楽しい南の島

さよならの4日目

くえとぺこらの変なハワイ
MAHALO~♪の巻


短いハワイの旅も最終日。
なんだかとっても名残惜しい。

もっと沢山やりたい事があったような気もするし。

しかも、今日はとんでもなく早い時間に空港に行くし。
お寝坊くえちゃんお寝坊ぺこらちゃんにとっては
地獄の針山よりも恐ろしい早起きをしなくちゃならない。

まだ暗いのに
プープープープー。
電話のベルが幸せの世界から私を引き剥がす。
受話器を取ると、
「アロハ~。お目覚めの時間です。」
機械的な声が覚醒を促す。

フアアアアア。
まだ眠い。
隣の巨大ベッドではくえ爆睡中。

「くえ。起きてよ。」
「んんんんんんんんんん。」
「くえってば、起きるんだよ。」
「んんんんんんんんんん。」

起さないと遅刻しちゃう。
飛行機に乗れなかったらラッキー!じゃなくって、大変!

そばまで行って、肩を揺する
「くえくえくえちゃん、朝ですよ~。起きないと置いて行っちゃうよ~。」
「ぐううううううう。」
「ひーん。どうしよう、起きないぞ。」

プープープープー。
「ハイ。」
「ぺこら? くえは起きてるの?」
すずちゃんだった。
「全然起きないよ~。」
「よし!」
ガチャっと電話は切れた。

爆睡くえと戦っていると、
コンコンコン。誰かがドアをノックする。
「ぺこら、開けて!」
すずちゃんだ。

「おはよー。くえはまだ寝てるのね。」
言うが早いか、くえちゃんはベッドから引きずり出され、洗面所で顔を洗われていた。
「うきゃー!何するのー?」
くえちゃんは無駄な抵抗を試みているようだ。
全く無駄。抵抗したって、無駄無駄。歩く筋肉質すずちゃんに勝てる者はいない。

なんとかピックアップの時間には間に合った。
眠い目をこすりながらバスに乗り込む。
ホテルの従業員さんが見送ってくれた。

「マハロ~。またおいで~! 待っているよ~!」
「また来るね~。ありがとう!さよなら~。マハロ~!!」

見えなくなるまで手を振り合った。
きっとまた来るぞ!
いつのまにか目はすっかり覚めていた。
朝の静かな街中をバスは飛行場に向かって走っていった。


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