新緑の歯車

新緑の歯車

出発前



ズサッっという音と共に視界が反転する。

反転した視界に映ったのは、青い空。

少し空を眺めた後

目的を思い出し、立ち上がる

無意識にどこへ向かえば良いか分かる

こっちに...なにかがある。




不気味な笑みを浮かべるスサから依頼を受け、

俺と想鐘は車に乗り込み事務所への帰路につくことにした。

「ねぇ、月読。」

「あー?」

想鐘は声を強張らせながら、何かを口に含んでいるように話す。

「この依頼、どー考えても危ない...よね?」

しかしサインをした以上、依頼放棄をするわけにはいかない。

俺はあー。とあくびの様な返事をする。

「どうする...?」

少し目に涙を浮かべながら、俺に聞く。

どうするって言われてもなぁ...?

「やるしかないだろ...。」

溜息を吐きながら、ぼんやりと思い出す。

笑顔のスサからサインした後、渡された資料の中にこんな事が書いてあった事。

<今回の対象は森の国の森に逃げ込んだ模様

確認時間は本日の朝5時頃>

「とりあえず...すぐにでも森の国に向かうか。」

「はぁ...、わかったよぅ。」

想鐘は嫌な顔をしながらも、俺の言葉に軽く頷く。

ちなみに森の国とは

この国の西にある隣国。

魔術の研究が盛んで

有名な魔術専門校もある。

魔術専門といっても、必要な科学技術は学ぶのだが。

更に、森の国という名の通り、

周りが巨大な森に囲まれている。

凶暴な生物から、穏やかな生物まで住んでおり、

竜の住みかもあると言われている。

そんな場所の為、

森と街の境目にはある程度武装した警官などがいる。

主に魔術技術の結晶とも言える、最新鋭の武器を持ち

森から出てくる...というより、害を成そうとする者を排除している。

まぁ、好き好んで森の中に入る奴なんていないだろう。

「俺だって入りたくない。」

「ん?」

「いや、なんでもない。」

ちょろっと考えた事が声に出てしまった。

「ま、とりあえずチケット取らなくちゃな。」

「うん。」

想鐘はうなづいた後、窓から外を覗いて、溜息を吐いていた。

さて...帰ったらチケット取らなくちゃな。

そんな思考を打ち切り、車に集中することにした。

数分後

事務所へと到着し、そこで一度想鐘と分かれる事にした。

「じゃあ、明日の朝ここで。」

「あいあいさー...。」

携帯で時間を確認しながら想鐘にそう言うと、想鐘は乗り気じゃないと丸分かりな声色で返事をした。

「もう諦めろ。」

「うぅ...。」

「じゃ、明日の朝な、準備をちゃんとしとけよ。」

「わかってるよぅ。」

想鐘は俯きながら返事をし、そのまま来るりと俺から背を向けると、

右手を上げひらひらと揺らしながらどっかに行ってしまった。

「...、はぁ。」

軽く溜息をつき、気分を入れ替える。

「う...っし、とりあえずやるか。」

事務所の鍵を開け

必要な道具の詰まってる小さめのバッグを背中に括りつけ

背中に棒を背負い、外に出た。

さて

家に帰ったら券を取らないとな。




あとがき

えーっと
いろんな意味でごめんなさい。

悪い所とか指摘してもらえたらうれしいっす!

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