milkyの心のままに独り言

パンドラの箱 第四章



壁越しに見ていた、自分の心の中。遠い記憶。悲しかったんだ私。泣きたかったん

だ私。自分の中の自縛を取り除く時が今きた・・・小学3年生。クラス変えがあ

り、担任が変わった。眼鏡をかけた女の先生。とてもきつい人だった。床を清掃す

る時にトイレ用の洗剤を使用させ、塩素系の洗剤だった為、手がただれ父兄からの

抗議が殺到して、大きな問題になった事があった。家庭訪問の時、今迄かって見た

事のない問題児だと、口火が開かれ、学力的にもかなり低迷している事が告げられ

た。この時から私は家庭で、パパから勉強を叩き込まれる日々が始まった。ノート

に算数の問題が作られ、毎日その問題を解く、答えを3回間違えると、罵声と共に

体罰を受けた。恐いから死にものぐるいで勉強した。お前の様な馬鹿を世の中にだ

す事は恥ずかしい。お前みたいな人間がいるから世の中がおかしくなる。毎日責め

られた。窓から見える場所。白い塔。日曜日に鐘がなり、その場所はそんなに離れ

てはいない。行ってみたい。そんな毎日の中で、その塔を眺めていた。或る日、そ

の場所へ行ってみた。そこは大きな教会だった。神父様。シスターと呼ばれる人が

居て、小さな教室で紙芝居を見たり、お話をしていた。そしてお菓子が配られたり

していた。私もその和の中に入れてもらえた。心の中に神様がいて、神様の子にに

は孤児はいない。ごめんなさいは、神様の声が耳に届いた時、その瞬間人は許され

ている。静かにお話を聞いて居ると、私の心は温かくなった。そして涙が止まらな

くなった。私はパパとママの子供じゃなかったんだ。神様の子。単純に嬉しかっ

た。それが私と神様の出会いでもあったかも知れない。ママは別な宗教をしてい

た。私は秘密の場所を作った。優しい空気の流れる場所。相変わらず体罰は続いて

いたが、勉強は追いついた様だった。私のパパも虐待を受けていた子供だった。祖

父をものすごく嫌っい憎んでいた。私の顔が祖父に似ているという理由で叩かれた

事もあった。私の家は経済的にも、この頃大変で、パパは音楽を仕事としながら、

プライドが高く仕事を選んでいたから余計だった様で、夫婦喧嘩も日常的だった。

お財布の中のお金が無くなったと騒ぎになった事もあった。私が疑われたのは不思

議ではなかった。でも、私は盗んではいなかった。それでもやったと言わなけれ

ば、暴力は続く。何もかも私のせいなのだ。やったと嘘をつく。自分に嘘をつく。

叩かれたくないから、弱いから嘘をつく。そんな自分がたまらなく悲しかった。ず

るい人間。私が私を責める。でもそうしないと、この家庭の中では生きていけな

い。歪んだ事実も受け入れるしかない。中学に入り、ママか別に好きな人が出て行

く事になったのも、私のせいだった。たまらず教会に家出をして、教会に行って居

た事が知れ、ママは私に疲れたふりをした。パパはその言葉をそのまま信じた。体

罰からの解放、9年間の月日が流れ、それはそんな形で破綻した。間もなく私は、

親戚の家を盥回しという言葉でよく言われる状態にされた。私はオリバーツイスト

を選んだのかも知れない。父の精神は病んでいた。普通ではありえない事、この頃

の私は冷静に見ながら。走馬灯の様に悪夢を思い返していた。寝相が悪いと縛り上

げられた事、殺さない程度にと笑みを浮かべて、殴りつづけた顔、こいつさえいな

ければと、包丁を突きつけられ、それでも寝たふりをしていた夜。数々の言葉の暴

力。私を置いて出て行った母を待ちつづけていた事。強くなる事の意味。ひとりで

生きて行く事、養われる立場はもうおしまいにしたい。そんな思いで、あの日の結

末を見ていた気がする





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