第2話



「流川さん、容疑者の窪田 正治のことですが――――」

「その件なら越野にまかせてあるはずだ。」

流川と呼ばれた男は書類に目を通したまま答えた。

「流川さん、湾岸署からfaxが―――」

流川は忙しそうにペンを走らせる。

「そこのデスクに置いておけ。後で見る」

あたりにはfaxの山、山、山。

これから目を通さなくてはならないfax用紙はまだまだあるようだ。

「流川さん、×××署の花形警部からお電話ですが―」

「今忙しいとでも言っておけ」

「流川さん、仙道補佐官がいらしゃってるんですが―――」

「・・・・・・何?」

ようやく彼は顔をあげた。

「絶対にとおす―――」

「るっかわぁ~♪」

「・・・・・」

流川はあきらかに嫌そうな顔をして、この場所には不似合いな、やけに

明るく、ばかっぽい声が聞こえる方向へ顔をむけた。

「そんな顔すんなよ~いちおう先輩なんだよ?」

「・・・・先輩は先輩でも邪魔な時は 邪魔だ 」

「ひ、ひどい流川!俺泣いちゃうよ~~」

うっうっと、泣く真似をする仙道彰。

彼は警視庁官房審議補佐官軽視正であり、階級は流川より

上ということになる。

サラリーマンと一緒で、警察でも階級がものをいう。

キャリア組ではプライド高く保ち、常に嫌味の1つや2つ

言い合いするのだが――――――

仙道は違った。

どんなに自分より階級のしたのものでも優しく接し、

声をかける。そのおかげで彼はどこの部署でも人気だった。

流川は仙道を変な奴だと思って止まない。

早速泣き真似をしている仙道をほっといて書類に再び目をうつした。

「ちょっと流川ぁ~!無視すんなよ~!こっちが情けなく

なってくるだろ」

「だったらしなきゃいー」

「・・・・・はあ。全くおまえはあじけの無い奴だな。

湾岸署の桜木のほうがよっぽどかわいい性格だし――」

「・・・・・その名前を出すな」

「相変わらず仲悪いの?そりゃ~そうだよな~なんたって

流川だしな~~~~」

「・・・・・・・・」

「ちょっといい加減こっちみてくれないか??

これじゃあ透明人間と話してるみたいだよ」

「・・・・・・。何しにきた」

「へ??」

「へじゃねー。何しにきたんだ。なんか用があってきたんだろーが」

「え~用って別にないよ~!ただ流川がなにしてんのかなー♪

って思ってさ~きた・・・・」

「桑田、湾岸署に行くから車だせ。すぐ向かう」

「は、はいっ!!!!わかりましたっ!」

「ち、ちょっと流川!もういっちゃうの?!」

「てめーと話してる暇はねー。てめーより上になるまではな」

流川は立ち上がってそう言うと、捜査一課の部屋をあとにした。

――――――仙道を、おいて。

「は~まったくプライドがエベレスト級なやつだな。

         ・・・・・そこがおもしろいんだけど」

流川は早くこのバカなかんじだけど刑事としてはぴか一の仙道より

出世したかった。

自分より上いいる人間はなんとしてでもそこから落とす。

攻め気の強い流川は、非常にプライドがたかかったのだ。

→ next ←

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: