- ミュージカル劇団での話 -
Mintはあるミュージカル劇団に在団していました
その劇団の座長は芸能界の2世俳優さんです
今ではその座長も結婚して幸せな家庭生活を送っていると思います
まだ当時は独身でした
まだ若くて情熱に溢れた人でした
Mintはそんな劇団に惹かれて入ったのです
春に入団してすぐに優しくしてくれた先輩がいました
仮にA先輩(女性)としておきます
入団して少ししたら、皆で渓谷に遊びに行ったのを覚えています
その時は入団したてのMintに気を使って、T先輩(男性)の車に
A先輩とMintが乗って行ったんです
車の中でもすごく気を使って下さり、MintはA先輩を尊敬したくなりました
その当時のMintは気を使うという事をした事がなく
どうやったら気を使う事ができるのか、全然わからなかったのです
その後も普段のダンスレッスンに毎週3日通いました
A先輩はMintが入団してすぐに、稽古場の鍵を預けてくれました
昼から夜にかけてずっと稽古場のそばでバイトをして
夜9時からダンスレッスンだったので、いつも1番で行ってました
そのうち公演が決定しました 夏の公演です
入団したばかりのMintにも役がもらえました
稽古を毎日頑張り、2週間の公演の日になりました
初日張り切って頑張りました しかしMintのせいで
ゲストで来て下さった方の喉を壊してしまいました
本物のバイクを使用して、Mintがエンジンを吹かし過ぎたために
裏のマイクで歌をサポートしてくれた、ゲストさんに
もろに排気ガスがかかってしまったんです
その日以来そのゲストさんから嫌われてしまい、ネチネチと何度もいじめられました
そのゲストさんは毎回ゲストとして出演する、座長の友人でした
看板俳優のG先輩から
「Mint、新人の頃はな、金使って、それから気を使うんだぞ」
とアドバイスしてくれました
お金はともかく気を使うのが下手なMintとしては、貴重なご意見でした
公演終了のたびに皆して飲み会です
毎晩それが続きます
飲み会が終わった後、外に出てからS先輩にMintは注意されました
Mint両親にお願いして、ご飯物の差し入れをしてもらったんです
それを公演の最中、男性の楽屋に持っていったのです
公演が終わった後でその事を注意されました
役に集中してるところを邪魔されたと…
確かに言われる通り、Mintは邪魔してました 反省してます
ただMintとしては、ダンスが多くて体力を消耗するから
合間にでも食べてもらえたらって思ったんです
ここでも気を使う事ができなくて、
注意された後、Mintは傷ついて泣きながら帰りました
公演も無事終了し、またダンスレッスンの日々
そしてクリスマス公演、終わったらまたダンスレッスン
そして次は春の公演、終わったらダンスレッスン
次は秋の公演でした
あんなに優しかったA先輩は、本当は優しい人ではありませんでした
気性が激しく、座長にダメ出しされるとすぐ切れて退場した事もありました
その秋の公演の事です
何がきっかけでもめたのか、もう記憶にありません
本当に忘れただけなのか、Mintの中で封印したのかもさだかではありません
ただA先輩から「無視するから」って言われたのは覚えています
でも連絡事項があって、どうしても話しかけなくてはなりませんでした
それで「A先輩」って声をかけたのに、やっぱり無視
中学時代のいじめがフラッシュバックしました
「こんな人は先輩なんかじゃない」
Mintの中で何かがはじけました
そして決意しました
この公演を最後に、この劇団を辞めると…。
ゲストの人からも、あの後も何度もいじめられました
A先輩からもいじめられました
もう詳しくは書きたくありません
いつもきつい口調で怒声を浴びせられたのは覚えています
最後の公演の打ち上げの後、新宿の街を皆と歩いていたら
あのいじめたゲストさんが
「俺は背が高い女が嫌いだ」
って言いながら、持ってた傘でMintの頭を何度も叩いた
かなりゲストさんは酔っ払ってたけど、それでもすごく傷ついた
ちなみに座長からも嫌われていました
下手だったのは事実ですが、セリフを削られたり
出番を減らされたり、ダンスする場所を後ろにされたりと
何度も嫌な思いをさせられました
とある女性ゲストさんの結婚式の二次会に呼ばれた事がありました
その時A先輩がMintに話しかけてきます
「これからは稽古場の管理、お願いね」
話を聞いたら、A先輩も辞めるそうです
それならもっと頑張ればよかったかもしれない…
でもMintの決意は揺るぐ事はありませんでした
忘年会の時、最後だと思いながら参加しました
飲み終わって外に出た時、座長に思い切って声をかけました
辞める事を報告しようと思ったのです
でも「座長」って声をかけただけで、把握したらしく
嬉しそうな顔をして、座長はMintを抱きしめました
結局「辞める」とはっきり言えませんでした
数日後、退団手続きの手紙が届きました
はっきり「辞める」と言ってもいないのに届きました
手続きを終えて、Mintの劇団生活は幕を閉じました
今でも当時の事は心の傷として、まだ残っているようです