・・・そして、今思うこと

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夫婦別姓について 《けやきの生い立ち》


 父方親族の反対がものすごくて、入籍しないまま私が産まれ、もつれたままの状態で現在に至っています。
 なので、私は結婚するまで母の籍に入っていました。
 父の欄は空白。そして私が戸籍に載った日にちは誕生1年後の日付です。きっと1年間母が奔走してくれたのでしょう。
 私は戸籍を見る度にいたたまれない気持ちになっていました。

 小学校入学前まで、母と私は母の実家に居候していました。その時は母の姓を名乗っていたのですが、小学校入学と同時に父と同居することになり、世間体もあったのでしょう。父の強い希望でそれ以降結婚するまで、日常生活では父の姓を名乗っていました。
 でも戸籍上は母の姓になっているわけですから、保険証、運転免許証、パスポートなど役所が絡んでくる書類に関しては、違う姓を使わなければならず、色々弊害がついて回りました。

 こんな事があって、小さい頃から「私って何なんだろう。」といつも考えていたように思います。
 だって日頃、「私は○○(父の姓)です!」って言ってても、世間的には通用しないんですから。
 その虚無感というのは相当なものがあります。
 私はよく、「自分の事を他人事のように言うね。」と言われていましたが、自分が○○さんなのか△△さんなのか、何なんだかよく判らない私にとって、自分のことを一歩引いた目で見ていなければ、生活できなかったところがありました。


 最近、夫婦別姓が流行っていますね。
 私の知り合いの中にも何人かいます。
 子供さんがいるにもかかわらず、子供さんが授かる度に籍を入れて、わざわざ離婚届を出してまで頑張っている人もいます。
 家庭裁判所で認知手続きをしたという人もいます。

 でも、どうしてそこまで自分の『姓』にこだわるのか。
 正直言って私には判りません。
 子供さんの立場に立てば、「どうしてうちのパパとママは苗字が違うんだろう?」と不思議に思う時がきっと来ると思います。大きくなればなるほどその疑問に色々なものがかぶさってくることでしょう。
 夫婦別姓にしているのなら、この疑問に対する答えをきちんと持って、子供さんが不安にならないようにして頂きたいと思います。
 それなりの信念をもって、夫婦別姓をとっていらっしゃる方々でしょうから心配はないとは思いますが。
 『人と違う』という事は、何かと大変な事です。

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