ターシャ・テューダーに憧れて

ターシャ・テューダーに憧れて

生きていく頁


あつ子は、キャピキャピしている私たちを、どこか醒めて見ているのですが悲しい事があった時、必ず隣にいてくれる人です。
メーちゃんは、兄弟が多くて、しっかり者。
神社に嫁いだみち子ちゃんは、今も自分のこと「みち子ねえ~」って言います。
私たち、ピンクレディーにも、キャンディーズにもなれなかったけれど、立派な、おばちゃんシスターズになりました。


私たち心がカラカラになるほど泣いたことがあります。

みんみんは、いつものように、3つになった坊やをつれて近くにある踏み切りに電車を見にゆきました。どうして、線路をはさんで別れ別れになったのか、それは、今もわからないことです。みんみんは、坊やに動かないでと叫びました。坊やは、ママが呼んだと思ったのでしょう。駆け寄りました。
そこに電車がやってきたのです。ご主人のご実家で葬儀はありました。土砂降りの雨の中、私たちは見送りました。長い、田舎の葬送の先頭は、遺骨になった坊やを抱いたご主人。みんみんをさがしました。待ちました。一番後ろから、葬送から少し離れて、喪服のみんみんが傘も指さないでひとりぼっちでびしょぬれで歩いていきました。あまりにむごくて私たちは叫びました。誰かそばにいてあげて。。。泣くというより悲鳴にも似た慟哭でした。土砂降りの雨は、容赦なく打ち消してしまいました。今もその雨の冷たさを忘れられません。


ふうちゃんが結婚するとき、みんなで反対しました。母子家庭で育ったふうちゃんは、お母さんが勧める、経済的な安定を選びました。福岡の嘉穂郡という町に嫁いでゆきました。あつ子の結婚式に四国へ帰ってきたとき、「ふうちゃんやせたね~」と言うと、「お腹だけ出てるのよ。」と笑いました。ふうちゃんは、翌年、夏休みが終わる日に人生まで終えてしまいました。胃がんでした。ご葬儀に間に合わず私たちが駆けつけたのは、二日後でした。ご主人とお姑さんはご挨拶された後子供さんをつれて出かけられました。ふうちゃんのお母さんが入院中の写真を出して声の入ったカセットを聞かせてくださいました。「おかーさんたら、ねえ、おかーさん」ふうちゃんは子供のように甘えていました。人間はこんなにやせられるのと思ううくらい、やせた写真でしたがふうちゃんは笑っていました。「夜の暗さが怖いから、テレビをつけたままにして」と言っていたそうです。私も今、一人の夜は、テレビをつけたまま眠る癖がつきました。ふうちゃんはまだ、29歳でした。


としちゃんは、高校時代バスケット部のエースでした。
結婚してからうちが近所になり、ソフトバレーも一緒にしていました。その日もバレーの練習がありました。私はさぼっていました。
ご主人の車に乗っていて話をしていました。許せないことがあったのでしょう。止めてといいましたがご主人も、とめられませんでした。としちゃんは、とっさに飛び降りました。2週間彼女は頑張りました。彼女は、ずっと頑張りやさんだったから。。みんな祈りました。信じました。
私は、ご葬儀に出ないと決めました。としちゃんとは、ずっと会ってないだけだと思うことにしました。でも、でも、やっぱり、行かずにおれませんでした。みんなでおもいきり泣きました。悔しくて泣きました。絶対死にたくなかった彼女の思いをみんなわかっていました。哀しい同級会でした。まだ40歳になったばかりでした。


ただ、淡々と彼女たちのことを記しました。どんなに書き込んでも書ききれないから、ありのまま、私の大事な友人のことをそっと書いておきたかった。

 私は、生きていかなくてはいけません。生かされている意味をけっして忘れません。明るく笑って生きていこうと決めました。
ターシャのように、ちょっと、わがままも言いながら100歳までも生き抜いて貴女たちにふさわしいお花をたくさん育てていこうと思います。

みんみん、ふうちゃん、としちゃん、どんなに、いやだって言ったって貴女達には、おばちゃんシスターズの名誉会員の称号を授けます。

          永遠に、ともだちだよ。





天国の花々 (8) [ ターシャ・テューダー ]
今までも録画していたDVDを繰り返し繰り返し見ていたけれど、今日は全国の方と同じ時間 ターシャの世界を共有していることがうれしかった。。ターシャの言葉や、斎藤由貴さんのナレーションまで暗記している自分に驚いたりしています。
ダイジェスト版でしたけれど、ターシャを充分感じて理解していただけたのではないかしら。。。

私は、ターシャのように100歳までも生き抜いてお花を育てたいという夢があることを前に書きました。。。
哀しい運命を受け入れた友人たちのために。。。生きていくわたしのために。。。そう書くととても思いつめているようですけれど、実はもっと清々しい気持ちでいます。みんなの分まで生きていく そんなおこがましいことではないのです。みんなに支えてもらっている実感があるから、寂しさは、少しになりました。でも、そんな気持ちになれたのも、つい最近このブログに吐き出すようにもがいて書いてしまってからのことです。

天国の花々は、きっとターシャの庭のようなのでしょうね。
それぞれがそれぞれの価値を持ってどの花も気高いのでしょうね。

雨が降ってきました。また少し冬に近づきます。でもそれは、新しい春にもまた近づいていくことだと知っています。

今日はターシャの庭の夢が見られるといいな。。

名もなくうつくしく

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