楽しい南の島

幻惑の3日目

焼けた海辺の雑魚達の巻

♪ハナウマハナウマ楽しいな
みんなで揃ってハナウマだ!

朝ご飯にはキングスベーカリーのスイートブレッドで
サンドイッチを作って食べたし、近所の猫とも遊んできたし。

充実した1日間違い無しだわ!

ハナウマは前回も来ている。
前のときはすずちゃんとくえが、リーフの淵まで泳いでいって、
すごーく大きな魚を見たって自慢していたっけ。

砂浜の上じゃなくて、海から離れた芝の上にシートを敷いてゴロゴロする。

「ねえ、みんなお魚見ないの?」
「いいよー。魚見なくても…。」
もう寝ている。

ねえねえ、ここはどこ?
湘南? 伊豆? 房総?
違う違う、ハナウマなんだよーーー!

ゴーゴー寝ている人達は放って置くことにして
シュノーケル3点セットを借りに行った。

?どうも係のお兄さんの態度が変だわ。
どうしたのかしら?
「ダッドかマミーはどこ?」

ドッカーーーン!!
大人だよ! 大人ーーーーーー!

はあはあ。興奮しちゃったわ。

会話により誤解は解け
無事3点セットは私の手に。

珊瑚を踏んだらいけないので、浅い所から泳いで沖に進む。
うーん、なんて綺麗なの。
保護をしているだけのことはある。

餌付けしたサルみたい、と言う人もいるけど
そんなのどうでもいいじゃん!って反論したくなる。
だって、こんなに沢山の魚達がいるんだもの。

体の色が、熱帯魚らしいカラフルなもの。
地味な色合いながら生命の漲った泳ぎをするもの。

一緒に泳ぎながら、時間を忘れていく。

その頃…。
ようやく惰眠から目覚めた面々は
「あれー。ぺこらはどこよ?」
「その辺にいるんじゃないの?」
「いないぜ。」

いるわけないよん。
海の中だよ。

「ぺこら知らない?」
「ううん。寝てたもん。」

きゃー。綺麗綺麗。

「おい!やばいんじゃないの?」
「ぺーこーらー!」
大騒ぎになっていた。

知らないもんね。
海の中は別世界。
へっへっへ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

豚吉ホームシック?にかかる。の巻

今夜もご飯は、好き好き同士ね。
って、別にアナタを好きなわけじゃない。

とかナンとか言いつつ、みんなはロビーに集まって
食べたい物別に出掛けようとしていた、

ところが、メソメソメソメソ…。
やってきた豚吉は泣いているではないか!!

「どうしたの?」
一応お姉さんだからね、聞いてみた。
メソメソメソメソ…。
ただただ泣き続ける豚吉。

♪な~いてば~かりいる子豚ちゃん
みんなは困った顔をしている。

「いいよ、みんな先に行って。」
偉いぞ、ぺこら。パチパチパチ。
「チーフまだだし、3人でどこか行くから。」

ホッとした空気が流れて、みんなは出掛けていった。
「悪いね、ぺこら。」
「じゃーね。豚吉頼んだよ。」

「豚吉どうした?」
もう1回聞いてみる。
「メソメソ・・・ステーキも・・・ロブスター・・も・・食べたくな・・・い。」
「何食べたいの?」
「メソメソ・・・お・・そば。」

何~~~~? お~~そ~ば~~~~~???

そっか、舌がホームシックになったんだ。
海外で和食なんて、とお思いのあなた。
そうは行かない人もいるのよ。
まだうら若き豚吉君だって、この始末。

チーフも誘って和食屋さんに行こう。
確か近くにあった筈。

ドンドンドン! ドンドンドン!!
ドアも割れよと叩きまくる2人。
寝ぼけ眼のチーフが顔を出す。

訳を話すと、
「よっしゃー。任せとけ。今夜は奢ったる!」
「そば」と聞いて、突如気前が良くなった。

徒歩5分ほどの和食屋さんの暖簾をくぐる。
「いらっしゃいませ。」
豚吉、ニコニコ。

どうしたの? さっきまでと違うぞ。
嬉々としてメニューを見始める豚吉に、チーフもぺこらも茫然。

「えっとー、イセエビのお造りとー」
ちょ、ちょっと待って、豚吉!
そばじゃなかったのか?

ニコニコ豚吉は次々とご注文。
チーフは青い顔でヒキツリ笑顔。
私は知らん顔。

日本でも食べないような「和食」をタラフク食べた。
ぺこら役得か?

「ねぇ、豚吉。どうしてさっき泣いてたの?」
「あたし、白人恐いのです。また、白人だらけのお店に行くと思ったら恐くて…。」
どひゃ~!

ここは日本人従業員だし、お客も殆ど日本人だもんね。
元気出るわけだ…。

チーフ、ヤケでぐびぐび飲む。
豚吉、はしゃいでくいくい飲む。
飲めないぺこらはひたすら食う。

お会計はチーフにとって、
豚吉が恐がる白人よりも、ずっと恐ろしいものとなったのだった。


≫4日目いかがでしょう?


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