
私は乾いた地上を舞っていた。
干上がった干潟に残骸のように横たわる貝殻。
女は男の後ろ姿を目で追っていた。
「ボクの考えは、男は妻子の為に犠牲になるのが
男の役目だと思っているんだ。両親を見ていてもそう思うしね・・」
「それって、本当? そんな犠牲的生き方で幸せと言える?」
「さあ、結婚ってそんなものじゃないの?・・」
女はため息をついた。
「夫がそんな風に思っているなんて、妻の立場はどうなるの?
全くつまらない生き方よ。妻子の犠牲になるなんて・・」
女は言った。
「私は、夢を持った男の人が好きだなぁ!
妻子の為に自分を犠牲にして生きるなんて、最悪・・」
数年後、男は出て行った。
夢を目指して・・・。
女は、自分の放ったセリフ、夫が投げかけたセリフの一つ一つに
嘘が含まれていたのか、真実の言葉だったのかを考えた。
嘘ではない、けれど、真実でもない。
真実だけれども、謎が掛けられている。
確かなものは何もない。
あるのは、乾涸らびた残骸が語る真実だけ。
風が吹いて砂を巻き上げた。
さぁて、ここから早く引き上げるとしょう・・。
<2007年5月22日のわたしの作品です。先週はこの絵を使って即興で物語を
創ってもらいました。 絵は、ウラジミール・クッシュ>
即興小説 『さくらと野良猫』 2015.04.05 コメント(2)
日記 『芝居と映画満喫日』 2015.04.05 コメント(2)
即興小説 『真珠の耳飾りの少女』 2015.04.03 コメント(6)
PR
Calendar
Comments
New!
ダニエルandキティさん
New!
そら豆さん
New!
USM1さんKeyword Search
Freepage List