新緑の歯車

嘘吐き(ウソハキ)

思考が止まらない

思考が纏まらない

俺は一体なんなのだろう

頭が回り過ぎる

気持ち悪いぐらいに世界を知る

人の本能を知る

人の感情を知る

憎しみすらも

恨みすらも

俺は知る

怒る

そんな感情を

俺は日常的に使うけれど

なぜか

前みたいに感情が使えない

俺は二人居る

この体にいる俺と

肩の上にいる俺

視点は似ていて違う

言うなれば

内と外と言った所だろう

だからこそ

冷める

覚める

醒める

こんな視点

いらなかったんだと思う

昔は

もっと小さい頃は

何も知らなかった

だから

無知だからこそ

貪欲に

知識を求めた

それがこの結果

俺は知る

嫌な事を

嫌過ぎて

呆れる

誰にもわからない

いや

わかる人は居るだろう

でも話せない

怖いから

異端だといわれたくないから

それが恐怖になり

それが増殖し

そして

自分を偽る

顔を仮面で覆い

その上に泥を塗る

重ねて

重ねて

自分を偽る

悲しい日常

悲しい感情

悲しい無知

悲しい知識

虚しいだけの

虚構

虚勢

虚しさだけが積り行き

俺は一体どうなるのだろう

無知でいたい

無知に戻りたい

知識は記憶じゃないから

失いたくても失えない

これが人生を悟るとか言う馬鹿げた所業なのだろうか

なにが子供のうちに人生を悟るだ

馬鹿馬鹿しい

俺は人生など悟っていない

俺が悟ったのは

人の奥底だけ

そして世界の虚しさだけ

俺はいつ

俺はどこで

俺はどうやって

滅びるのだろうか。

クッ

これぞ嘘吐きの所業と言わず

なんと言おうか

悟らず悟られず

これが嘘吐き

戯言など言わぬ

我、ただの口から虚を吐く馬鹿げた所業の持ち主さ。