ターシャ・テューダーに憧れて

ターシャ・テューダーに憧れて

生きていく頁4



だんな様のお姉ちゃんのおっぱいにガンが見つかりました。。

自分で見つけたのよ。。清さん触ってくれないから。。発見遅れるところだったわ。。

     お姉ちゃんは、いつも明るい。。この電話も、底抜けに明るい。。

ごめんね。黙っていようと思ったんだけど、明日朝一番で切っちゃうわ。。。

     お姉ちゃん、エイプリルフールなら、もう終わっちゃったよ。。

MIちゃん、明日来なくていいよ。。年度始めの仕事が大事なのは知ってるから。。。

     お姉ちゃん、私、行くわ。。絶対に行く。。待っててね。

MIちゃん、待ってるだけなんだよ。。いいよ。。清さんも、夜勤だから
手術終わった頃に来るんだから。。。目が覚めたら王子様が待っててくれるんだから大丈夫だからね。。

     いやだよ。お姉ちゃん。。邪魔にしてもお姉ちゃんのそばにいるよ。。
     絶対に行く。。。



明るいお姉ちゃんの声。。。いつもとなにもかわらない。。

「MIちゃん、いかなごのくぎ煮、こがしちゃったわ。。」
そんな感じで、自分の体のこと、私に電話してきた。。

お姉ちゃんの笑顔はきっとガンにも勝つと思うの。。
ちょっと、大きなおできだよね。。。
二人で笑っちゃおう。。二人で笑い勝っちゃおう。。。

だけど一人でいると泣いちゃうよ。。今だけ泣いちゃうよ。。
ごめんね。お姉ちゃんの方が辛いのに。。。わかってるのよ。。
今だけだからね。。。

明日は、お姉ちゃんにとびっきりのギャグとか言うわ。。
でも、それは手術の前にしなきゃね。。
笑いすぎて傷口が開いたりしたら、お医者様に叱られるもの。。


お姉ちゃん、今夜はおっぱい抱きしめて眠ってね。。















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