みみ の だいありぃ

みみ の だいありぃ

差別と偏見


か・な・り、慎重になったということ。(これでも以前よりは)

前は天真爛漫、というよりノウテンキ、というより変なやつで、新入社員のころ、みんなも恐れるエラーイ人々(うちの会社はかなりでかかったから、経済界でも名が通っちゃうほどのまじでエライ人々)ともへっちゃら。
自分の思ったことは一切包み隠さず、誰が相手でもズバズバ言っていました。

この夏に日本に一時帰国して、元上司と飲み会をした際、今やかなりエラくなったおっさん達が20人近く私のために集まってくれて、「いやー、おまえはうちの会社の伝説だよ。あの○○さんまでも恐れ入っていたからな。最高だったよ。今はさびしいよ。」と言ってくれた・・・(涙)
もちろん、うちの娘、なんてかわいがってもらっていたので、嫉妬するお局もいたけど、大お局(会長秘書とか社長秘書)とかにも可愛がってもらっていたし、本当に毎日が楽しかった。
あー、過去の栄光!!

そんな過去をふと思い出させてくれるような生徒がいるんです。
彼女は存在自体が派手。
どんな話でもおもしろおかしく脚色出来て、みんなを笑わせるタイプ。

その彼女が今日言いました。
「せんせー、渋谷に行った時にびっくりしたことがあったんですよぉ~。あのですね、私がハチ公前で待ち合わせしていた時、いきなり変な男の人が現れて、でっかい十字架を掲げてでっかい声で言うんです。“あなたたちは神に守られている。”って。それで私びびっちゃって・・・(永遠に続く)」
他の生徒たちも「えー、うそー。まじぃ??」「ぎゃははは」

以前、宗教関連でおちゃらけた話を友達数人としていた時、実はその輪の中にその宗教の子がいたことがありました。
それを思い出したのです。

そういうこと、ありますよね。
悪気がない一言が誰かを傷つけるって。

私の高校のころのホームステイ先のファミリーがエホバの証人の一家でした。
ある日、テレビでエホバの証人を小馬鹿にするようなシーンが。
そこの両親はかなり熱心な信者だったので、必死に子供に説明をしています。「こういう事を言う人はおかしいのよ」って。
そりゃ親は必死です。

私は無宗教ですが、宗教が悪いこととは決して思いません。
その宗教が世の中に迷惑をかけさえしなければ。
逆にそこまで信じるものがある人はラッキーだと思います。
なんていったって、本当に気持ちが救われるでしょう。
仲間意識も強くなり、所属していることに安心感も得られるでしょう。

ただ、言いたいのは、大多数にとってのジョークだって、真剣に傷ついたり腹立ったりする人たちもいるということ。
どんなジョークにだって可能性はある。
私が軽い気持ちで言った一言が、生徒達にとっては大好きな先生に言われた一言になるわけで、傷つける度合いも大きくなってしまう。
だから、慎重になったのです。ならざるをえないのです。

太っている人たちが太っていることをジョークにされて、笑い飛ばせればいいです。
でも普段は笑い飛ばせても笑い飛ばせない時だってあるでしょう。
(シャロウハルっていう映画にも太った人々からクレームが来たそうです)

生まれつき背が低い、顔がみにくい、貧乏、頭が悪い。
そんなUNFORTUNEな人たちもいます。(基準から、というより、その人の中での自己判断の中で)
だから、私は慎重になったのです。特にこれから自分ができあがっていく子供に対しては。

ある6歳の生徒がこんなことを言ったことがあります。
「先生。色がまっくろでこげちゃったみたいな人たち、いるでしょ。ママが危ないから近くに寄っちゃだめですよって言ったんだよ。」

ある高校生の生徒もこんなことを言いました。
「あのさー。今日、店行ったらさ、店員がチンタラしてて、なかなかヘルプしてくんないの。あ。その店員、クロね。だからあいつら駄目なんだよ」

こういうのを聞いて、胸を痛めたのはあの教室の中にいたのはおそらく私だけでしょう。
なぜなら、他の子たちには、自分に関係ないことだからです。

当事者、またはその家族(人種の場合、配偶者やその家族ですよね)以外はそんなに気にならないでしょう。
良くて「そんなこと、言っちゃだめだよ」って言葉がでるくらい。

子供達にも悪気はまったくありません。
そういう風に教え込まれて育てられたのですから。

実際に、BETやMTVで流れるビデオクリップや、いわゆる黒人映画も、バイオレンスやセックスに富んでいて、子供たちには良くないものが多い。
だから、黒人に触れる機会の少ない親たちは黒人をそういうふうに判断している。
いかにそれが偏ったものの見方であっても。
あれはあくまでもエンターテイメントなのに。

バイセクシュアル問題だって同じ。
ゲイということがバレて、イヤな仕事をおしつけられた。
ゲイということがバレて、クビになった。
会社側も堂々とクビにはできないから、なんらかのいちゃもんをつけてやめさせる。
こんなこと、未だに起こっています。

余談ですが、サインフェルドでゲイの話題になったとき、しつこくどの台詞の後にも「ゲイが悪いとは言わないけど。」をつけていたのを思い出します。
そのしつこさがおかしくって笑った。

得する例も。
六本木のクラブ帰り。
だれがどう見ても派手派手の格好で、朝6時過ぎに大学に成績表を取りに車で向かっていた時。
疲れていた私は反対斜線に乗り出しバスと正面衝突しました。
やってきたおまわりさんは私の格好を見て怪訝そう。
「どこに行く予定だったの。帰る途中?」と今考えれば全く関係ない質問をされた時、「大学に成績表を取りに行く途中でした」と言った。「どこの大学?」と聞かれて答えた途端、態度が変わりました。
「そっか。じゃ、おまわりさんが誘導していってあげるよ」
私は点数も切られず、学校までパトカーで30分以上もエスコートしてもらえました。

これだけではありません。
私は自分の学歴、経歴に散々助けられました。(ふ~)
なんていったって「あの人あれであの大学出身らしいよ。あそこは変わり者が多いからなぁ。」といって大目に見られたこといっぱいあったから。
多くの変わり者の先輩達に感謝。

でも、だれだって、ホームレスのような格好をしている人は貧乏だと思ってしまうし、逆にぴっかぴかのスーツに見を包んでいたら、金持ちなんて思っちゃいますよね。

人は直接本人と関わる前は外見(持ち物や格好なども)や経歴で判断する。
それから話したりして情報を入れ、さらに詳しく判断していく。
それは違う、とは言わせない。
誰でも無意識にしてるよ。絶対。
散々目の当たりにしてきたもん。

そして人は弱いもの。
自分は誰かより上でいたい。そう感じたい。
だから、無理矢理自分に都合のいい基準を作り、自分を安心させる。

こんな実験を見た事があります。これは私はある程度分かるようになった生徒たちに必ず話すことにしています。

ある小学校でクラスを半分に分け、片方は黒い服、片方は白い服を着させます。
初めの一週間は先生がわざと顕著に黒い服の方だけを誉めます。そして毎日ミニテストをし、結果をつけました。
そして、次の一週間は逆に白い方だけを誉めます。やはりここでもテストは続けます。

さて、結果は。

誉められていた時の成績の方が明らかに両グループとも断然いいのです。
そのテストは勉強だけでなく、走る力など、いろんな分野でのテストでした。

集中力の差だと言えるでしょう。
人間、けなされている時より誉められる方が伸びるのです。

では、アフリカンアメリカンに生まれてきてしまったというだけでハンデのある立場に死ぬまである人々はどうでしょう。

旦那とケンカして「You have to do this!!」というと彼は「I don’t have to do anything but be black and die」と言うんです。Everything else, I choose to do...

昨日も書きましたが、彼は南部出身です。
人種差別を受けて育っています。
彼はミリタリーにいたのもあるしスポーツをしていたのもあるからだいぶましですが、彼の両親やお姉さんはかなり人種差別者です。
初めは聞いてられなく、ネガティブに物を言うのはやめてくれ、と言っていたのですが、何も知らない私は何も言えないな、と思うようになってきました。

だって、残念ながら世の中が偏見に満ちているから。
きれい事なんていってらんないから。

表立っての差別、というのは田舎っぽいと、露骨に差別する人は少なくなってきています。
でも、人間が根本的に強くなって差別なんてしなくてもコンフォタブルに生きれるようにならない限り、完全にはなくなりません。
そして、それは本当に本当に難しくって、ほとんど不可能です、といいたくなってしまうほどなのです。

だったらどう変えていくか。
全人類に主張し、訴え、全人類の意識を変えていくことです。
子供のうちから、偏見を植え付けられる前に、少しずつ変えていくことです。

さて、教育者として何が出来るか。
自分が黒人の配偶者だからかばっている、とか思わないよう、平等な立場をとって、差別をなくすよう努力していくこと。

6才の子供の発言には「先生のお友達で黒人の人が何人もいるけれど、みんないい人たちだよ。皮膚の色は全然関係ないよ」
高校生の発言には「仕事の能力に人種は関係ないでしょ。そのクロっていう言い方も先生、どうかと思うけど。」と始めて人種の問題にもっていく。

幸い私は子供たちと触れて毎日を過ごしています。
全世界を変えるのは難しいけど、少しずつ自分でできる限りの事をして、くだらない、する側の自己満足だけの、 というより自慰の差別を少しずつなくしていく。
それしかありません。

本当に自信のある他人を差別しません。
他人を見下しません。
他人を非難しません。
だって必要ないから。

はー、ここまで読んでくれた人、本当に本当にありがとう!

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