する。「お前はお前のやり方でいい。俺は不安なんだよ、絶対に壊れないと言われ氷の橋を渡るようなもんだ」「俺はその橋を全力で壊すのさ、本当に壊れないなら人はその橋を渡るがいい」「俺はこの大地の守人が最後の末裔。この世界を守るのがさだめだ」「さぁソロソロ俺は失礼しよう。他の客も待たしているのでね」「ああ、忘れていたよ。フクチ大佐と楸君に私からプレゼントを渡そう」ザードフィルが二人に目線を合わす。二人は身構えるが、何時の間にか黄色の光で自由を奪われていた。ゆっくりと、コートの中から黒く光る球体を取り出すザードフィル。その球体は金属のような鈍い光を放ち、中に液体でも詰まっているように光がうねっている。「これは、錬金術者として私が極めた結晶だ。ブラックストーンと名づけている」「漆黒のこの世界にぴったりの名だ」「右手の球体。これは、埋め込まれた者のオーラを永遠に食らう石だ」「こいつはウイザードの力に反応する」掌より少し小さい球体は妖しく光り、フクチの目の前に持ち上げられる。嫌な汗がフクチの額に流れる。記憶の何処にもない恐怖心がフクチを襲う。これほどの恐怖は数々の戦争を潜りぬけた猛者もこの小さな球体に不思議な恐怖感を覚える。そして、ゆっくりと球体が額の中にめり込んでくる。完全に球体が額に飲み込まれ時、フクチの身体に急激な脱力感が訪れた。「感じるか?自分が無力になった感覚を。安心しろプレイヤーとしての力を失っただけだ」「普通の人間と同じ、魔獣に怯える生活を送るだけだ」怒りに満ちたフクチは杖に力を込める。しかし、杖ばかりでなく自分の指先にすらいつもの感覚が伝わらない。絶望感がフクチを襲う。ザードフィルは何事も無かったように、今度は左手を楸の眼前に持ち上げる。「安心しろ、これはお前の力を食らいはしない」ここで、にやりとザードフィルが笑う。楸の瞳は力強くザードフィルを睨み返す。「いい瞳だ。その憎しみに反応し魔獣の力をお前に与えるだろう。但し、お前の自我と引き換えにな」「お前も聞いたことがあるだろう、悲しき湖の洞窟に棲む魔獣の話を」「あれが俺の研究の始まりだ。プレイヤーと魔獣の共通点からレッドストーンに眠る神獣の力と融合を試みた」「次にお前も知っている、メタルビートルだ。奴の病から救う手立てはレッドストーンとの融合しかなかった」「そして、有機物と無機物の融合の媒介に槍を選んだ。その時点では意思のある有機物レッドストーンとの直接融合はできなかった」「そして、ついに俺は見つけた。赤い悪魔達、地下界の住人達と同じ血、呪われた古代エリプシャンの血を」「赤い悪魔がなし得た、レッドストーンの力との融合、それは皮肉にも悪魔達を一番憎む種族」「悪魔達に根絶やしにされたとされるエリプシャンの血統にあったのだ」「もう判るだろ、トリーシャの呪われた血。それがレッドストーンとの融合の鍵だよ」フクチと同じように、ザードフィルの手から楸の額へと黒い球体が移動する。「しかし、残念ながらこれは完全な物ではない。本来の力を使用すると自らの自我を侵食し始める」「くれぐれも気をつける事だな、プレイヤーの力を解放するたびに恍惚と憎しみの感情が石に侵食される」ゆっくりとそして確実に球体は楸と同化し始め、遂には全てが楸の中へと消えていった。「そして、最後にもう一つ。これは呪いの効果も付けてある。お前が俺を殺した時、それが合図となり」「お前の中の力が暴走し、俺の力とお前の力を全て吸収した魔獣が召喚されお前を乗っ取るだろう」「憎いか?くくっく。はははっは。憎い俺を殺した時、お前は俺の思い通りに世界を焼き尽くす魔獣となる」「せいぜい、俺のために世界を蹂躙してくれ」真実を知らされた楸は言葉を失った。憎き敵を倒す事で自分が敵の望みを叶える魔獣となる。どうにもならない事態。理解できない出来事が起こりただ立ち尽くすのみであった。「では、宴の準備がある。余興はここまでだ。花火、是非俺を倒しに来い」「ただの人となった男と自分の力の解放を恐れる男と共にな」再び部屋には暗闇だけが残った。ザードフィルは音も無く姿を消していた。途方にくれる三人の男を残して。<あとがき>ついに過去と現在の繋がりが見えてきたかな?ザードさんの考えも少し、本当の真意なのかどうかは知りませんがwそして、フクチ、楸が呪いにかかってしまった!ルジェさんの言葉はどうなん?適当に書いているので間違っているかな?まぁ雰囲気が伝われば・・・あ、今回は戦い全然なかった、ごめん面白くなかったねぇ~
2006年12月15日
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石畳から伸びる柱、人が隠れるに充分な幅の頑丈な柱が天井を支える。柱の影に膝を付き、中央の戦いを伺うアルテミス。戦況は一進一退の攻防が続いていた。激しく打つ胸の鼓動を抑え、アルテミスが柱の文様に手を当てると柱から光が文様に沿って溢れアルテミスの脳裏に言葉が刻まれる。---我、赤き旅人の守護者なり。---ここに赤き宝剣の力、封印せし---真の赤き旅人が触れし時、その力開放せん---その力、そよ風の如き---その力浴びて、赤き宝剣、輝き増さん柱から、優しい風が吹きアルテミスの髪を揺らす。柱の文様は光を失い言葉もそれ以上は続かなかった。_アルテ、次だなこの柱の封印は解けたみたいだ。_うん。柱の影からガラテアと正宗、村正の戦いを覗き込む。最初に一撃で飛ばされたことを思うとかなり善戦している。素早い動きで左右から交互に攻撃を繰り返し、ガラテアを翻弄していた。「ゴメンね、もう少しお願い」小さな声で二匹にお礼を言う。もちろん聞こえる訳でもないが、アルテミスは感謝の気持ちを表したかった。その隙に次の柱へと移動する。同じように柱に手を当て、文様の声を聞く。---我、赤き旅人の守護者なり。---ここに赤き宝剣の力、封印せし---真の赤き旅人が触れし時、その力開放せん---その力、優しき光の如き---その力浴びて、傷つきし宝剣、再び輝かんさらに、次々と柱の文様を開放するアルテミス。---我、赤き旅人の守護者なり。---ここに赤き宝剣の力、封印せし---真の赤き旅人が触れし時、その力開放せん---その力、強き鋼の如き---その力浴びて、宝剣、金剛石とならん---我、赤き旅人の守護者なり。---ここに赤き宝剣の力、封印せし---真の赤き旅人が触れし時、その力開放せん---その力、雷の如き---その力浴びて、宝剣、全てを貫かん何度目か柱のを開放した時、遂に赤き宝剣の謎がアルテミスには理解できた。_メタビー、私わかったの。_何が?_赤き宝剣が何処にあるかよ_マジか!_うん_私は知ってたのよ赤き宝剣の場所。それはず~と近い場所で私を守ってくれてたの。_多分、間違いない。この空気感。これは私が初めてこの世界に触れた時にも感じた。_きっと次の柱で証明出来る。そんな気がする。アルテミスは急いで次の柱に向かい、抱きしめるように柱に触れた。ガラテアは正宗と村正の猛攻でアルテミスの存在にすら意識が向かわない。---我、赤き旅人の守護者なり。---ここに赤き宝剣の力、封印せし---真の赤き旅人が触れし時、その力開放せん---今こそ、我が全ての願いを託し、宝剣の真の姿を現さん---願わくば、この宝剣をてにし旅人、時を超え---我ら古代の血族が犯した過ちを償うこと、せつに願わんカッ!部屋の中央が眩い光に包まれる。それぞれの柱が呼応したように文様から光を発し、それぞれが一本の光の束となり、部屋の中央へと差し込む。その光は白色からやがて清らかな朱色へと変化していく。その光は二匹のファミリアへと注がれていた。_まさか!正宗と村正が宝剣なのか?_たぶんそう。赤き二対の宝剣。それは私が初めて出合った魔獣達。_そして、いつも守ってくれている子達なの。_二人の事なのか、種族そのものが赤き旅人を守る存在なのかは解らないけど。_ふむ、ならば部屋の主は魔獣使い、ビーストテイマーか?_時を超えとか言っていたが?光を注がれた正宗と村正の身体に変化が現れる。その身体は真に赤き宝剣の様であった。赤き身の二匹は速度を増し、ガラテアを容赦なく攻撃する。一瞬怯んだガラテアは防戦一方となる。しかし、それでも赤き獣と化したガラテアは強く一向に倒せる気配がない。_加勢するぞアルテ!_まって、まだ何か来る。天井から光が何本も伸びてくる。確かに、青い光が何本も天井から降りてくる。その天井には優しげな女性の顔が浮かび上がる。その女性が青い光に声を掛ける。「さぁ、可愛い私の子供達よ少し力をかしておくれ」「ポチ、マークイン、サンペーター、ホークス、スーズー、さぁ長き眠りより覚めなさい」青い光の中から、ファミリアより少し小さく紫がかった魔獣と、蟹の姿をした魔獣、人の姿に短剣をもった魔獣、二足歩行する大剣をもった鳥の姿をした魔獣、鎧を纏った骸骨の姿の魔獣が現れ、ガラテアを囲む。「さぁ、これで暫くの間は大丈夫です。私の話を聞いてくださいますか。遠い未来の赤き旅人よ」柱からの赤い光、天井からの青い光が幻想的に部屋を包み込む。氷の中の女性の表情が少し穏やかになったようであった。【漆黒の世界と赤石物語】(Blackworld and Redstonestory) ~古都の南風 傭兵の詩~『第33章 守護者』ザードフィルの居城、その牢に数人の子供達が閉じ込められている。「どうやら、この扉は呪文によって封印してあるみたいね」とメイヴィ「ああ、俺の技術では鍵は外せなかった」とノラロー「でもいいこと、ノラロー。今後、鍵は無理に外さないで。トラップが爆発したら、みんな死んじゃうわ」「それ以外の方法を探しましょう」とメイヴィ。「それなら、鍵を探しましょう。私ならここを出られるわ」めるもが懐からステッキを取り出すと、光を発し姿を消しその中から白い兎が現れた。周りの子供達からは驚きの声が漏れる。「ふふ、可愛いでしょ。この階の何処かに鍵があると思うの。探してみるわ」とウサギ。「お願い、でも気を付けてね。危なくなったら直ぐに戻ってきて」とメイヴィ。ウサギの姿となっためるもは扉の鉄格子の間を潜り、子供達の願いと共に走っていった。♪「インターの奴、なんだかんだ言いながら扉を壊したままにしていったな」と楸。「ああ、本来、あいつは悪ではない。ただ純粋に強さを求めてるだけだからな」と花火。「ただし、彼の言っていることが正しいことと、周りの人が不快に思うことは違う」とフクチ。「私は軍に在籍し、多くの部下達を率いてきた。当然、戦争行為の中、軍律は厳しい」「でも、人は律を厳しくすればするほど、あざとくなる。その内、軍律の文字にのみ従い」「当然、人が思うべき、当たり前の気持ちを忘れてしまう」「道とはそんな物ではない。なににも縛られていない君達の方が人々のことを愛する気持ちに長けている」「悲しい現実だ。本当なら軍隊に法律などいらんと思いたい」「人々を救いたい気持ちの有志が集まった中、本来の目的を果たすため、同じ方向を見ているのだからな」フクチが残念そうに頭をたれる。「遠い昔から、人は群れを作って生きてきた。元来助け合って生きる本能を持っている」「そして、この世界もそう。大地と水、光と植物。皆お互いに助け合い生かされている」「本来、我々プレイヤーが一番その事を解っているはずだね」「今のこの世界の悲鳴もね」花火が悲しげな顔で答える。「世界の悲鳴?」と楸。「ああ、その事に一番初めに気が付いたのは多分ザードフィル、彼だよ」花火が意味ありげに答えたが、楸とフクチにはさっぱり理解出来なかった。その答えについて問いただそうと二人がした時には、廊下の遠くから聞こえる足音で一同の会話が途絶えた。♪塔の一室、そこにロウ・ヴァイオレットとジェイクリーナスが立っている。蝋燭に照らされた顔は不気味に陰影が付き、表情は笑っていいるのか、強張っているいるのか解らない。そこに、一人の男が影から浮き出るように姿を現す。「Jブランクか」とロウ・ヴァイオレット。「はい、け、剣聖さま」Jブランクの声は震えている。怯えるように身をかがめ、ひたすら頭をたれる。「影が、スパイがその存在を知られるとなると問題だな」厳しい目つきでJブランクを睨む。「は、はい。どうかお許しください。剣聖の奴、まさか私の存在に気付くとは夢にも」「まぁいい。今日は下がれ」ロウ・ヴァイオレットの声に安堵の息を吐き、Jブランクが扉に向かう。ザク!Jブランクの背後から闇の黒き太刀筋が襲う。言葉もなく息絶えるJブランク。「失態は許さんよ、それが闇の掟だ。お前も承知していただろう」冷たい視線を床に転がるJブランクの身体に向ける。ジェイクリーナスは眉一つ動かさずに見届ける。「これからどうする?ザードフィルの祭りに付き合うのかい?」とジェイク。「いや、契約は終わった。確かに闇を仕切っているのは奴だ。しかし、全ては契約の元ってだけだ」「闇に生きる者は群れたりしない。利害関係で敵にも見方にもなる。それが親子でもな」「では、剣聖を追うかい?」「それも無い。仕事と私事は別だ。特に今回のような場合は私情が絡むと命を落としかねん」「では、またあの子を探すとするかい?そのロケットに入った写真の赤子を」「まぁそんな所だ。悪鬼と化した俺に唯一残った人の部分だ。ゆっくり探すとするさ」「私も暇人だから付き合うさ」二人の表情が緩む。蝋燭に照らされた表情は少しの間だけ穏やかとなっていた。♪ギギィーゆっくりと扉が開く。そこはザードフィルの居城。ビッグアイの中央にそびえる塔。その入り口を開き、ガラテア、セシルス、風天の三人が足を踏み入れる。「さぁ、鬼が出るか、蛇が出るか楽しみだな」とセシルス。既にセシルスは弓に矢をつがえ、敵の気配を探している。塔の内部、一階は一つの大きな部屋となっていた。中央に地下と2階への階段があり、天井は高く大きなシャンデリアがぶら下がる。壁には写実、印象、抽象様々な絵画が飾られている。シャンデリアの下には何故か不自然に椅子が置かれ、青い人形が座っている。・・・誰だ・・・俺は・・・いや、間違えた。誰だ・・・お前達・・・誰もいれちゃいけないんだ・・・誰も入っちゃいけないんだ「来たか!何処にいる!」ガラテアが身構える。「気配は無い。ちっ、何処にいる」セシルスは弓の狙いが定まらない。「まって下さい。今探知します」と風天。・・・ず~と目の前にいるよ・・・でも言っちゃいけないんだ・・・あああ~言っちゃった・・・よくも騙したな・・・おしおきされてやる・・・いやおしおきしてやるんだ・・・頑張れ俺「セシ、やばいな。またこのパターンだ」とガラテア。「ああ、どうして最近はこんな奴ばかりが相手なんだ。さすがにもう笑えないな」とセシルス。「いました、あの青い人形から反応が!」風天が叫ぶ。困惑に包まれた中、三人の戦士達が身構える。新たなる戦いが始まった。<あとがき>今日は、内容が薄いのですが更新しちゃいます。いつも楽しみにしてくれている方への誕生日プレゼントです。(小説更新しかプレゼントできなかったし><)アルテ編は、赤い宝剣の謎が・・・wバレバレだったかな?とは言え、ボディさんから大切な物をお借りしますと当初予告してましたが、これは予想外では無いかなwまぁ許してくださいね^^(正宗と村正だけと思ってたでしょうねぇw)トリーシャ救出編は相変わらず忙しく場面がかわります。いろいろと膨らんだ構想を収束させるべく、頑張りますb年内に後1回は更新しますので、ジャンプやマガジンがお休みする時でも狙うかwまぁ合併号とか無いですが・・・
2006年12月06日
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冷たい空気は生き物のように部屋中を暴れまわる。床下の底から突き抜けるような衝撃波は一直線に柱へと向かう。背中を預けた柱から、背筋の凍るような衝撃が胸を突きぬけ前方の壁を直撃するようだ。アルテミスは振り返り、柱に手をあて魔獣ガラテアを伺う。「え!」_どうしたアルテ。不思議な感覚がアルテを包み、その驚きから思わず声が出てしまった。しかし、猛威を振るう剣圧とそれが起こす轟音で声はかき消され、ガラテアには気づかれない。_今、確かに声が聞こえた。メタビーは何も?_いや、何も聞こえんな。_確かに聞こえたの。こう柱に手をあて・・・その時であった、柱に刻まれた不思議な文様、その一つ一つが頭の中に入り込んでくる。---我は封印の部屋の主なり---古き民の末裔にして赤き旅人の守護者_聞こえた?_ああ、今度は間違い無さそうだな。_アルテ、もっと手を柱に当ててみろ。何者かは知らんが、この部屋の主だろう、少しは役立つかもしれん。ドドーン!いくつかの柱を攻撃した衝撃波が一回りして、再度アルテ達の身を隠す柱に衝撃を加える。_アルテ、速くしろ!この柱も長くはもたんぞ。_うん。アルテミスは慌てて柱に刻まれた文様に手をあて、なぞるように動かしていく。---我の力、即ち、赤き旅人の宝剣を残す---赤き宝剣は一対にして、けして離すこと能わず---我の力、即ち、宝剣を研ぐ、宝剣直ちに光輝かん_おお~なんか凄い剣が隠されているのか、一対ってことは二刀流だな_アルテ、お前ランサーやめたらどうだ?_無茶言わないでよ、なんとか槍の使い方覚えたばかりなのに、剣なんて直ぐに扱えないよさらに、アルテミスが手を動かす。---我の力、即ち、宝剣が為の力この間に封印せし---封印せし力、この間を支えん---真の赤き旅人が触れし時、その力開放せん---ここに、我の力、即ち、宝剣の再生を促すが力封印せんガン!ゴゴゴ!3度目のガラテアの攻撃が、アルテミス達の隠れた柱を直撃する。アルテミスが触れた文様は力なく光を失い、アルテミスの頭の中に響く声も聞こえなくなっていた。_しまった、まだ途中なのに。_ゲゲッ、どうすんだよ。なんでいつもそんなにドンくさいんだよ、お前は!_だってしょうがないじゃない。難しい言葉とか聞き取りにくくて、メタビーだってそうでしょ!_お前、なんか此処に封印を解くような力があるって感じだったぞ。_そもそも、最初にここの柱じゃなかったらアウトじゃん。なんて不親切なんじゃ!_しかも、もう既に一本半壊しているぞ。_え?柱になんかあるの?_馬鹿かアルテ!なんかスッゲー剣とそれのパワーアップ機能が柱の一つ一つに封印してあるらしい。_とりあえず、お前があの不思議な文字に触れると開放するかもってことだ。_で、赤い剣が二つあるそうだ。どうする?剣を探すか、取りあえず柱の封印を解くか?_柱が危ない、剣は本当に使い物になるか分からないけどとにかく封印を解きましょう。アルテミスがガラテアの様子を伺う、今は反対側の柱に向かい攻撃を行っている。今がチャンスとばかりに一気に隣の柱へ走りこむ、しかし踏み出した足が小石を蹴り上げてしまった。コツン!_やばい!ガラテアの斧が迫ってくる、衝撃波により体が引き裂かれると想像したが実際には衝撃はこない。柱の影からガラテアの様子を伺うと二匹のファミリア達が再び立ち上がり、ガラテアと奮戦していた。救われたアルテはゆっくりと柱に手を当てていた。【漆黒の世界と赤石物語】(Blackworld and Redstonestory) ~古都の南風 傭兵の詩~『第32章 時を超え』湿った空気のカビ臭い匂いが充満する部屋。灯りは壁に蝋燭が2つ。煙が微かに流れる。部屋中に小さな子供達が押し込まれ寒さはない。子供達は口々に「怖いよ~」とか「誰か助けて~」と叫び。泣き声が部屋を押し広げそうな勢いである。「本当にあなた達ってどうしようも無いと思うわ」一人の少女が立ち上がり、大勢の子供達に嫌味を言う。少しざわめき、その後静かになったかと思うと誰かが、少女に対し罵倒を浴びせる。「偉そうに強がって、じゃお前が俺達を助けて見せろ!」一人の罵倒が数人に伝染し、今では部屋中に少女を攻撃する言葉が広がっている。呆れた顔で少女が立ち上がる。すると、急に臆病になった者達は黙ってしまった。「ここで文句を言っても、何も状況は変わらないわ。それより、ここから出る方法を考えましょう」少女が、皆に話し掛ける。それでも、子供達は「非現実的だ」とか「大人達を待つべきだ」とか「小さな子供達だけでは無理だ」とかそれぞれが好き勝手な事を言い始めます。その時です、一人の男の子が立ち上がり皆を睨みつけます。「お前達いいかげんにしろ!元々このメイヴィさんがいなければ俺達は皆死んでいたんだぞ」「それに、メイヴィさんはプレイヤーだ。普通の大人なんかより何倍も頼れる」この言葉が子供達の心にズシンと重く響き、誰も文句を言い出す子はいなくなった。「そして、何を隠そうこの俺もプレイヤーだ。今は廃れてしまったロウ家の純血のプレイヤー。ノラ・ローだ!」「これぐらいの鍵なんて、俺様にかかれば・・・」ノラローは針金のような物で扉の鍵を開けようと試みるが、残念ながら扉は反応しない。「ま、まぁーなんだ。俺は武道家だからチマチマした作業は苦手なんだ」「ふふ、面白い人ね、私もプレイヤーよ。なんとか役に立つかしら?」「名前はめるも。プリンセスのスキルを持っているわ」新たなプレイヤーの登場で、子供達の表情が明るくなる。「二人ともありがとう。三人もいるなら何とかなりそうね。みんな知恵を貸して。そしてココから脱出よ」地下牢の中で子供達が歓喜の声を上げた。 ☆塔の最上階、その一番奥に大きな椅子があり、ザードフィルが足を組み肘掛に頬杖をつきながら腰をおろす。その傍らにはトリーシャが立ち、さらには椅子に対し二列に並び跪き、頭を伏せる者立ちがいる。バタン!沈黙を破るように、一人のランサーが扉を開ける。椅子に続く赤い絨毯を踏み、他の者など目に入らぬかのように、ザードフィルに向かい足を進める。「貴様!」何人かの者が声を発するが、ザードフィルの片手がその者達に向けられそれ以上は声を出せない。「何者だ、トリーシャがランサーに話し掛ける」「マシンインター。それが名だ。訳あってこちら側につく、悪い話じゃなかろう?」「何を勝手な!」とさらに跪く者達から声が上がるが結局先程と同じようにザードフィルにより静まった。「で、何を所望するのだ?マシンインター」とザードフィルが口を開く。「望む物はただ一つ、ゲルニカとの真剣勝負。他には何も」暫くの間、ザードフィルとマシンインターの無言での探りあいが続く。「いいだろう。お前の好きにするがいい。こちらの条件は何もない」ザードフィルの返答にざわめきが起こる。そして一番驚いていたのはマシンインターであった。「下がれ、後はお前のしたいようにしろ」ザードフィルの言葉で振り返り、扉の方へと足を進めるマシンインター。ザードフィルはトリーシャに目配せをする。「はっ!」トリーシャが一気にマシンインターの頭上に飛び上がる。そのままマシンインターの背中に向かい槍を立てる。ガツン!しかし、トリーシャの槍が突き刺したのは石の床のみで、既にトリーシャの背後にマシンインターが立ち槍をトリーシャの首元にあてる。「なかなかの腕だな、瞬間的なオーラの膨張率は俺以上かもな。しかし、身を削るような強さじゃ本物ではない」「まぁ、それでも化かし合いは女の方が上か。ふふ」インターはそれだけ言うと、目の前のトリーシャをすり抜けるように扉の向こう側へと去っていった。すると、先程までトリーシャであった存在が空気に溶け込み、元の場所にトリーシャの姿が現れた。「良いので?」ザードフィルはただ笑うのみで返答をしなかった。それがこの件については意見無用と一同への返事となった。 ☆ザードフィルの塔に夕日が当り、塔を赤紫色に染め上げる。石で出来た塔は独特の色合いを浮き立たせる。「再度、ガラテアに問う。我が姉、風の三姉妹が長女トリーシャを我が主ザードフィルから救い出すと?」「むろん、命に代えても」「よろしい、ではこの扉通るがいい。必ずや姉を救い出すのだ」と雪音。「ちょっとまった。これが罠ではないと保証できるのか」とセシルス。「信じる、信じないはそちらの自由です。それにこれから先は私達が手を貸すことはないでしょう」とルジェ。「ただ、これだけは忠告しておく。お前がこれから先出会うであろう姉はお前の知っている姉ではない」「そして、私達が望むのは本当の姉。古代の血に抗うトリーシャだ」「悪いけど、私達に出来る事はこの扉を開くことだけ。今度出会った時は容赦なく我等姉妹の槍と弓のコンチェルトが出迎える」雪音が鋭く、真っ直ぐな眼差しでガラテアを見据える。「お姉さま、コンチェルト(協奏曲)でなくて、カプリッチオ(狂想曲)の間違いね。お姉さまが絡むとね」「それはともかく。あなたなら、きっと姉を古き血の呪縛から救ってくれると信じています」ルジェの眼差しは少し不安なのか、悲しさが浮き出ていた。「ガラさん、ここは無理に闘う必要は無いでしょう。この先は長い、例え罠でも先に進むのが先決です」と風天ガラテア、セシルスは顔を見合わせ頷く。お互いの意思を確認し、扉の向こうへと足を進めた。「お前たち、美人にそんな悲しげな表情は似合わん。俺はトリーシャとお前たちの笑顔を取り戻しに行く」「それが、俺の払うことの出来るお前達への対価だ」軽く手を上げ、肩に巨大な斧を担ぎ暗闇の塔へとガラテアは消えていった。残された二人の姉妹は何かにすがるような視線でその大きな背中を追っていた。やがて、赤い日が沈み、フランデル大陸を闇が包み込む。赤い月がまた昇る。<あとがき>いやぁ一旦筆を置くと書けないですねぇ、よく4日連続なんて書けたなと自分でも思います。アルテ編は、なんかおかしな事になっています。全然反撃しないアルテですが、正宗・村正が攻撃中なので許してください><;戦争編改めトリーシャ救出編は場面が変わりすぎて読者に優しくないですね。なんとか読者を置いてかないようにしていますが、独りよがりな感じは否めないです。しばらくの間はこんな感じですが、暖かい目で見守ってください。今年中に後2回くらいアップしたいですが、どうなることやらwちなみに、2部は今年中に終らないことは確定していますb
2006年12月05日
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