Blue kiss

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恋の履歴は役に立つのか?

恋の履歴は役に立つのか?



あの日以来、わたしは落ち着かない。
だって答えがわからないのだ。

「オトコっぽい。」
「珍しい。」という言葉を残して帰ったキタミさん。
あの爽やかな笑顔も、ひょっとしたら
お喋りでアホっぽいヤツと笑ったのかもしれない。

「だぁーっ!」
イベントの進行表なんかどうでもよくなった。
そんなことを考えている余裕も隙間もない。
とにかく、最初っからオウンゴールを決めてしまったことが
勝ちたいゲームを不利にしている。


「口は災いの元だよねぇ。」
ふいに右の肩越しから、忌まわしい声が来た。
アキヤマだ。

「何がよ。」わたしは向き直って小さく怒鳴った。
人の心を見透かすような発言を
こいつはいつも不用意に投げてくる。

「知らないの?課長のこと。」
「なによ。知るわけ無いでしょ。」
今日一日の社内情報など、知るもんか。

「酔っ払ってポロッと愛人の自慢話したらしいよ。同窓会で。
そしたら、その同級生が愛人の知り合いだったってさ。
よくある話みたいだけど、身近ではなかなか聞けない話よ。
今、修羅場みたい。」

アキヤマは明らかに嬉しそうに小声で一方的にまくしたてた。
災い・・・

コイツは本当に嫌なヤツだ。
わたしはアキヤマを睨みつけてから
パソコンに向き直った。

その時、終業の音楽が流れてきた。


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