ほの.かな.日々~Glueckliche Tage mit Honorin&Kanapon~

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長い長い陣痛との戦い



通された分娩室には、分娩台の他に、
自由なスタイルで出産出来る、タタミ四畳程のスペースがある。

そこには、天井から横綱の様な極太なロープが垂下がっていたり、
(つかまってふんばる人用)大きなクッションがいくつも置いて
ある(抱えてふんばる人用)。

「自然分娩」「フリースタイル」がここの病院の産科のウリ
なのでこのような設備があるのだ。私がここを選んだのも
この体に良さそうな?歌い文句に魅かれたからであった。

当然、滅多な事の無い限り、陣痛促進剤使用も診察も無く
ひたすら「自然」に陣痛の高まるのを待つ。
出産時の会陰切開も基本的には行わない。

実際、地元の友人や生徒のお母様も何人もここで出産しており
評判も良かった為、何ら迷う事も無く決めていたのだが。

そんな訳で、当然私もこのタタミスペースでの出産を希望していた。

そのタタミスペースで、「入院セット」なる袋と(産褥グッズ一式入り)
ピンクの入院着(昔家庭科で作ったスモックみたいな‥^^;)を渡され、
助産婦さんから説明を受ける。

「今の所、出産が一番近いのがOさんなので、ここに居て下さって良いですよ。
 時々見に来ますが、陣痛が絶え間無くなったらすぐに呼んで下さいね」
‥うぅ、今も充分絶え間無い気がするんだけど‥(^^;

大きなクッションを抱え、うめきながら、陣痛の高まるのを待った。
主人も腰をさすったりうちわであおいだりとサポート体制に入った。

そして夜。
いよいよと判断されたか、タタミにシートが敷かれたりと
クッション抱えた私の周りで助産士さんが慌ただしく準備し始めた。

そして出産体制に。言われるままに呼吸といきみを繰返す。
‥が、ここで異変が。
陣痛が、スーッと和らいでいった‥(おいおいおい!!!

助産士さんも「あら?あら?」を繰返し、触診やら内診やらで調べ始めた。
そして結論「陣痛が弱まっちゃったみたいね。このまま待ってみましょう」
‥はぁ?待つってどのくらいなんでしょ?(T_T)

そして深夜になっても、微弱な陣痛と戦い、時間だけが過ぎて行く。
このままでは、セブンイレブン出産は実現出来そうに無い。

‥とそこへ他の助産士さんが飛び込んで来て、無情にもこう言った。
「Oさん!ごめんね!今、もうすぐ産まれそうな人が運ばれてきたの!
 悪いけど、陣痛室に戻ってて!ご主人!荷物運んでね!」‥はぁぁ?

仕方なく私は痛みにうめきつつヨロヨロと隣の陣痛室へ移動し、
主人は、荷物‥私のバッグと、「オーディオセット一式」を
慌ただしく運び始めた。

「何故にオーディオセット?!」
主人はオーディオマニアなんです。って理由にならないか(^^;
いや、生まれた瞬間、私の演奏を聴かせたいと言ったら
どうせなら良い音でと、わざわざ運んで来おったのだ‥
(こんな物持ち込む方初めてですと言われたのは言うまでも無い)

追い立てられて入った陣痛室のベッドで、主人と痛みに耐えていると、
すぐ隣の分娩室から、リアルな出産シーンが丸聞こえであった。
‥これも相当ツライ‥(*-*)

やがて感動の出産。元気な産声が!
立ち会ったご主人や、後から来たご家族の嬉しそうな声。
痛みでそれどころではなかったが、オメデトとつぶやいたりして(^^;
うぅ、絶対次は私の番だ!と願った。

しかし日付変わって12日になっても、
陣痛が高まってタタミへ行くと陣痛が弱まってしまう状況が続いた。
だが自然分娩よろしく、診察も無く
助産士さんは巡回の度明るく励ましてくれるだけだった(T_T)

そんな中、タタミで主人とうめいていると
仕切りのカーテンの向こうが賑やかになった。
どうやら、帝王切開で出産した人がいたらしく、
赤ちゃんが運ばれて来た様だった。

「双子」という言葉が聞こえ、ピンと来た!
母親教室で知り合ったJ子さんが出産したのだ!

直前までお互いにメールでやりとりしていて
「何か、一緒の時期に出産になりそうだね」なんて言っていた。
J子さんは既に帝王切開での出産が決まっていた。

ヨロヨロとカーテンを開けると、そこにはJ子さんのお母様とご主人。
一人づつ、生まれたばかりの可愛い男の子を抱いていた。
痛みの中、感動がこみあげてきて、涙が頬をつたった。

突然顔を出した(しかも顔面蒼白な)私に驚いた様子だったが
「J子さん無事出産されたんですね、おめでとうございます!」
と、涙ながらに言う私に、お母様が「あなたももう少しよ、
がんばって!」と励まして下さった。

この言葉と、可愛い兄弟に、どれだけ励まされただろう。
絶対に負けない!この子もきっと生まれ出ようと苦しいはず。
私がしっかりしなきゃ!と、押し寄せる陣痛の中覚悟した。

そして出来る事なら、この兄弟と同じ誕生日だと良いな‥と思った。


そして感動?!の出産


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